Pythonで文字列を構築する場面は日常的に訪れます。その際に登場するのが、文字列フォーマットの3つの代表的な方法：
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%演算子による古典的なフォーマット -
str.format()による柔軟なメソッド形式 -
f-string（フォーマット済み文字列リテラル）による最新のシンタックス（Python 3.6以降）
それぞれに一長一短があり、どれを使うべきか迷う場面もあるでしょう。
各フォーマット方法の基本構文
1. % 演算子
C言語由来の伝統的なスタイルです。
name = "Alice"
age = 30
print("My name is %s and I am %d years old." % (name, age))
- メリット：短く書ける、Python 2 でも使用可能
- デメリット：型指定（%s, %dなど）ミスがエラーに繋がりやすい
2. str.format() メソッド
Python 2.7 / 3.x 以降でサポートされている汎用的な方法です。
print("My name is {} and I am {} years old.".format(name, age))
- メリット：名前付き引数や順番の制御が可能
- デメリット：やや冗長で長くなりがち
print("My name is {name} and I am {age} years old.".format(name="Alice", age=30))
3. f-string（Python 3.6+）
もっともモダンで人気の高い方法です。
print(f"My name is {name} and I am {age} years old.")
- メリット：簡潔で直感的、式評価も可能
- デメリット：Python 3.6 以上でのみ使用可能
使いやすさの比較
1. 直感性と可読性
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f-stringは 変数や式がそのまま書ける ため、コードの可読性が高いです。 -
format()は 柔軟性はあるが、記述が冗長になりやすい。 -
%は シンプルだが、読みづらくバグの温床にもなりやすい。
2. 複雑な構造に対応できるか
たとえば辞書や計算式を埋め込みたい場合：
user = {"name": "Alice", "age": 30}
print(f"My name is {user['name']} and I will be {user['age'] + 1} next year.")
このような 式埋め込みができるのはf-stringだけの特権です。
パフォーマンス比較
Python の timeit モジュールで実行速度を比較してみましょう。
1. ベンチマークコード
import timeit
name = "Alice"
age = 30
print("f-string:", timeit.timeit("f'My name is {name} and I am {age}.'", globals=globals()))
print("format():", timeit.timeit("'My name is {} and I am {}.'.format(name, age)", globals=globals()))
print("% operator:", timeit.timeit("'My name is %s and I am %d.' % (name, age)", globals=globals()))
2. 実行結果（例）
| 方法 | 実行時間（秒、10万回実行） |
|---|---|
| f-string | 0.12 |
| format() | 0.19 |
| % 演算子 | 0.17 |
3. 考察
- f-string が最速
-
format()は一番遅い -
%は中間程度
Python公式ドキュメントでも、f-string はパフォーマンス的にも推奨されています。
実用面での使い分け
1. Python バージョンによる制限
-
Python 3.5 以下：f-string 非対応 →
format()を使う - Python 3.6 以上：f-string を推奨
2. チームやプロジェクトのルールに注意
- 混在するとレビューや保守が難しくなる
- チームで 書式統一のコーディング規約を決めておくのがベスト