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YOLOv3+pythonで車載動画中のバイクを認識し動画にする

Last updated at Posted at 2018-05-23

リアルタイムに物体認識できるYOLOですが、最近YOLOv3が登場しました。
これを使って、試しに簡単な動画解析プログラムを組んでみます。

さて、私は、趣味でバイクに乗っていて、ドライブレコーダー代わりに、安価なアクションカメラを付けて、動画を撮影することがあります。
ただ、車載動画は撮影しても、長すぎて全部見返すことはほとんどありません。いいシーンだけ抜き出してくれればなぁと常々思っています。

ところで、バイク同士がすれ違うときに、軽く手を降るなど挨拶する文化があり、YAEH(ヤエー)と呼ばれています。
市街地ではほとんどないですが、ツーリングスポットでお互い集団だと時々ヤエーされたりします。
youtubeには多くのヤエー動画がアップロードされてます。

YOLOを使って、バイクとのすれ違いシーンをうまく切り出すことができれば、「YAEH(っぽいところ)動画」を自動的に作ることができそうです。見返すのも楽しくなりそうですね。

というわけでやっていき。

結局どういうのができるの

こういう動画から、
元の動画

画像中のバイクの数を認識して、こういう動画を作ります。
自動編集した動画

すれ違ってない部分も多いですが、バイクとのすれ違いシーンはおおかた抜き出せてるのでは、と思います。
ただ、(私が)全くヤエーしてなくて、もうちょっといいサンプルが必要ですね…

環境

動画から物体認識するので、高性能のGPUは必須です。
それ以外は、特に制約はありませんが参考まで。

OS:Ubuntu 16.04
GPU:GTX1080 (cuda9.1)
メモリ:16GB
動画フォーマット:MOV, 1280*720 60FPS

python3(anaconda3-5.1.0)を使いました。
また、OpenCV, CUDA, cudnnは予めインストールしています。
ちなみにOpenCV3.4.1だとdarknetのmakeできないIssueがあるようで、ハマりました。
OpenCVは3.4.1ではなく、3.4.0を使いましょう。

YOLOのインストール

YOLOは公式のdarknetでの実装を利用します。公式通りなので簡単に。

公式サイトの手順通り、darknetをcloneし、YOLOv3のconfig fileをダウンロードします。
ただし、CPUだと1画像(1フレーム)十数秒~かかるので、動画の場合はCompiling With CUDAを参考に、CUDAとOpenCVを有効にして、makeします。

makeが通り、detectが利用できれば問題ないと思います。

./darknet detect cfg/yolov3.cfg yolov3.weights data/dog.jpg

pythonからdarknetを利用する

darknetにはpython用のAPIとサンプルコードが用意されています。

  • python/darknet.py
  • examples/detector-scipy-opencv.py

今回、python3を利用するので、2to3を使い、darknet.pyをpython3で動くようにしておきます。

2to3 python/darknet.py -w

また、python/darknet.py で libdarknet.so をフルパスで指定しておかないとうまく動かないことがあります。darknet.pyの L47-48あたりを修正しておきましょう。

#lib = CDLL("/home/pjreddie/documents/darknet/libdarknet.so", RTLD_GLOBAL)
lib = CDLL("libdarknet.so", RTLD_GLOBAL)

動画解析のコードを書く

サンプルコードを参考に実装していきます。
実装コードはここのgistにあげました。

動画の読み込み/書き込みにはscikit-videoを使っています。

認識は0.18秒/1frame 程度で終わるので、デバッグ用のファイル出力をしなければ、1秒あたり2フレームを処理すると、10分の動画で、大体5分程度で終わります。全フレーム処理すると時間がかかるので間引いて処理しています。

実装では、YOLOで認識したバイク(motorbike)の認識結果をplotlyで可視化しています。
以下は、ある動画を解析した結果で、横軸がフレーム、縦軸がそれぞれのバイクの確率を表しています。

image.png

頻繁に1フレームだけバイクが検出されていて、ちょっとノイズが多いですね。より作りこむ場合には、この対策が必要です。
今回は、フレームごとに確率の総和を取り、適当なしきい値(1.8など)より大きい場合に、そのフレームを抜き出して、編集してみます。
すなわち1フレーム上に、複数台のバイクが存在していると、「バイクとすれ違った」と見なしています。

総和をとった結果はこちら。

image.png

ちょこちょこ、バイクを2台〜3台程度認識していることがわかります。
作成した結果は、上に上げたとおりです。

うまくいったり、いかなかったりした認識結果のフレームをいくつか参考に載せます。
バイクの認識結果だけを囲って表示しています。

18600フレーム目。いい感じですね。
image.png

33600フレーム目。なんか2台いることになってます。
image.png

32940フレーム目。遠くの自動車をバイクとして認識してしまっています。
image.png

28320フレーム目。自動車をバイクとしている以外は、いい感じ!
image.png

29160フレーム目。手前のバイクを認識してないですね… 奥の自動車をバイクとしています。
image.png

ざっと結果を見てみたところ、以下のような問題がありました。

  • 真後ろ・真正面のバイクを認識できない(見逃す)
  • 自動車をバイクと誤認識する(逆も多い)

しきい値を変えたりすることで緩和可能かと思います。

よりよい動画作成には、

  • 誤認識(ノイズ)の扱い
  • 自動車と認識した場合の対応、
  • 認識したフレームの前後のフレームの利用
    などが必要です。
    もうちょっと作りこむ必要がありますね。

まとめとfeature work

YOLO使って、お手軽に動画解析し、動画を編集・作成するシステムを作りました。
しっかり取れることもありますが、1フレームのみでは、誤認識も多いのでうまく扱う必要がありそうです。

今回は、画像中のバイクの台数を利用して動画を作成しましたが、マスツーリングの場合には前に走っているバイクも含めてしまうので、対象物が迫ってきているのか(相対速度)を判別して「すれ違ったバイク」のみを認識する必要があるでしょう。
また、「ヤエー」そのものも認識したいです。が、体がバイクに隠れるので難易度高そうです。ポーズ推定(GoogleのPoseNetなど)を使ってみるのもありかもしれません。

動画解析サービス、例えば、Google Cloud Video Intelligenceとか、Azure Video Indexerとか、Amazon Rekognition Videoとかバシバシ登場してきてます。これらを用いればもっと簡単に・スケールするものが作れそうです。YOLOv3やTiny-YOLOv3との精度比較もしてみる価値はあると思います。

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