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グローバルプロジェクトを"基礎英語3レベル"で乗り切るためにやってきたこと

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こんにちは、NEXTSCAPE クラウドインテグレーション事業本部 Advent Calendar 2018 4日目の記事です。

今日は、プロジェクトで英語を使うためのテックについて書きます。

"基礎英語3レベル"でグローバルプロジェクトに立ち向かう

1年前の今頃、私はグローバル企業向けプロジェクトにアサインされました。

それまで経験してきた英語でのコミュニケーションといえば、
海外旅行での必要最低限のコミュニケーション、
海外の製品ベンダーにメールで問合せ、といったくらいでした。
一番英語を勉強していたのは中学生の時で、
NHKのラジオ英会話「基礎英語3」を聞いていました。

今日は、そんな"基礎英語3レベル"でも、
度胸と少しの工夫で なんとかグローバルプロジェクトを
乗り切る方法をお伝えできればと思います。

この1年間毎日仕事で英語を使ってきた体験を振り返り、
その中で得た気づきや、役に立った工夫、心構えについて書いていきます。

英語を「日本語のように」話そうとしない

プロジェクトが始まると「英語で話す」機会がとても増えました。

学生時代は「読む」「翻訳する」といった学習がメインだったので、
これは大きなハードルです。

話しはじめるとすぐに気づくことですが、
あまり話す経験をしてこなかった私のような人間の場合、
いきなり英語を話し始めるというのは、かなり難しいことです。

「今まで何を勉強してきたんだろう、こんなことも言えないなんて!」と
衝撃を受けるほどです。

でも、あまり落ち込む必要はありません!
よく考えてみれば、英語と日本語の語順は大きく異なるので、
頭の中で並び替えてすぐに口に出す、というプロセスは難しいのです。

「話す」前に「書くこと」から始めてみる

そのころよくやっていたのは、
話す内容をとにかくすべて書き出してみること」でした。

「朝会で話す今日のタスク」
「リモート会議で話す内容」
「お客様へのスライド説明のスクリプト」

少し手間でも、まず書き出してみます。

「えっ!?それ、めちゃくちゃめんどくさい!そんなの必要ないでしょ!」

と思われた方!
もちろん、書かなくても問題なく話せる方は、書く必要はありません。

いきなり英語で話し始めようとして、己の無能感にさいなまれた私のような方、
それで英語に取り組むこと自体が嫌になってしまう代わりに、
「書き出してみること」から始めるのは、悪い作戦ではないと思います。

しかしこの方法は手間と時間がかかるというデメリットもあるので、
話すことに慣れてきたら徐々に書く量を減らしていきます。

キーワードを書いてスムーズに言葉が出てくれば、しめたもの!
そろそろ卒業してもよいころです。

「Google翻訳」はイケてないのか?

書くときに「Google翻訳を使う」のはイケてないんでしょうか?

私は、「Google翻訳から始める」のも「悪くない作戦」だと思っています。

理由は、「英語に費やす時間を短縮できる」からです。
またプロジェクトに必要な「スキルのハードルを下げられる」ので、
より多くの人がプロジェクトに参画できるようになります。

Google翻訳は最近目覚ましい進化を遂げています。
そのままでも結構伝わる文章が作れます。

「ネイティブの自然な言い回し」は忘れたころにやってくる

Google翻訳の若干の難点は、
「ネイティブの自然な言い回し」をヒットさせる原文の書き方が難しい事です。
というか、それが分かっていたらGoogle翻訳を使う必要がないでしょう。

私も最初は、「ネイティブがよく使う表現集」を紹介しているサイト等を参考にして、
勉強していました。
これはこれでとても勉強になるので、英語の表現力を豊かにしたい方にはオススメです。

ですが、それなりに時間がかかってしまうので、そんな時間を割けない方には、
やはり「Google翻訳から始める」ことをオススメします。

ここで朗報です!

1年間プロジェクトで生の英語に触れてきて、気付いたこと。
それは、1年間もたつと、自分の英文と生の英語(ネイティブの自然な言い回し)の差を、
おぼろげながらですが、違和感として感じられるようになってきます。

これは一つの成長だと思いますが、つまり「たくさん触れていると身につくもの」は、
最初から追い求めなくてもよいといえるのではないかと思います。

ですので、Google翻訳から始めても大丈夫です。
成長は忘れたころに自然とやってきます。

瞬発力を鍛えるには多少の「筋トレ」が必要

「話す」前に「書くことから始めてみる」ことを提案しました。

少し話すことに慣れてくると、次のステップとして、
「よりスムーズな会話ができるようになりたい」と思うことがあります。

そんな場合は、「瞬間英作文」で「筋トレ」してみるのがよいかもしれません。
「瞬間英作文」とは、「短い日本語を見て、それをすぐに英語に直す」というトレーニングです。
「英語が頭で作られて発声するまでの回路」を鍛えるイメージです。

このようなトレーニングのためのテキストは世の中にたくさんあると思いますが、
私は『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』(森沢 洋介 著)という本を使っていました。

とてもシンプルなセンテンスで練習するので、例文の文型を自然に応用して使えるようになります。

ノンネイティブ同士のコミュニケーションの工夫

できるならリモート会議はなるべく減らす

毎週2回のリモート会議を1年間実施してきた経験から、

英語での会議(特にリモート会議)はなるべく減らすことをお勧めします!

プロジェクトの中で一番難しかったことは、なんといっても、
「インドにいるインフラベンダーのメンバーとリモート会議を行うこと」でした。

母語のコミュニケーションにおいてすら、
電話のような音声によるコミュニケーションでは、物事を正しく伝えるのが難しいように、
瞬発力をもって対応できるスキルを持たない英語を使ったコミュニケーションの場合は、
リモート会議はかなりの困難が伴います。

特にノンネイティブ同士でリモート会議を行うと、お互いに聞きなれない発音や表現を使うため、
相手の言っていることが全く分からない」といった状況が起こります。
メールでのコミュニケーションの方が数倍負担が少ないですし、効率的だと感じています。

簡単な工夫でリモート会議を乗り切ろう!

そうはいっても、なくせないリモート会議。

プロジェクトのコミュニケーションルールとして決まっていたり、
メールのやり取りだけではらちが明かない状況も出てくると思います。

何とかリモート会議を乗り切るために見つけた方法として効果的だったのは、
ネイティブスピーカーのPMがやっていたことを真似することでした。

  • 工夫その1. 事前に簡単なメモを相手にメールしておく
  • 工夫その2. なるべく同じものを「見ながら」会話を進める
  • 工夫その3. 自分が理解したことを伝え、相手に「あなたの理解とあっている?」と聞き、Yes/Noでの回答を待つ

工夫その1. 事前に簡単なメモを相手にメールしておく

事前準備ですが、とても効果があります。
自分の伝えたいことを事前に整理できるので「スムーズに話し始められる」だけでなく、
相手も「私たちが何を話したいのか」を把握し、心の準備ができます。

工夫その2. なるべく同じものを「見ながら」会話を進める

使える視覚情報は最大限使います。

音声を正確に聞き取りずらいリモート会議の場合、
話しているトピックすらあやふやになることがあります。
「今このトピックのことを話してます」というのを示すだけで各段にストレスが減ります。

エンジニア同士の場合は特に、「ソースコードを見せるとわかりあえること」があります。
多少単語を聞き落しても、ソースコードにカーソルを当てながら話すことで、
「会話のバックグラウンド」が補強できます。

工夫その3. 自分が理解したことを伝え、相手に「あなたの理解とあっている?」と聞き、Yes/Noでの回答を待つ

相手が何を言っているのか本当にわからないときに試す方法です。
(この状況は、意外とよく遭遇します)

私のPMがやっていたのは、

"Let's get everyone on the same page"(「みんなで同じ認識に立ちましょう」)

と言って話を一度区切り、

"My understanding is that ~"といって自分の理解していることを述べます。

そして、"Is that correct?"と、相手の理解と一致しているかを確認します。

そしてもう一つ大事にしていたのが、
相手の言っていることをタイピングして相手に見せながら会話を進めるというやり方です。

これによって相手も、「ああこの人は理解したな」という安心感を得ることができますし、
もしこちらが間違った理解をしていたら訂正することもできます。

まとめ

ここまで書いてみて、英語を使わないプロジェクトに比べて多少の手間はかかるものの、
特別に難しいことをする必要なく、1年間やってこれたのだということに気づきました。

むしろ「エンジニアとしてのバックグラウンド」があれば、
一般的な「相手に伝えるための工夫」と「ちょっとした分かりあうための作戦」だけで、
大半のことが乗り越えられるような気がします。

もちろん、プロジェクトメンバーや環境にも恵まれていたことも大きいと思います。

PMはネイティブスピーカーで話が好きだったので、
シャワーのように英語を浴びる機会があったこと、
日本人のプロジェクトメンバーもみんな、英語に対してチャレンジングだったこと、
そういった環境の恩恵は大きかったです。

グローバルプロジェクトに参加したことで、同じプロジェクトメンバーの国の文化に
関心を持つきっかけとなり、面白い発見があったこと、
日本人同士で一緒に英語を勉強したり、悩んだりしたことも貴重な経験となりました。

これからプロジェクトで英語を使うことになった方が、
「なんとか乗り切れそうだな」と少しだけポジティブな気持ちになっていただけたら嬉しいです。

明日は、@NobuakiYamakiさんです!

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