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■ 中古Firewallを調教したら最強ルータになった件 ~Fortigate52EのOpenWrt化~

Last updated at Posted at 2025-05-13

皆さまこんにちは。
OpenWrt沼にハマってます 零壱(ゼロイチ)テクトです。

以前から、OpenWrtをインストールしたルータに興味があったのですが
特に近年話題のFortigate 50Eは、ベースのスペックが高く
ゲーミングルータに匹敵する有望性があり、使ってみたいと思っていました。

今回、知人経由でFortigate 52Eを入手したので
そちらをOpenWrt化していきたいと思います。

 

OpenWrtの大御所であらせられる 大破様の手順が完璧すぎて
大差はなく、先人の100番煎じぐらいなのですけど
Fortigate50E以外は、ちょっと癖があるため
経験談を元に備忘として残していきます。

あと純粋にOpenWrtルータに触れて快適さに感動しました。

1.準備

 ・Fortigate 52E本体(以後、FG52E)
 ・コンソールケーブル(僕はUSB接続のを使ってます)
 ・LANケーブル
  ・PC [有線LAN付き](Win11のノートPCを使いました)
   ● PCでやっておくコト
   ・Windowsファイアウォールの解除(TFTPブロックしたりするので全解除で)
   ・有線LANのIPアドレスを設定(「192.168.1.168」/サブネット「255.255.255.0」)
    ※ 後述にてTFTPサーバのアドレスはFG側で指定のアドレスにする必要があるため

   ● PCにインストールしておくモノ
   ・TeraTerm(Terminalアプリなら何でもOK)
   ・Serva(TFTPサーバなら何でもOK。このソフトが一番簡単と思われ)
    ※Terminal/TFTPサーバの使い方については割愛。
   ● PCにダウンロードしておくモノ
   ・KERNEL: openwrt-24.10.1-mvebu-cortexa9-fortinet_fg-52e-initramfs-kernel.bin
   ・SYSUPGRADE: openwrt-24.10.1-mvebu-cortexa9-fortinet_fg-52e-squashfs-sysupgrade.bin

▼OpenWrtイメージ:DLサイト
https://firmware-selector.openwrt.org/?version=24.10.1&target=mvebu%2Fcortexa9&id=fortinet_fg-52e

※必ず使用機種と同じものにしましょう。FG52Eのイメージが見つからず
 FG50Eで代用したところ、ストレージが認識しなかったので揃えた方が良いです。

※いきなり最新版ではなく、確実なSnapshotが良い人は、リンク先でSnapShotに変えて
 openwrt-mvebu-cortexa9-fortinet_fg-52e-initramfs-kernel.bin 等をDL

※SnapShotは、OpenWrtをブラウザから操作可能にする「Luci」が入って無いケースがあるので注意。
 この記事では、導入当初からLuciが入っている事前提でお話しています。

2.OpenWrt導入作業

 ・FG52Eのコンソールポートに、PCをコンソールケーブルで繋ぐ(電源はまだ入れない)!
 ・PC側でTeraTermを起動して、接続ポートをシリアルを選択
 ・FG52Eの電源を入れる
 ・起動画面がCLIで表示されます。
  起動の途中で
Please wait for OS to boot, or press any key to display configuration menu
  と表示されるので、次に進む数秒以内に、適当なキー(SpaceでもEnterでも)を押す

 

 ・ちゃんと反応したら、Fortigateの設定メニューが表示される。

 

 ・メニューから「R」キーを押して、「[R]: Review TFTP parameters.」を選択
 ・FTP接続に必要な情報が表示される。

 

  ・「Image download port」が、PCと有線で接続するポート
  ・「TFTP server IP address」が、TFTPサーバに設定するIPアドレス
   (FG50Eシリーズは大体192.168.1.168)
  ・この時、IPアドレスなどが違っていたら、PC側の設定を変更
  ・「Firmware file name」は、TFTPに置くイメージファイル名
   (Fortigateは、ほぼ「image.out」で固定です)
 ・FG52EのFTP接続ポート(ここではWAN1)とPCを有線のLANケーブルで接続
 ・PCで、カーネルイメージ「openwrt~略~fg-52e-initramfs-kernel.bin」を
  「image.out」にリネームする。
 ・PCで、TFTPサーバ(Serva)の設定で「image.out」を配置
 ・PCで、TFTPサーバ(Serva)を起動
 ・PCで、再度TeraTerm画面にて「T」キーを押して
  「[T]: Initiate TFTP firmware transfer.」を選択
 ・FG52Eが、「接続ポート:WAN1」の「192.168.1.168」のTFTPサーバから
  「image.out」をダウンロード開始されます。
  ※開始されない場合、PCのTFTPサーバの設定間違いか、FWが解除されているか確認しましょう
 ・ダウンロードが完了すると
  「Save as Default firmware/Backup firmware/Run image without saving:[D/B/R]?
  のメッセージが表示される。
 ・「R」キーを押す。(イメージから起動する)
 ・イメージからOpenWrtが起動。TeraTermにその様子が表示されます。
 ・完全に起動すると、Openwrtのロゴ、が表示されます。

 

3.OpenWrt起動後作業

 ・FG52EのWAN1につなげたLANケーブルをLAN1に差し替える。
 ・PCで、ブラウザを起動
 ・ブラウザのURL欄に「192.168.1.1」を入力してEnter
 ・OpenWrtのログイン画面が表示される。
  (LuciというOpenWrtをブラウザで設定できるアプリのおかげ表示されます)

 

 ・初期起動時は、Usernameに「root」が入っている事を確認
  Password空欄で、「Log-in」ボタンを押す
 ・メニュー画面から「System」→「Backup / Flash Firmware」を選択

 

 ・画面下部の「Flash new firmware image」項目から
  「Flash image...」ボタンを押す。

 

 ・「Uploading file...」から「Browse」ボタンを押して

 

  「openwrt-~~~fg-52e-squashfs-sysupgrade.bin」を選ぶ。
  (Sysupgradeのファイル。Kernelでは無いので注意)
 ・「Upload」ボタンを押す。アップロード後、再起動されます。
  (「Continue」ボタンが出た場合は、ボタンを押します)
 ・無事、ブラウザでLuciにアクセスできたならFG52EのOpenWrt化完了です。

※この後、OpenWrtではなく、Fortigateで起動してしまった場合
 コンソール接続のまま、最初のメニュー画面に移行後、
 「B」キーで「[B]: Boot with backup firmware and set as default.
 を選択すると、OpenWrtの方で再起動がかかるようです。

※説明を読む限り、デフォルトとバックアップと2つのファームを持っていて
 今起動している方とは別のファームをデフォルトに設定するみたいですね。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

 Fortigate 52EのOpenWrt化はこれで完了です。
 もう弄りたくてたまらない人や、上級者の方はこれで終わりです。

 以降は、僕含めた初心者や入門者にお勧めの設定やお話です。

4.基本設定

 僕はLuciによるブラウザから全て設定しているので、
 以下設定についてはそれを前提でお願いします。
 最低限やった方が良いと思った設定になります。

 ▼ パスワード設定

  初期設定ではパスワードが設定されていないので、必ず設定しましょう。
  ・メニュー→「System/システム」タブ→「Administration」を選択

  

  ・「Router Password」タブを選択(デフォルト)

  

  ・「Password」「Confirmation」に設定したいパスワードを入力
  ・右下の「Save」ボタンを押す。

 ▼ 日本語化

  メニュー画面のフォントは好みが分かれますが、
  日本語化するにはソフトウェアのインストールが必要です。
  ・メニュー→「System」タブ→「Software」を選択

  

  ・「Software」画面が表示される

  

  ・「Actions」項目の「Update lists」ボタンを押す
  ・一旦、OpenWrt上のアプリリストが全更新されます
  ・その後、「Filter」のテキストボックスにて検索ワードを入力
  ・「luci-i18n-base-ja」を入れるか、「Jpanaese」とか入れて
   フィルタされたアプリリストから探せます。
  ・入力後、画面下部から「luci-i18n-base-ja」を探して
   同項目の右側「Install」ボタンを押す

  

  ・「luci-i18n-base-ja」以外の モジュールやらライブラリやら
   インストール候補が表示されるので、再度「Install」ボタンを押す
  ・バージョンによっては、この時点で日本語化されます。
  ・されない場合は、メニュー→「System」タブ→「System」を選択

  

  ・「Language and Style」タブを選択
  ・「Language」項目を、「Auto」→「日本語」に変更

  

  ・画面右下の「Save & Apply」ボタンを押したら反映されます。

※この言語変更画面に「Design/デザイン」という項目がありますが
 これはスキンのようなもので、ソフトウェアから
 テーマをインストールする事で変える事が可能です。

 ▼ 時間設定/NTP設定

  OpenWrtのデフォルトでも問題ないですが
  個人的に日本国内のNTPサーバも入れています。
  まずはUTCの9時間ズレを直します。

  ・メニュー→「System」タブ→「System」を選択

  

  ・「一般設定/General Settings」タブを選択
  ・「Timezone/タイムゾーン」で「Asia/Tokyo」を選択

  

  ・画面右下の「保存&適用 / Save & Apply」ボタンを押したら反映されます。
  ・同じ画面の「時刻同期/Time Synchronization」タブを選択
  ・更に下部の「NTP servers/NTPサーバー候補」にて以下2つを追記
   「ntp.nict.jp
   「ntp.jst.mfeed.ad.jp

  

  ・画面右下の「保存&適用 / Save & Apply」ボタンを押したら反映されます。

※一番上から取得していくので
 僕は、上からこんな感じに設定しました。
 「ntp.nict.jp」
 「ntp.jst.mfeed.ad.jp」
 「0.openwrt.pool.ntp.org」
 「1.openwrt.pool.ntp.org」
 別に2と3を削る必要はないのですが、
 何個も設定して意味あるものではないので好みです。

5.応用設定

  僕が便利だと思って入れたアプリや、設定についてです。
  多くはゲーミングルータで出来た事を、再現している形になります。

 ● IPアドレス/ホスト名

  特定のMACアドレスに対して、ルータ側から指定して
 「IPアドレス」「ホスト名」を払い出す事ができます。
  僕はPCやNW機器側の設定ではなく、OpenWrt側からIP/ホスト名を払い出しています。

  本体側弄らなくても好きなIPアドレスをルータ側だけ操作できる他
  自身でホスト名が設定できない機器類含めて設定できるので
  ルータ上のトラフィックグラフやIPの払い出しなど
  どの機器がどんな通信・ログを出しているかが一目瞭然となり
  とても便利になります。

 ・メニュー→「DHCPおよびDNS」タブ→「静的リース」タブを選択

  

 ・静的リース画面です。

  

・「MACアドレス
   対象の機器のMACアドレスを探します。
   対象の機器に掲載の情報やラベルを参照して探します。

・「ホスト名
   設定したいなら、ホスト名を入力。
   空にしたら設定されません。
   空の状態で、機器側でホスト名が設定されていたらそちらが表示されます。

・「IPアドレス
   設定したいなら、IPアドレスを入力。
   DHCPの範囲に被らないよう注意。

・「リース期間
   IPアドレス/ホスト名が1回の払い出される期間
   リースが切れると消えますが、再接続すると再度払い出されます。
   「12h」(12時間)や「7d」(一週間)といった設定を選択するか
   手動で入力できます。選択の中には「Infinity」もあります。

 ● Terminalソフト「ttyd」

  このソフトウェアは、Luciからコマンド画面が触れるので
  Luciで設定できないアプリなどがあった場合
  コンソールを繋がなくても触れるのでとても便利でした。

  「Software」のFilterから「ttyd」で検索→インストール

 ● VPNソフトTailscale

  VPNソフトの超便利で、ど定番アプリ。
  ルータ間でVPNしても良いし、ルータとスマホ、ルータとPCと
  VPNを張るのにとにかく便利かつ、最も分かり易いです。
  今回、OpenWrtルータにして最も良かったと感じたソフトです。

  「Software」のFilterから「tailscale」で検索→インストール

 ※容量が50MBくらい必要で、何もしていないOpenWrt機はしんどいです。
  以下のExroot化とセットで必要になるかも

 ● Root化/Exroot化

  USBメモリや外部ストレージをあたかもメインストレージとして
  マウントし直す事で、本体の使えるストレージを増やす方法
  結構手間がかかるので、ここでは割愛
  FG52Eは、内部に32GBのSSDを2枚持っているので
  このSSDをRoot化したら、USB端子を別の事に使い回せます。

  コマンドによるストレージ容量確認は以下の通り。
  

備考/所感

・元々ゲーミングルータを使っていたのですが速度が全然違いました。
 2Gbps回線を契約していますが、元のゲーミングルータでは700Mbpsぐらいだったのに
 OpenWrt FG52Eでは、900Mbpsを超えるようになりました(1Gポートなので上限値)

・元々Youtube程度で困った事はありませんでしたが
 キビキビ動いて、レスポンスがとても良くなりました。

・PCとスマホで4台くらいで同時にYoutubeなどを見ても
 OpenWrt FG52Eでは、CPU使用率は2%、メモリは100MBくらいしか使っていません。
 本当に何でもできそうなくらいリソースが空いてます。

・Fortigateをルータとして使った事はありましたが、ルータ/FWとしてであり
 家庭用やゲーミングルータを大きく超えたあらゆる機能がてんこ盛りの
 OpenWrtとそれを最大限に使えるFortigateの組み合わせは最強だと思います。

・Fortigate 52Eは先ほどの通り、mSATAによるSSD32GBが2枚搭載しており
 ストレージが非常に余裕がある機種です。

・このSSDをメインストレージにする事で、
 ソフトウェアも複数好きなだけ入れられて
 また入れたソフトもメモリが2GBあるおかげで気にせず使用できます。

・ストレージがない50Eは、本体の容量が欲しい場合USBメモリをExroot化して
 メインストレージにする必要がありますが、52Eはそれがないおかげで
 USBポートを他の事に使える上、USBメモリより信頼できるストレージで運用できます。

・大破ログ様にもありますが、sambaをインストールして
 本体ストレージないしは、USB3.0のUSBメモリを、NAS代わりにしようとすると
 最初は書き込み10MB/sぐらいだけど、だんだんCPU使用率があがって
 5分くらいでCPUが1コアが100%になると、50KB/sぐらいになって使い物になりませんでした。
 外付けHDD付けて簡易NASにしたかったので残念!!

・記事ではしれっと説明してますが、OpenWrtを理解するまで
 ここ2か月で70時間くらい実機勉強してます。(^^;)

以上、ご清聴ありがとうございました。

        どこかの誰かの何かの足しになれば幸いです。

                        01000010 01011001 01000101

参考

■ 大破ログ様:Fortinet FortiGate 50E
https://taiha.hatenablog.jp/entry/2023/03/10/004523

■ 大破ログ様:Fortinet FortiGate/FortiWiFi 5xE (50E-2R, 51E, 52E)
https://taiha.hatenablog.jp/entry/2024/06/08/191112

■ けやっこめも様:FortiGate 52EとFortiWiFi 50E-2RにOpenWRTを焼く
https://keyakko.hatenablog.jp/entry/2024/07/13/232332

■ rapport-star様:OpenwrtがFortiGate 50Eに対応したらしいので入れてみた
https://www.rapport-star.com/blog/2023/05/26/openwrt%E3%81%8Cfortigate-50e%E3%81%AB%E5%AF%BE%E5%BF%9C%E3%81%97%E3%81%9F%E3%82%89%E3%81%97%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%A7%E5%85%A5%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%BF%E3%81%9F/

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