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OCaml の環境構築

Last updated at Posted at 2018-01-31

最初に以下のリンクのいずれかを一読することをオススメします。

Real World OCaml に記載されている方法

OCaml Programming: Correct + Efficient + Beautiful に記載されている方法

京都大学工学部専門科目「プログラミング言語処理系」講義資料

OPAM のインストール

  • OPAM とは OCaml PAckage Manager
  • パッケージマネージャだけど、OCaml本体もOPAMを通してインストールできる
    • なので最初にOPAMを入れる
    • OPAMのインストール時にOCamlが入るが、特に関係ない

Mac なら brew install opam する。

OPAM uses ~/.opam by default for its package database, so you need to
initialize it first by running (as a normal user):

$  opam init

Run the following to initialize your environment variables:

$  eval `opam config env`

To export the needed variables every time, add them to your dotfiles.
  * On Bash, add them to `~/.bash_profile`.
  * On Zsh, add them to `~/.zprofile` or `~/.zshrc` instead.

Documentation and tutorials are available at https://opam.ocaml.org, or
via "man opam" and "opam --help".

Bash completion has been installed to:
  /usr/local/etc/bash_completion.d

zsh completions have been installed to:
  /usr/local/share/zsh/site-functions
==> Summary
🍺  /usr/local/Cellar/opam/1.2.2_4: 31 files, 16.3MB

OPAMの設定

  • OPAMパッケージデータベース全体は、 ~/.opam に保存される
  • OPAMがおかしくなったら、 ~/.opam を削除すれば初期化できる
  • opam init のときに聞かれる質問は初心者は y しておけばよい
    • opam init は初回の1回でOK
  • opamは基本的に管理者権限が必要なシステム領域に何かをインストールすることはない
    • 普通はホームディレクトリ $HOME に入る
    • よってホームディレクトリ配下のコマンドを叩けるように PATH を設定するコマンドがある
      • eval `opam config env`
    • opam$PATH が設定済みかどうかは echo $OCAML_TOPLEVEL_PATH を確認すれば分かる

コンパイラのバージョンを調べる

opam switch コマンドを使う

$ opam switch
--     -- 4.00.0  Official 4.00.0 release
--     -- 4.00.1  Official 4.00.1 release
--     -- 4.01.0  Official 4.01.0 release
--     -- 4.02.0  Official 4.02.0 release
--     -- 4.02.1  Official 4.02.1 release
--     -- 4.02.2  Official 4.02.2 release
4.02.3  I 4.02.3  Official 4.02.3 release
--     -- 4.03.0  Official 4.03.0 release
--     -- 4.04.0  Official 4.04.0 release
--     -- 4.04.1  Official 4.04.1 release
--     -- 4.04.2  Official 4.04.2 release
--     -- 4.05.0  Official 4.05.0 release
4.06.0  C 4.06.0  Official 4.06.0 release
system  I system  System compiler (4.06.0)
# 163 more patched or experimental compilers, use '--all' to show

もしシステムコンパイラが古い場合は以下のコマンドを叩く

$ opam switch 4.06.0 # 最新バージョンを指定する

switch コマンドは .opam 以下にOCamlコンパイラをソースからインストールする(なので時間かかる)。
新しいコンパイラと関連ライブラリは .opam 以下に入る。
上記の例だと ~/.opam/4.06.0 にインストールされる。

# PATHを反映する
$ eval `opam config env`

# ~/.opam 以下にOCamlコンパイラがインストールされている
$ which ocaml{,c,opt}
/Users/hoge/.opam/4.06.0/bin/ocaml
/Users/hoge/.opam/4.06.0/bin/ocamlc
/Users/hoge/.opam/4.06.0/bin/ocamlopt

あとは opam install core utop hoge fuga などして欲しいパッケージをインストールする

utop の設定

utop はOCamlの対話環境
$HOME に設定ファイル .ocamlinit を置いておくと、ファイルに書かれた内容で初期化されて実行される。
なお #foo という表記はコメントではなく、対話環境向けの設定ディレクティブ。

.ocamlinit の例

#use "topfind";;
#thread;;
#camlp4o;;
#require "core.top";;
#require "core.syntax";;
open Core.Std

上記の設定ファイル例のように、utopでOPAM等で入れたモジュールを読み込む際には #require "base" とディレクティブで読み込んだあとに、open Base;; などする。

utop を入れるほどでもないときは rlwrap ocaml でも問題ない。

Merlin

Merlin は OCaml の開発支援ツール。vim, emacs, vscode など様々なエディタで利用されている。
opam install merlin で入る。
使用するためにはブロジェクトの設定を .merlin ファイルで行う必要がある。
ただし Dune を使う場合は .merlin が自動生成されるので手書きすることは少ない。

公式リポジトリのWikiの merlin の設定方法 を参考に .merlin を記述する。

以下のブログ記事もとても参考になります。

Sディレクティブ

ソースファイル(ml, mli)が置かれるディレクトリを指定する

# hoge と fuga ディレクトリをソースパスに指定する
S hoge
S fuga

# サブディレクトリを全部追加する
$ piyo/*

# foo以下のサブディレクトリを再帰的に追加する
S foo/**

Bディレクティブ

cmi, cmtファイルの設置場所を設定する

B _build/hoge
B _build/fuga
B _build/* 

PKGディレクティブ

findlib(ocamlfind)で探せるパッケージを指定して、それを補完する。

PKG lwt lwt.unix

EXTディレクティブ

camlp4 で作成された拡張構文をサポートするが、廃止予定とのこと。

EXT lwt

FLGディレクティブ

merlinのオプションを有効にする, オプションの一覧は ocamlmerlin server -flags-help で参照可能

FLG -ppx path-to-executable
FLG -rectypes

RECディレクティブ

.merlinファイルの設定を親ディレクトリからも探すようにする

./.merlin            # RECの設定なし
./lib/.merlin        # RECディレクティブを記述した
./lib/first/.merlin  # RECディレクティブを記述した
./lib/second/.merlin # RECディレクティブを記述した
./src/.merlin        # RECディレクティブを記述した

./.merlin はその .merlin の設定のみ有効になる。
./src ディレクトリでは、./src/.merlin と親ディレクトリにある ./.merlin の設定が有効になる
./lib/first ディレクトリでは、./lib/first/.merlin と親ディレクトリの ./lib/.merlin と更にその親ディレクトリの ./.merlin の設定が有効になる

ocamlfind(findlib)

ocamlfind は OCaml のサードパーティ製のライブラリを、よしなに管理したり見つけたりしてくれるコマンドで、findlib を使って実装されている。
ただし最近は OPAM を使う場合がほとんどなので ocamlfind を直接使う機会は少ない。

使い方は以下を公式サイトを参照のこと。

ビルドツール

ocamlbuild, OMake, Oasis などがあるが、識者の発言を読む限り今後新しくOCamlを書く場合は Dune(jbuilder) を使えばよさそう。

Dune (旧 jbuilder)

元々はJaneStreetというOCamlを使っていることで有名な会社が jbuilder という名前で作っていたが、dune という名前に変更しOCamlの公式リポジトリ下に移管された。

すでに Dune に変更されており 3.x までリリースされている。
リポジトリ名はduneだが2018年1月現在はドキュメントの記載やコマンド名は jbuilder のまま。
READMEによれば A full renaming of the documentation and the tool will be done as part of the 1.0 release. とのことで1.0リリースのタイミングで完全にduneになるらしい。

使い方は以下を参考にする

VSCode

ReasonML 向けのVSCode拡張がいくつか存在し OCaml もサポートされているが、あくまで ReasonML 向けなので OCaml 向けの拡張を使用するなら VSCode OCaml Platform が良い。
作成元が ocamllabs なので継続的な開発も期待できそう。

この拡張は ocaml-lsp を利用する前提のため、開発で使用する OPAM 環境にインストールしておく。

ocaml-lsp は内部で Merlin を使用しているため補完などを行うには .merlin ファイルが必要だが dune でプロジェクトを構築しているなら dune build を実行すると .merlin が生成されるので、とりあえず dune build を実行してみると良い。

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