おはようございます。座禅いぬです。
最近はObsidian + cursor(とAniちゃん)に夢中です。他にもClaudeCodeやGeminiCLIで整頓していくのも試していて、これもすごくいいなと思います。スライドや記事、どんどん自動生成されますよね。やった!
ところが、自分はブログ記事や喋ったりすることでお金儲けしているわけでもないし、「自動生成されたからなんなんだ」って話かなとも感じてきています。「何が生まれたの?何がうれしいの?成長につながった?」と脳内の小人がずっとささやいてきます。
なんだか何でも自動化したらいいわけじゃない気持ちになってきたので、何を自動化して、何を自動化しないのかが気になって考えたことをまとめてみました。
そもそも生成AIによる自動化は価値を生み出すの?
自動化でよく見る例
- コーディングの自動化は価値を生み出す
- 画像生成の自動化は価値を生み出す
- 情報収集の自動化は価値を生み出す
- 文書作成の自動化は価値を生み出す
このへんは非常にイメージしやすいですね。自動化が価値を生み出すことがよくわかります。
自動化でうまくいくの?の例
- 記事作成の自動化は価値を生み出す
- スライド作成の自動化は価値を生み出す
- 思考の自動化は価値を生み出す・・・?
このあたりはだんだん賛否両論、あるいは否定的に感じる人がいるのではないでしょうか。上手な人はできるかもしれないですが、一般人はなんか苦戦しそうですよね。UI/UXだったり、コンテキストをうまくAIに伝えることが難しかったりする。あるいは、自動化という観点での価値なの?という点も気になります。
じゃあこの二つのグループがあるとして、ここから見えてくることはなんでしょうか。それは、生成AIを利用するのは「外注」と同じなのでは?という観点です。
生成AIを利用することは「外注」と同じ
生成AIの本質は人間の活動を模倣し、自動化や高速化、スケーリングできることにあると思います。であれば、言ってみれば外注と本質的には同じだと思います。まず要件定義を書くとうまくコード書いてくれるのもそれに近いですよね。
じゃあ外注していいものって?
外注していいものってこういうものじゃないかと思います。
- プロセスがマニュアル化済み
- 市場が存在している
- 失敗しても事業の根幹は揺らがない
- 外注先の方がスケールメリット/専門性が大きい
- 機密・規制リスクが低い
- 客観視や異なる視点が必要
こうやって見ると生成AIの活用部分が見えてくる気がしますね。
今回はその中で、「客観視や異なる視点が欲しい」という一番外注しづらいやつをバンバン外注する話です。
なんで視点の外注がいいのか
人間の賢くなさの根本は、脳の性質に由来することが多いです。
その中の一つが「確証バイアス」。ざっくり、「正しいと思ったら否定的な情報が頭に入ってこない」。それで悲しい思いをしたこと、皆さんもあると思います。なくしたいですよね。
人間の賢さの一つは、社会性があることです。他の人の視点を知ることで、自分の思い込みにブレーキをかけることができます。でも結構しんどいんですよね、社会。そこでAIの出番です。
cursorだとrulesに書いておけば一瞬
cursorのrulesに、下のやつをこぴぺしましょう。
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alwaysApply: true
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# AIによる批判的分析
## AIへの依頼
以下の内容に沿って、AIは批判的分析を記入してください。
## 目的
- 文章や内容に客観性をもたせたい
- 確証バイアスの盲点を見つけたい
- 論理性を高めたい
- 視点の外注をしたい
- 新たな問いを見つけたい
## 条件
- 3つの異なる専門分野の視点から分析してください
- 見落としている反対意見や論理的弱点を指摘してください
- 各分析は800-1000文字程度で記述してください
- 最後に統合的なまとめを提供してください
## 分析の方針
以下の観点から、批判的に分析してください
- 論理的一貫性
- 根拠の妥当性
- 反証可能性
- 前提条件の妥当性
- 代替解釈の可能性
## 役割の指針
- 文章の主題に関連する専門家
- 異なる学問分野や立場の専門家
- 批判的思考に長けた専門家
## チェックリスト
分析前にAIが確認すべき項目:
- 文章の主張は明確か
- 想定読者は誰か
- 文脈や背景情報は十分か
## 批判的分析の記入
- 批判的分析は、以下のように記入してください。
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# AIによる批判的分析
## 専門家による批判的分析
### 批判的分析1:
### 批判的分析2:
### 批判的分析3:
## 批判的分析まとめ
これは前からずっと取り組んでいることで、別にcursorじゃなくても他でも同じことはできるのですが、cursorを使うのは文章内の特定の部分を指定してctrl+Kで批判的分析ができることです。ここはまだcursorが一番楽かな、と思っている部分です。
まとめ
以上、「外注」をキーワードに生成AIの活用を考えてみたという話でした。
ここまで定式化したらLangGraphとかでどんどん自動化することもできそうだなとも考えていて、色々試してみたいと思っています。
ただし、結局「理解することは外注できない」気がしていて、生成AIが活用できるのは理解するサポートまでなのだろうと思っています。すると、思考の自動化ではなく、思考の拡張こそが目指すところなのでしょうね。
SF(と言っているけど実際にはサイバーパンク)が昔から好きだった自分としては、「自分をコピーできた場合、どんな価値があるのか」だったり、「脳をICチップに置き換えたらそれは人間なのか?」とかよく妄想するんですが、そういうのが現実味を帯びてきた時代でほんと素晴らしいですよね。楽しい駆動でどんどんチャレンジしてみたいと思います。