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人類はもう生成AIに勝てないと痛感したDeep Researchの使い方

Last updated at Posted at 2025-03-03

こんばんは、座禅いぬです。
JAWS DAYS 2025に参戦してきました!会場前にいたコツメカワウソの赤ちゃんがとてもかわいかったです。

さて、Deep Researchのサービスが始まってから、たくさんの人が自分の使い方を編み出して解説していると思いますが、自分の使い方をまとめたかったのでここに載せておきます。これ、とんでもない機能ですよね。使ってみてすぐ、人類はもう生成AIに勝てないなと思いました。

一言でいうと、調べたいもの、考えたいことに対して「論文を書く」というフレームワークを構築します。論文の構造はいろいろあると思いますが、理系論文の流れをフレームワークととらえ、生成AIに思考しやすい形を作ります。

背景:なぜ論文という枠組みが良いのか

論文は次のような流れを持ちます。

  1. 背景 (Introduction)
  2. 目的 (Objective)
  3. 材料と方法 (Methods)
  4. 結果 (Results)
  5. 考察 (Discussion)
  6. 結論 (Conclusion)

この順序で内容を詰めていくと、目的と方法が合致しているか、結果が出たあとの考察が破綻していないかなどを体系的にチェックできます。さらに、最終的な結論が目的と矛盾していないかを見やすいのが大きなメリットです。人間の思考はふらふらしがちなので、このようなフレームワークはとても大事と思います。


では、具体的な手順を見ていきましょう。

1. 「背景」と「目的」を作る(o3-mini-high)

まず、考えたいことや調べたいことはどういう問題の解決策として必要なのか、これまでどのような経緯で問題が発生しているかなどをざっくり書きます。使用するプロンプトは以下の通りです。

以下は論文の背景と目的を下書きしたものです。これを3〜5行で要約し、内容に飛躍や不足があれば指摘してください。

###下書き本文
(ここに背景と目的の下書きを書く)

ここは省いても大丈夫ですが、最初の要求定義がぐちゃぐちゃだと、良い結論にまとまっていきません。ところが自分の考えを客観視するのは非常に難しいことなので、一度生成AIに見てもらいます。必要に応じて背景と目的の下書きを修正し、次のプロンプトで完成させます。

以下は論文の背景と目的を下書きしたものです。これを清書し、背景および目的として完成させてください。
### 内容
(ここに背景、目的の下書きを書きます)

ここだけで自分の中で結論が出たり、解のない問いだと気付いて中断することも多々あります。

2. 背景・目的から論文の全体像を書かせる(o1 pro-mode)

次に論文の全体像を書かせます。実際に検索して値を調べる必要はなくて、数値はフェルミ推定などで推定値を入れてもらいます。ただし、推定値であることがわかるように明記してもらう指示をします。

なぜこの作業をするかというと、背景や目的で自分のやりたいことをしっかりと示したうえで、それに対し最適な解決策と検証方法を改めて網羅的に考えてもらえるからです。

使用するプロンプトは以下の通りです。

以下は論文の背景・目的部分です。これをもとに、論文を完成させてください。
- 論文の構成は①背景②目的③材料と方法④結果⑤考察⑥結論のように、形式を守ってください。
- 不明な数値があれば、不正確な値を入れずフェルミ推定などの推定を行い、推定値を代入してください。
- ただし、推定値には必ず(推定値)と明記してください。
- 文字数はおよそ1万文字とします。

### 内容
(ここに背景、目的の下書きを書きます)

論文が完成したら、内容を検証します。内容を読むと色々な発見があります。
論文生成で文字数を指定するところが重要なポイントで、これによって強制的に内容を広げるように仕向けることができます。

3. 論文のアブストラクト(要約)を書かせる(o3-mini-high)

一度抽象化させることで、推測値の影響を排除します。

上記論文のアブストラクトを作成してください。推定値はアブストラクトに入らないように考慮してください。

4. アブストラクトから、論文を書かせる(o3-mini-high, Deep Research)

アブストラクトを使って、再度論文を書いてもらいます。
このプロセスをすることで、先行研究や文献を網羅的に調べることができます。
さらに、その文献などの考察なども拾ってくれるため、考察の内容が充実します。
その結果、自分が調べたいこと・やりたいことの内容が変わってくることも多々あります。その場合はもう一度最初に戻り、背景と目的を修正して作るところからやり直します。

使用するプロンプトは以下の通りです。

### 依頼
下記論文アブストラクトから、本論文を完成してください。
### 条件
- 推定値で研究を作成しているため、先行研究から得られる値は代入してください。
- 先行研究などの参考文献が得られることを期待しています。信頼性が高いものを選んでください
- 新規性の検討等、論文としてのロバスト性を高めてください

### アブストラクト
(コピペする)

「結果と目的の一致度」「先行研究との比較」「否定的視点と限界」「今後の展望」などを分割して書かせるのもおすすめです。生成AIに良い考察をさせるためには、否定的な視点をあえて書かせるのが効果的です。


このステップを踏むことで、生成AIがもたらすとんでもないスピード感と、実際の論文執筆で必要な厳密性の両立を狙うことができます。特に先行研究の部分は見落とされやすいですし、いろいろな文献を凝縮させた考察部分では色々な気づきがあると思うので、皆さんの日々の思索にぜひ取り入れてみてください。

まとめ

以上が、Deep Researchや他の生成AIを用いて「論文フレームワーク」を使って論理思考を促す一連の流れです。ほかにも、ビジネスであれば事業計画書、収支計画書、ビジネスモデル図、市場分析レポートなど同じような仕組みでロジックを組み立てられるフレームワークになる書類はいろいろあるのではないかと思います。ぜひ、この方法を参考にしていただいて、もし自分なりの工夫をプラスして面白かったら教えていただければ幸いです。

追記

たくさんの方に見ていただき、恐縮です。
調査した実例を載せた方が良いと思い、記事にしました。ご覧いただければ幸いです。

時は大AI時代!「仕事はどうなるのか」不安な人に今やってほしい事

(2025/03/29)
この記事で扱った仕組みに着目して自動化に取り組まれた方がいらっしゃいます!
何度もコピペしなくていいので調査が高速化しそう~。@osamasaoさん、テーマとして取り扱っていただきありがとうございます!

OpenAI Agents SDK で「人類はもう生成AIに勝てないと痛感したDeep Researchの使い方」を自動化してみた

(2025/04/02)
@yonaka15さんがテーマとして取り扱ってくださってくださいました。ありがとうございます!こちらはGeminiとNode REDを用いて論文生成フローの自動化に取り組んでくださっています。

Node-REDで実現するAI論文生成フロー - Gemini 2.5 ProとOpenAI o3-miniを活用

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