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歯医者がうっかりマナビDXクエストに挑戦してみた

Last updated at Posted at 2024-12-07

はじめに

おはようございます。座禅いぬと申します。歯医者をやっております。
本記事はマナビDX Questで得たもの Advent Calendar 2024 13日目の記事です!

今回、経済産業省主催のDX人材育成イベント「マナビDXクエスト」に参加、無事ゴールド修了、コミュニティ貢献賞を受賞しました。その勢いで自社DXにチャレンジしています。素人ながら挑戦したこと、そして得たものを活かしてこれから挑戦していくことについて体験を共有したいと思います。

そもそも歯医者にDXとか必要なの?

当初僕は必要ないと思っていました。歯を削ったり検査をして検査結果を説明するという業務の中で、そりゃカルテや資料をデジタル化したら便利かもしれませんが、別に紙カルテで何も困らないわけです。

元々先代が、「データをもとにむし歯や歯周病の重症化を予防したい」という思いから検査結果を専用アプリに入力し、データを集計してエクセルなどで分析する文化があり、「ツールの導入だけでなく分析までしているんだから十分先進的だろう」という程度の認識でした。

挑戦した背景:コロナ禍での環境の激変

大きな変化が訪れたのは2020年のことです。新型コロナ感染の拡大により、歯科医院経営は大きな打撃を受けました。

当初感染源がはっきりせず検査もない状況で、唾液の飛沫で感染するリスクを最小限にするため、状況がわかるまで緊急性が高い処置以外を可能な限り避けることに決めました。スタッフもチーム分けし、交代で出勤することにより全員が感染しないように工夫するなど、様々な対応を行いました。

medical_ppe_syoudokueki.png

物理接触を避けるための仕組みの必要性が高まってきました。さらに日々厳しくなる環境によってスタッフの離職が続き、業務の効率化が必要になりました。そこで、今までやったことがないプログラミングを習得することを決意、python、ウェブフレームワーク、SQLやクラウドを学ぶことで業務アプリの内製化を行いました。

アプローチは成功し、かなりの工数削減を達成しましたが、そうこうしているうちに初診患者数が激減。おそらく物理的なクチコミが断絶したことによるのでしょう。さらに、物価・人件費がどんどん上昇する中で、保険診療の医療費は変化が遅いため、潜在的な経営危機に陥る恐れがでてきました。そこで、①データ分析による経営打ち手の検討、②さらに高度な技術による業務の効率化が必要になってきました。

挑戦したこと:AIによる外観検査の自動化!

実は歯科の業界でもDXは話題になっていたのですが、実際のところ本質的な変容は難しいため、ツールや機器の導入の話が多いという印象でした。経済産業省のDXレポートなどを読んでいると「このままではだめだ」という気持ちが強くなる一方だったのですが、そんな中で出会ったのが「マナビDXクエスト」でした。

マナビDXクエストでは、PBL(課題解決型学習の意味)と呼ばれるケーススタディを受講生が選択してチャレンジする形式をとっています。僕は「やったことがない画像分類にチャレンジしたらより成長できるのでは?」と考え、外観検査の課題を選択しました。

課題資料で「やや難易度が高いテーマです」という文字を見たときには一瞬後悔しましたが、無事修了することができました。

それもうれしかったのですが、何よりも価値を感じたのは仲間を得ることができたことです。DXに関する悩みや、今勉強していること、異業種でのノウハウや、別の勉強会で学んだことなど、毎晩のように色々な情報共有をすることができ、それを継続することができています。

image.png

また、上記画像でも触れているコミュニティマスターの皆さんは本当にすごい方々です。サポートしてくれるだけではなく、「この人のようになりたい!」という道標となってくれるような存在がいることで、学ぶ技術に現実味を感じました。勉強会を開いていただいたり、毎日のように声をかけていただいたり、わかりやすい説明をご自身の事例を交えてしていただいたりで、いくら感謝をしてもしきれないです。

挑戦すること:歯科領域での診断補助AI、企業協働etc

さて、どんなに苦労して出来ることが増えたとしても使わなかったら遊びです。早速自社で外観検査AIを応用できるか、PBLでやった手順通りやってみることにしました。マナビDXクエストの素晴らしい点は、この「次は本番でやってみる」を前提に作られたと思われる実践性の高さです。

PBLの手順がそのままフレームワークとして機能してくれるので、実際に自社でヒアリング、要求定義、要件定義、計画立案などを進め、現在PoC(概念実証)としてPyTorchでモデル構築を行っています。使用するコードもPBLで学んだことをベースに作れるようになりました。3か月前にはPyTorchとPyCharmの区別も怪しかったのに、ずいぶん成長できたものだと感じます。

内容としてはX線写真などの画像を利用した診断補助AIです。PBLと違うのは実際のデータである、というところぐらいだと思います。医療デジタルデータの AI 研究開発等への利活用に係るガイドラインなどを参考に適切な運用を考えています。年内にPoC、年明けから実装に向けて動きたいと思っています。

さらに同時進行で、企業協働プログラムにも参加しています。これも驚異的なプログラムで、実際の企業にデータをいただいたり、分析して提言をする機会をもらえます。チームで参加するので、ここでも学び合いが発生したり、コミュニケーションのための技術など色々なことを学べる仕組みです。

他にも毎週のように勉強会がMetaLife上であったり、外部のデータサイエンス系の研修などにもチャレンジしています。次はLTも挑戦してみたい!と思っています。たぶんやります。仲間がいるので。

最後に伝えたいこと

自分のスキルの有無にかかわらず、やりたいなら飛び込むべき!

決して簡単ではないですが、不可能なことはないと思います!できるようになりたいことがあるなら、不安など無視して「うっかり」ぐらいの気持ちで飛び込めば人生が変わるような体験ができると思います。気になってるなら、絶対参加するべきです!

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