理系大学生として研究生活を行いながら、教職課程を履修し教育実習に行ってきました。教科は情報です。情報科といえば来月行われる大学入学共通テストから新たに出題されるようになります。
情報科の歴史
教科「情報」は20年前には既に存在していました。2003年から情報活用の実践力を養う「情報A」、情報の科学的な理解を養う「情報B」、情報社会に参画する態度を養う「情報C」の3科目のうち1つを必履修としました。
その後「情報の科学」「社会と情報」の2科目の時代を経て、2022年度から高等学校普通科に通う全ての生徒が「情報Ⅰ」を履修する形に改められました。同時に発展的な内容を扱う科目として「情報Ⅱ」が設定されました(こちらは選択科目)。
何が変わったか
私は高校生時代に「情報の科学」を履修しており、教育実習では「情報Ⅰ」を教えました。両者の無いように大きな差はありません。「社会と情報」ではアルゴリズムやプログラミングを扱っていなかったのですが、「情報の科学」では問題解決におけるコンピュータの活用としてプログラミングを扱っていました。そのため以前「情報の科学」を選択していた学校においては大きな混乱は無かったと思われます。「社会と情報」を選択していた学校にとってはプログラミングを扱う授業を一から作らなければならず、それも国公立大学を目指す生徒の受験に影響してしまうという事態になっています。
情報の配点をどうするかについては各大学で対応が割れています。東進のデータが詳細にまとまっていました。北海道大学などが試験は課すものの配点しないとしたことが話題になりました。そのときの記事がこちら。
私立大学でも共通テスト利用入試で情報を利用できる大学があります。こちらも東進のデータが細かくまとめてありました。選択肢として情報が増えるので、情報が得意な生徒にとっては有利に働きそうです。
情報の出題は以前からあった?
独立した教科としての出題は来月行われる共通テストが初めてですが、数学②の科目として「情報関係基礎」の出題がありました。工業科や商業科の生徒が受験することを想定していたようです。
こちらは来月実施の試験までは旧課程学習者への経過措置科目として出題されますが、再来年からは出題されないようです。
試作問題などと比較すると出題傾向は異なりますが、腕試しぐらいにはなりそうです。
今後どうなる
入試科目になってどうなるかというのは、正直蓋を開けてみないと分からないと思います。
情報は私が高校生の頃は体験重視の授業だったのですが、入試科目になった情報で教育実習をしたらペーパーテスト重視になったように感じられました。どちらが良いのかは一概には言えませんが、教壇に立つなら情報の楽しさを伝えられる教師でありたいと考えています。