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3Dプリンタの魅力

Last updated at Posted at 2021-12-03

これはなに?

鈴鹿高専 Advent Calendar 2021の12/4日の記事です。

この記事は主に3Dプリンタを触ったことのない人向けに3Dプリンタとはそもそもなんなのか、3Dプリンタの良さなどについて紹介していきます。

誰?

この記事を書いている人:高専ロボコン2021で鈴鹿高専として全国大会に出場。発射機cloverの設計開発を担当。

3Dプリンタとは

CADでパソコン上で作った3Dデータを現実世界に印刷できる機械。3Dプリンタにも色々な方式がありますが今回は家庭用に広く流通していて扱いやすい熱溶解積層方式(FDM方式)について紹介します。

どうやって印刷している?

FDM方式ではフィラメントと呼ばれる熱して柔らかくなったプラスチックの繊維をノズルから押し出して重ねていきます。
FDM_by_Zureks.png
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%86%B1%E6%BA%B6%E8%A7%A3%E7%A9%8D%E5%B1%A4%E6%B3%95#/media/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:FDM_by_Zureks.png

この手法で印刷するにはいろいろと制限があります。上から樹脂を垂らして造形していくため空中に飛び出た形状のものは印刷が難しいです。
さらに樹脂は温度によって体積が変わるため温度差によってどうしても印刷物に反りが発生してしまいます。

この手法はプリンタ自体の構造が簡単で安価なものもあり、扱いやすいことが利点ですが、他の手法と比べるとあまり細かい物は印刷できませんし、表面性状や寸法精度も優れません。しかしロボコンのロボットの部品などで使う分には十分な強度と精度を発揮してくれます。

私の3Dプリンタ

1台目:Adventurer3

私が保有している初めて買った3Dプリンタです。造形最大サイズは150×150×150。中国の3Dプリンタメーカーflashforge製で安くでそこそこのものが印刷できることが特徴です。

2台目:Ender3 pro

ロボコンとして保有している3Dプリンタです。基本的にオープンソースハードウェアで開発されており多くの派生型、改造があります。

3Dプリンタでの印刷プロセス

CADでデータ作成

CADにはSolidWorks,Fusion360など様々ありますが、stlファイルに変換できればなんでもいいです。筆者はSolidWorksを使っています。また、CADを使えなくても3Dプリンタ用のstlデータを配布しているサイトもたくさんあるので気に入ったものがあれば印刷できます。
スクリーンショット 2021-12-02 132116.png

stlデータの配布サイト

stlデータへ出力

CADで.stlのファイル形式に変換します。stlは3Dデータを沢山の三角形と見なして表現するので正確な円や球体などの正確な表現は表現出来ず、多角形になります。円の直径が大きくなると3Dプリンタで印刷しても真円でないとわかるぐらいにはデコボコしてくるので注意が必要です。

スライサーソフトでスライス

3Dデータがあるだけでは印刷できず、3Dプリンタが扱えるデータに変換する必要があります。そこで使うのがスライサーソフトです。flashforge製ならflashprint、そのほかUlimaker Curaなどプリンタによって違います。サポート材や印刷設定をここで決めてgコードなどに変換します。

変換前
スクリーンショット 2021-12-02 132245.png

様々な設定項目
スクリーンショット 2021-12-02 133954.png

変換後
スクリーンショット 2021-12-02 132318.png

3Dプリンタにデータを転送

wifiなり、USBメモリなりで3Dプリンタにスライスしたデータを送ります。そして印刷開始ボタンを押します。
お疲れさまでした!あとはプリンタが勝手に印刷してくれます。(してくれない)

3Dプリンタユーザーの苦悩

一見、3Dプリンタは何でも作れる魔法の箱のように見えますが、そもそも最大造形サイズに制限がありますし、実際には反りが発生するなどの理由で最大サイズも印刷できません。ほとんど決まった材料しか印刷できませんし、その材料も意外と大きな出費となります。
そして上のような手順を追っていってもうまく印刷できないことが結構あります。1回の印刷で丸1日かかることもありますから、時間のかけたものが朝起きてみてみたら死んでいて絶望、なんてことも結構あります。原因はプリンタの機械的な不調だったり、印刷設定が出力したい造形物に合っていなかったり、気温が低すぎたり、フィラメントが吸湿していたりと様々な原因があります。そのたびに原因を探り、それを改善して、印刷しなおすという作業があります。これが相当な時間がかかり、投げ出してしまいたくなることもあります。それでも私は3Dプリンターを使います。

まとめ

3Dプリンタは決して万能の機械ではありません。しかしそれでも3Dプリンタを好き好んで使っているわけですから、不思議な魔力があるのでしょう。そういう点で、3Dプリンタは魔法の箱かもしれません。みなさんも3Dプリンタを購入して沼にはまりましょう!

また、3Dプリンタについての相談、ご指摘などありましたらコメントまでお願いします。
ありがとうございました。

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