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WSL2 のインストールとアンインストール

Last updated at Posted at 2024-03-13

概要

WSL2 を導入する方法と除去する方法をまとめました.

  • WSL2 が利用可能になるまでの所要時間:約10分
  • 実行環境:Windows 11

目次

  1. WSL2 とは?
  2. WSL2 のインストール方法
  3. WSL2 のアンインストール方法

1. WSL2 とは?

WSL2 とは Windows Subsystem for Linux 2 の略称で,Windows上で Linux を仮想的に動かすことができるシステム環境のことを指します.
WSL2 では Ubuntu という Linux ディストリビューション が採用されています.

Linux とは OS (オペレーティングシステム) の一種です.
Linux と周辺のアプリをまとめたものを Linux ディストリビューション と呼びます.

Linux の基本事項は,以下がとても参考になります.

1-1. WSL2 の利点

WSL2 を使う利点は様々ですが,個人的には ソフトウェアのインストールとバージョン管理が簡単 という点で,Windows よりも使い勝手が良いと感じています.
例えば,gfortran を導入する手順を Windows と Linux (WSL2) でそれぞれ追ってみます.

  • Windows の場合

    1. gfortran のダウンロードページを探す
    2. 自分のマシンに適切なインストーラーを探してダウンロード
    3. オプション選択してインストール開始

  • Linux (WSL2) の場合

    1. 以下のコマンドを入力

      Ubuntu
      sudo apt install gfortran
      

上の例のように,Linux ではコマンドを使って様々な命令を実行するため,シンプルです.
一見難しそうですが,覚えるべきコマンドは多くありません.

Linux コマンドの代表例は,以下がとても参考になります.

2. WSL2 のインストール方法

WSL2を既にインストールしている場合は,アンインストールしてください.
具体的な方法は WSL2 のアンインストール方法 を参考にしてください.

  1. Windows PowerShell を検索し,右クリックして「管理者として実行」を選択
    ※ 『最新のPowerShellをインストールしてください』と勧めてくるが無視
    PowerShellを管理者として実行.png

  2. wsl --install と入力して,インストール開始 (所要時間:約20秒)

  3. インストールが完了したら,再起動
    PowerShellを管理者として実行_2.png

  4. 再起動すると,ユーザー名を設定する画面が開く
    画面が開かなければ,検索バーから「Ubuntu」を検索
    WSL2_username.png

  5. ユーザー名とパスワードを設定したら,WSL2 が使えるようになる
    WSL2_install.png

ユーザ名とパスワードはアルファベットのみで書くのが無難です.
パスワードは表示されないので,打ち間違えないようにしてください.

2-1. WSL2 の動作確認

コマンドプロンプト を開いて wsl -l -v と入力し,以下のような応答があれば OK

WSL2の動作確認.png

2-2. WSL2 を使ってみる

検索バーから「Ubuntu」を検索すると,ターミナルが起動します.
例えば,Ubuntu のバージョンを調べてみましょう.

Ubuntu
cat /etc/os-release

結果

PRETTY_NAME="Ubuntu 22.04.3 LTS"
NAME="Ubuntu"
VERSION_ID="22.04"
VERSION="22.04.3 LTS (Jammy Jellyfish)"
VERSION_CODENAME=jammy
ID=ubuntu
ID_LIKE=debian
HOME_URL="https://www.ubuntu.com/"
SUPPORT_URL="https://help.ubuntu.com/"
BUG_REPORT_URL="https://bugs.launchpad.net/ubuntu/"
PRIVACY_POLICY_URL="https://www.ubuntu.com/legal/terms-and-policies/privacy-policy"
UBUNTU_CODENAME=jammy

私がよく使う Linux コマンドはざっと以下の人たちです.
なお,コマンドプロンプトでは使えないので注意してください.

よく使う Linux コマンド
$ ls             # ディレクトリ内の内容を表示
$ ls -a          # ドットで始まる隠しファイルも含めて表示
$ cd .           # 現在のディレクトリに移動
$ cd ..          # 一つ上の階層のディレクトリに移動
$ cd /           # rootディレクトリに移動
$ cd ~           # /home/user名 のディレクトリに移動
$ pwd            # 現在のディレクトリまでの絶対パスを表示
$ cp -r A B      # AをBへコピーする (-r は再帰的にコピーするオプション)
$ mkdir A        # Aというディレクトリを作成
$ rmdir A        # Aというディレクトリを削除
$ rm -i A        # Aというファイルを削除 (-i 確認用オプション)
$ cat A          # Aというファイルの中身を閲覧
$ vim A          # Aというファイルを vim モードで編集
$ find / -name A # Aという名前のファイルの在処を探す
$ apt update     # 最新パッケージの取得 (更新は upgrade で行う)
$ apt upgrade    # 最新パッケージへの更新

権限がないと怒られたら,コマンドの前に sudo を付けると良いです.
パスワードを要求されますが,登録したパスワードを入力してください.

その他の Linux コマンドは,以下がとても参考になります.

2-3. WSL2 上での Cドライブの扱い

1.デスクトップやドキュメントの参照位置

WSL2では,親元である Cドライブをマウントされたデバイスとして認識しています.
つまり,外付けハードディスク や USB のような外部装置として見ているようです.

Ubuntu
/mnt/c/Users/ユーザー名/Desktop, Documents, ...

2.Cドライブに登録した PATH は開通済み

デフォルトでは,Cドライブへ登録した PATH が全て WSL2 に引き継がれています.
WSL2 に登録されている PATH は次のコマンドで確認できます.

Ubuntu
echo $PATH

C ドライブの PATH を引き継ぎたくない場合は,以下の記事を参考にしてください.

3. WSL2 のアンインストール方法

Windows が提供するソフトの多くは,「導入が簡単,除去が困難」という素晴らしい粘着性を持っています.
実際,WSL2 の初期化やアンインストールに関する幾つかのネット記事を参考に,データの完全除去を試みましたが,そのほとんどで失敗しました.
というのは,一見消去できたように見えても,WSL2 を再インストールすると,元のデータが簡単に復元されてしまうのです.

ここでは,WSL2 に含まれるデータを完全除去することに成功した方法を紹介します.
具体的には,以下を順に実行します.

  • Linux ディストリビューション (Ubuntu) を消去
  • WSL2 と周辺アプリ機能の無効化

なお,以下の記事がとても参考になりました.

手順1.Linux ディストリビューション(Ubuntu) を消去する

  1. コマンドプロンプトを起動

  2. wsl -l -v と入力して,Linux の状態を確認する

  3. wsl --shutdown と入力して,Linux を停止させる
    ※ WSL2 の再起動やシャットダウンは,WSL2 本体からは行えません.

  4. 再度,wsl -l -v と入力して,Linux が停止していることを確認する

  5. wsl --unregister ubuntu と入力して,Ubuntu の登録を解除する
    WSL2を削除する_shutdown.png

  6. 最後に,設定から Ubuntu をアンインストールして,とどめを刺すUbuntuのアンインストール.png

手順2.WSL2 と周辺アプリ機能の無効化

  1. 検索バーから「Windowsの機能の有効化または無効化」を選択

  2. 「Linux 用 Windows サブシステム」と「仮想マシンプラットフォーム」のチェックを外して OK を押す
    Windowsの機能の無効化_1.png

  3. 再起動を迫られるが,一旦無視

  4. 設定 > アプリ > インストールされているアプリ と進み,以下を順にアンインストール
    • Windows Subsystem for Linux Update
    • Windows Subsystem for Linux WSLg Preview
    • (あれば) Linux 用 Windows サブシステム

  5. コンピュータを再起動する

以上の操作によって,コンピュータ上から Linux を完全に消去できます.
再インストールする際は,「Windowsの機能の有効化または無効化」の「Linux 用 Windows サブシステム」を復活させておきましょう.

まとめ

WSL2 の導入と除去に関する方法をまとめました.
WSL2 を使えば,Windows コンピュータ上で Linux を動かすことができるようになります.
何かの参考になれば幸いです.


また,WSL2 を使ってプログラム開発環境を構築する記事も書いてますので,興味のある方はご覧ください.

参考文献

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