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AWS Organizations の一括請求と誤請求

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1. はじめに

AWSの個人用アカウントは完全無料で使い続ける方針なのに請求が来た。
なんですとー!?
しかも支払用アカウントでなく一括請求の子アカウントに来るとかありえない。放置で。
放置していたら横文字のメールが来たけど横文字読めないから華麗にスルー。
そして忘れた頃に、AWSから誤請求でしたと訂正が入った話。

2. できごと

時系列で発生した事象を記載します。

2.1. 何故か請求が来た

無料のはず以前に、そもそも一括請求しているのに子アカウントに請求が来るとかありえない。
(全ての支払いは一括請求の親アカウントに請求されます)
念のため一括請求出入りの履歴を確認するときちんと入っている事を確認。問題無い。
放置しましょう。
bill.PNG

2.2. 金払えメールが来た

横文字で読めないし華麗にスルーしていました。

Date: Tue, 13 Jul 2020 20:19:25 +0000
From: "Amazon Web Services, LLC" <no-reply-aws@amazon.com>
Subject: Problems with your AWS Account - Please read urgently

Dear Amazon Web Services Customer,

There was a problem with payment for your account 777777777777.
We were unable to charge your credit card for the amount of $6.52 for your use of AWS services during the month of Jun-2020.
We will attempt to collect this amount again. Unless we are successful in collecting the balance of $6.52 in full by 07/31/2020,
 your Amazon Web Services account may be suspended or terminated.

2.3. 誤請求だったと連絡が来た

利用停止予告だったらAMI作って別アカウントにEC2作り直しとかだるいなー。
と思ったら誤請求でしたと。
やれやれです。

Date: Fri, 4 Sep 2020 01:15:37 +0000
From: "Amazon Web Services, Inc." <no-reply-aws@amazon.com>
Subject: [Notice] Incorrect Billing June 2020 Invoice  [AWS Account: 777777777777]

Hello,

We identified an error which caused your account to be incorrectly invoiced as an unlinked account for 5 days,
 which resulted in an incorrect charge on your account totaling 6.52 USD for the June 2020 billing period.
To fix this, we have created a credit memo and applied it towards the incorrect invoice.

There is no action required from you. We apologize for any inconvenience.

Sincerely,
Amazon Web Services

2.4. 請求が遡及修正されたいた

マネコンで請求を確認すると 免除された支払 として遡及修正されていました。
bill2.PNG

現場からは以上です。

3. 振り返り

3.1. 何が起きたのか

AWS Organizations の組織への加入で組織には入ったものの、何らかの原因で請求が一括請求に組み込まれなかったのだろうと思われます。
元々は一括請求(コンソリデーティッドビリング)が存在し、近年AWS OrganizationsというAWSアカウント階層化サービスが登場して一括請求がその一部に組み込まれましたこの歴史的つぎはぎから何らかのバグがあったのでしょう。

このアカウントはかなり特殊な例になると思うので構成と運用を記載しておきます。

3.2. アカウント構成

サービス利用中のAWSアカウント(アカウントA)があります。
このアカウントAは8年以上利用しており無料利用枠がありません。無料で使い続けるためには無料利用枠がある別のAWSアカウントの一括請求グループへ組み入れる必要があります。

支払用のAWSアカウントは7つあり(アカウント1~7)、5日毎にアカウントAを一括請求グループとして順に組み入れる運用になっています。(実際には機械化され自動処理)

これはアカウントAのデータ転送量は月間約6GBで、無料利用枠(月間1GB)を約6日で超過しますから課金されないよう5日毎に別のアカウントへ請求を付け替える事で完全無料を実現するためです。

3.3. AWS無料利用枠と課金処理の仕組み

AWS無料利用枠と支払い請求の仕組みについて復習しておきましょう。

  • AWS無料利用枠はアカウント作成から1年間有効です。
  • AWS無料利用枠は一括請求(コンソリデーティッドビリング / AWS Organizations)の中で共有され1アカウント分のみ利用できます。
  • AWSの課金は月末締めでなく時間単位で時々刻々と処理されます。

ここがポイント。
一括請求グループ全体で1アカウント分の無料利用枠しか利用できないものの、共有可能なので無料利用枠が無くなったアカウントを組み入れれば無料利用枠が適用されます。
そして時々刻々と課金処理されますから、無料利用枠を使い果たす前に別のアカウントへ移せば月内で新たな無料利用枠を使えるのです。
これにより無料利用枠を超える利用を無料にしています。

3.4. AWSアカウントはいくつでも作れる

一人一個と勘違いしている人が多いAWSアカウントですがそんなことはありません。
マルチアカウントを推奨するAWSです。どんどん作りましょう。

AWSアカウントに求められる一意性はメールアドレスだけです。
クレジットカード番号、電話番号、住所、氏名等々、その他の情報は全て同一で構いません。
アカウント作成から1年経ったら新しい物を作れば良いのです。

3.5. AWSは誤請求の可能性に気付いていた?

AWSの支払いと利用停止までの流れはこのようになっています。

  • 月初に前月分の請求を確定し決済処理が走ります
  • 決済に失敗すると、月末までに支払わないと利用停止するぞメールが来ます
  • 翌月になっても支払いがないと利用停止日は何月何日ですという通告メールが来ます
  • それでも支払いがないと利用停止状態となります

請求からおよそ2~3ヶ月で利用停止となります。
しかし今回、とっくに利用停止になっているはずが利用停止通告も来ず止まることはありませんでした。
AWSは誤請求の可能性に気付いていて調査を続けていたと推測できます。

まとめ

  • AWSも間違える事がある。
  • 請求内容はしっかり確認しましょう。
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