はじめに
本投稿はデータラーニングギルドのアドベントカレンダーの17日目の投稿になります。
事前に伝えておくと、今回の記事内容は以下のようなことを勢いでかいてます。
- 自分がなぜ組織のデータ活用の改善に取り組んだのか
- どんなプロセスで取り組んだのか
- 結果どうなったのか
なので、以下のことを期待している方はもしかしたらつまらない記事かもしれません。
そこはご了承ください。
- ある程度、データ活用できる組織の画期的なすんごい事例
- 会社のデータアーキテクチャーを設計し、分析基盤をつくった系の話
- どんなコードを書いたか
また、今回この記事は個人で書いているので、作成物のデザインも載せられません。
ごめんなさい。
自己紹介
皆さんこんにちは、ざきといいます。
事業会社でデータアナリストをやっています。
あと、データラーニングギルドではマーケティング部に参加させていただいてました。
ここでさっそくカミングアウトしますが、私はたぶんこのカレンダーに参加されているような「データサイエンティスト」ではありませんw
私自身は、メインは自身でアクセス解析ツールや競合比較ツールを用いたアクセス解析や市場調査を行ったり、
時にはディレクターチームにジョインして、SQLや多少Pythonを持ちいて、意思決定に必要な分析を行ったりするいわゆる、マーケターチームに所属するビジネスアナリストです。
ちなみに、1年半前までは会社のSEO担当者でした。
そんな、私は、今年データ分析に取り組みたかったリソースを「組織のデータ活用の改善」に取り組みましたのでそのお話をさせてください。
なぜ、データ分析よりも「組織のデータ活用の改善」に取り組んだのか
理由は単純です。
今はそっちのほうがビジネスインパクトが大きかったからです。
私自身は組織のデータ意思決定力は二つの軸で構成されると思っています。
一つはデータアナリスト・サイエンティストなど、データ中心人材の分析推進力
そして、もう一つはそれ以外のデータ中心ではないメンバーのデータ活用力です。
私的には、多くの組織の人的構成比は**「データ中心メンバー:データ中心ではないメンバー」= 1:30くらいではないかなーと思っています。(もしくはもっと中心メンバーがすくない?)
つまり企業のほとんどは、「データ中心ではないメンバー」で構成されているのですが
多くの企業はデータ中心人材の分析力よりもデータ中心ではないメンバーのデータ活用力**がまだまだ課題である組織のほうが多いのではないかと思っています。
例えば、このような体験をされている方もいるのではないのでしょうか?
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- 普段からKPIやデータを確認する、周りが見るような文化がまだそろえられていない。
- 様々なデータ環境は用意されていても、一部の人しか使いこなせていない、簡単な分析もできない。
- 非アナリストから上がってくるデータを見返したり、定義を見直すと、データがあらわす数字やものの意味が、使われ方と全く違うような解釈で、意思決定をゆがめている
- 単純なデータをウォッチするためにも時間がかかる。
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ちなみに私は、この状況はほとんどの会社大半そうなのでは?とも思っております。
また、個人的に感じていることですが、所属するコミュニティ内の**「データ中心ではないメンバー」の活用力が、「データ中心人材」の分析推進力の上限を決めます。**
なぜなら、アナリストの分析結果をつかってサービスを変える行動するのはディレクターやデザイナーの仲間の力が不可欠ですし、彼らが簡単なデータ活用もできないと、データ中心人材への依頼が殺到し、工数を圧迫しまくるからです。
私自身もタスク飽和で頼られても優先度的に断るしかない場面も多く、申し訳なく思っていました。
なので、まずはその改善に目を向けることにしました
どんなことをしたのか
前提として、私自身、データ分析チームに所属したばっかのときはこのPJ事態最初はあまり認めてもらえず、一人でのスタートとなりました。
また、私自身も普段の分析業務がかなりあったためがっつりこれの運用や開発は行えません。
そのため、一人でも推進でき、ゆっくりと周囲に仲間を作りながら進めるやり方をとりました。
やったことは以下です
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①PJ化する前に、徹底的にヒアリングにより、「課題」「情報」+「仲間」を集める。
②今回はどのデータ活用に焦点をあてるか戦略を決める。
③戦略をもとに、少人数、小規模でできることから始め徐々に大きくする。
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今から順に説明していきます。
①PJ化する前に、徹底的にヒアリングにより、「課題」「情報」+「仲間」を集める。
データ活用の戦略や方法を決める前にまず行ったのは、周囲のメンバーからの徹底的なヒアリングでした。
これには2つの理由があります。
理由①:データ活用全体を俯瞰したうえで解決すべき課題やインパクトの大きい課題を見つけるため
私自身が事業会社として部門に所属しているため、なんとなくわかってはいました。
ですが、ヒアリングがないと自分だけの狭い視野の状態でスタートすることになり、一番の課題を見落とします。
いざヒアリングをしてみると、違う観点の話も結構でてきて、「あ、それインパクト大きい」みたいなものもありました。
どの課題を解くべきかを決めるためにも徹底的なヒアリングは重要でした。
理由②:協力してくれる仲間集め。
上記の自己紹介でも、書きましたが、私自身はデータの生ログをGCPに取り込むなどの技術力はありません。
また、新卒3・4年目や特に他部署の相手だと、まだ発言力もありませんでした。
そのため、様々な改善を実行するためには仲間が必要不可欠でした。
また、自分が活用を改善したいと思っている場合、少なくとも2,3人くらいは、同じことをおもってくれている人もいると思ってました。
そういう人を見つけ、仲間に引き入れるため幅広い人にヒアリングを行いました。
※実際意外な人が仲間になってくれたりしました。
#####【補足】ヒアリングは、相手の立場やスキルに関係なく、全員に行うこと
このとき、できる限り全員に話を聞くように、意識しました。
なぜならば、データの活用の仕方は役職・立場・スキルによってさまざまで、まったく違うからです。
役職の高い人は意思決定者であり、活用者であるため必ず聞かなくてはなりません。
役職の高い人にヒアリングしても、データを出すのはその配下の現場の人です。
データを扱うスキルがある人が使いやすいほどビジネスインパクトは出やすいです。
でも、データ結果から実行に移す人は、スキルがない人のほうが多いかもしれません。
その現状を把握するためにもできる限りランダム、違う属性の人に話を聞くべきです。
また、どこでだれがつながっているかわからないので、データにかかわるすべての関係性を把握するうえでも幅広い人に聞くことは重要です。
私は、去年までに1年かけて、80人程度にランチなどでヒアリングを行ったのですが、おかげで、普段だったら絶対にかかわらない方とも関係性を構築できました。
これは今回のPJの推進をするうえでかなり役に立ったと思っております。
【重要】②今回はどのデータ活用に焦点をあてるか戦略を決める。
次に自分の中で、やらないことを決めていきました
戦略とは やらないことを決めることです。
もし、環境も整い、リソースも潤沢にあり、技術力などもたくさんあるのであれば、全体を俯瞰したすべての課題を解決できるものを考えればいいのかも知れません。
しかし、そんな企業は世の中にありません。(あったとしても、シリコンバレーの会社とかでしょう。)
ましてや、今回は一人でのスタートかつPJにもまだできていませんでした。
そのため、インパクトや自身の影響度、将来的なステップなどを、資料に書き出しどこの誰の何を対象にするのかを決めていきました。
下記は決めたことの一例です。
例①:組織の対象範囲
今回のデータ活用する改善範囲を自分の組織図の2つ上である、ディレクター・開発チームまでとしました。
一番の理想は「全社」です。
しかし、仮に自分が経営層に説得するだけのスキルや知識が存在し、認められているのであれば問題ないのですが、
規模が大きい会社や拠点が離れている場合、この未来は序盤から自分ではどうしようのないものになってしまいます。
そのため、現実的なラインで最初は実績を出すべきです。
また、戦略を決めておく理由のもう一つの理由は、対象範囲外からのお願いをきっぱりと断る準備をしておくという理由もあります。
また、範囲を一切決めておらず、横からどんどんお願いされて改善範囲を広げていってしまうと、対象範囲の改善もできずじまいになります。
そのためにもまずは影響を与えられるぎりぎり大きな対象を立てました。
例②:活用の対象範囲
こちらは、優先度をつけて、「日々確認すべきデータを利用者と近づける」と、「中級データプレイヤーのスキル向上」を対象としました。
詳細は以下です。
課題①:日々確認すべきデータを利用者と近づける
この課題は、ヒアリングする前からうすうす気づいていました。
簡単に言うと、とある「ほぼ全員が見るべき毎日確認すべきデータ」の帳票があったのですが
それが、利用者の望んでいる5W1Hと、出力されている5W1Hが全くあっていなかったのです。
なかでも、特にあっていなかったのが時間でした
このデータは、業務開始時間の30分後に更新される仕組みでした。
しかし一番帳票を見たいサービスの責任者や担当に聞くと、
始業時間開始後には確認する余裕がなく、朝出社した直後にさくっと確認したいとお聞きしました。
またこの帳票は、データはだれでも使いやすいようにEXCELで運用されていたのですが、
可視化がされていないため、データ初級者がどんどん帳票を確認しなくなっていき、
ほとんどの人が利用者が毎日利用しなくなっていたことがわかりました。
この帳票の改善が一番影響を与える人数がおおかったため、こちらに取り組みました。
課題②:中級プレイヤーのスキル向上
ここでいう中級プレイヤーのイメージは、
アナリストではないものの、各組織でデータ分析、活用を高頻度で行っているメンバーのことです。
そして今回の問題は、データエンジニア側が思っている中級プレイヤーのスキルと、実際のデータ活用スキルの状態があっていなかったことです。
以前、あるプレイヤーの集計方法を見せてもらったときに、関数があっていなく、論理的には違うデータを出していることや、
大量データをむりやりEXCEL出していることがわかりました。
そして、多くの中級プレイヤーがその状態だったのです。
その結果をふまえ、ヒアリングすると、 「改善したくても、どうやって改善すべきかイメージがつかない」 「スキルを身に着けるメリットよりも学習コストが高すぎるイメージ」 のようでした。
なので、「いかに中級プレイヤーが、自主的にスキルを身に付けたくなる、学びやすい環境」を用意するかを問としました。
※また、これを課題に置いた理由として、中級プレイヤーが楽しそうに学ぶ、成果をだすと、その周囲が自分で学びたくなる効果も期待してました。
以上2点をどのように改善するかを行いました。
③戦略をもとに、少人数、小規模でできることから始め徐々に大きくする。
上記の戦略のフェーズで解くべき課題や改善することは決まりました。
その次にやることは、その課題に対しての100%の案を考えるべきという方も多いかもしれません。
ただ、私は今までの経験や学びから
「どんな形であれ、速攻でまずはリリース・実行をすること」を優先しました。
なぜならば、成果や改善イメージを少しでも見せないと、多分この先に進まないと思っていたからです。
実はこのPJ以前にも同じようなことをやろうとして、自分の置かれている環境や今持っているスキル・裁量によってPJ化できない場面に出会ったことが何回かあったのですが
そういうPJ化できない要因は大体2つであり、
・「実現したい未来に投資することのメリットが伝わりにくい」
・「実現するために必要なリソースがない」
ということが大きいと感じていました。
なので、まずこの改善がどれだけいいかわかってもらうために、必要な人に少しでも、体験してもらうことで周囲もその気にさせることを優先しました。
実際何をやったかでいうと、
「日々確認すべきデータ」は、環境作成が必要のなくすぐできる方法で実現し、
そのうえで一部のニーズの高い人にだけ公開し、噂を広げることで、全体の興味を引き出しました。
「中級プレイヤーのスキル向上」 のほうは、最初から講座を行うのではなく、必要になった人にPJを通じて一人一人に楽しんでもらいながら学んでもらい、その人に楽しく活用してもらうことで、周囲のひとも学びたくなるような雰囲気作りを優先しました。
その結果、上記の活用のうわさや、体験が広まっていったことで発言力や信頼を獲得でき、
PJ化し、大きく改善することもできました。
#####【補足】簡単なものを出すといってもさすがに押さえておかなくてはいけないポイント
「どんな形であれ、速攻でまずはリリース・実行をすること」とは言っていますが
簡単なものを出すといっても、押さえておかないとやばいポイントがあります。
①インパクト
まず一つ目で重要なのは「インパクト」です。
いくら簡単なものを作るからと言って、まったく周囲に影響を与えないようであれば意味がありません。
だからこそ、戦略フェーズでどこを一番最初に改善するべきかを決めておくことが重要です。
しっかりと解くべき問を見極めることが重要と感じました。
②将来への影響(本当にやりたいことを邪魔しないか)
ここで何かを出すということは、必ず今ある計画に影響を与えます。
その際、自分の目指したい方向に対して、後々に弊害になるものを出してしまった場合、
かえって将来のゴールから遠のくことがあります。
そのため、「目指すべき未来」と「今実現できることで改善する」バランスが重要です。
③運用
いくら簡単なものといっても、出すということは、
その後、ある程度運用がセットでついてくるものです。
そのとき、複雑なものや、修正工数がかかるものの場合、自分の首を必ず絞めます。
それは巻き込んだ人の首も絞めるかもしれません。
その点は注意しました。
ちなみに最近はGUIだけで、何とかできるものも結構多いので楽です。
Slackにもメールアドレスを簡単に作れるし、APIではなくメールでレポートを送信するツールも多くあります。そういうもので作ると、コードをかけない人でも引継ぎしやすくなります。
結果どうなったのか
上記で上げた課題を解決後、意思決定速度が向上した。
まず、上記で上げたことの改善はゆっくりではあるものの、しっかりと聞いてきました。
・「日々確認すべきデータ」を毎朝確認する人が数倍に増えた
・朝データを組織として確認するチームも増え、データ→行動の速度が速くなった
・KPIをもとに非アナリストが会話することも増えた。
・SQLに興味をもつ人も増え、現場で活用する人も増えた
・周囲から要望いただき、SQL講座を開いた結果、予定以上の人数が自主的に参加、
また、初期に教えたメンバーも周囲にレクチャーする場面も出てきた。
などなど、予定した成果以上の効果は上がりました。
また、運用等についても最初に領域を決めていたので、
変な広がりも起きませんでした。
ちょいちょい仲間が増え、ネットワークが広がった。
①のフェーズで仲間を集めた結果、同じ志をもつデータエンジニアや違う部署のアナリスト、データ活用者などを発掘でき、仲間にすることができました。
この過程でなければ出会えない人が多くいて、その人たちと意気投合し、いまでは一緒にデータ活用を考えてくれています。
仲間を集められたということはやれる幅も広がるので、来年以降は私の持つスキル以上のものを考えることが可能そうです。
以前よりも手をだせる幅が広がり、自分の分析できるデータの幅がひろがった
①のフェーズで広がったのは仲間だけでなく、私に信頼をおいて分析を任せてくれる方も増えました
その結果、他の部署の依頼も様々な角度のデータを持っているので、より早く、納得感のある分析を行えるようになったと大思います。
もちろん、このまま属人化は避けたいですが、手を出せる幅や依頼が増えたことは今後必ず生きてくると思うのでうれしい限りです。
来年は、何に取り組むのか
今年同様、この取り組みは続けていく。
今年はここまででしたが、来年はもっと大きく改善を行いたいとは思っています。
特に、今年はあまりデータフローについては触れられませんでしたが、
来年はもう少し、データ出力→データの活用フローから見直すようなことはしていきたいです。
来年から、もっとインサイトを発見することに力を入れる
今年はだいぶ整備し、データが組織に循環するようになあってきたものの、会社や業界全体のインサイトを発見しに行くような分析はしきれていませんでした。
また、冒頭で述べたように、まだまだスキル不足なため、本来のアナリストとしての活躍はできていないと思ってます。
今参加しているデータラーニングギルドで、様々な情報を集めてきましたが、今年は自分の修行にできる限り時間を回せるような仕組みを作り、データサイエンティストに少しでも近づきたいと思っております。
現在データラーニングギルドにいることで、ようやくサイエンティストという職業をつかめてくることができました。
まずは基本のところから、来年は勉強していきたいと思います。
※もともと統計は勉強していたので、今年からはガッツり使っていきたいと思います。
もっと外部にも仲間集める。外部でも挑戦をする。
今回の経験から、やっぱり情報を得るにも人のつながりの大切さを改めて感じました。
また、データ活用の話や普段のデータ分析の取り組みなどについて、熱い方が普段はどのようなことをされているのか、もっと知りたいなとも思いました。
そのため、withコロナ時代ではあるものの、もっとのみ友やアナリストの仲間を増やしていきたいです。
もし、興味を持ってくださる方は連絡ください
また、今年はデータラーニングギルドでマーケティング部のリーダーも挑戦させちいただいていたのですが、やはり普段と違うところでマーケティングや分析、ディレクションをするだけでも、得られるものは大きいなと感じました。
今年も、既存のマーケティング部含め、時間がある限り、外部での挑戦していきたいと思います。
最後に
こんな長く、まとまってない記事を読んでいただきありがとうございました。
みなさま、よいお年をおすごしください。