はじめに
この記事はLITALICO Engineers Advent Calendar 2024 カレンダー1の6日目の記事です
こんにちは。2024年4月に新卒で入社したばかりの新人エンジニア、@zacky_50です。
現在はレセプト基盤グループに所属し、請求基盤の開発に携わっています。この請求基盤とは、障害福祉におけるサービス利用料を正確に計算し、保険料として請求するためのシステムです。このシステムの開発には、障害福祉や保険制度に関するドメイン知識が欠かせません。
しかし、新卒でこの分野に触れるのは初めてだった私は、こうした知識が圧倒的に不足していました。それに加え、開発経験もほとんどなく、エンジニアリングスキルも十分ではない状態からのスタートでした。
こうした状況に限らず、新しい分野や未知のトピックに直面したとき、多くの人は「わからないこと」の多さに圧倒されることがあると思います。特に、専門用語や新しい概念が次々と出てくる場面では、どこから手をつければよいのか分からず、前進が難しく感じることもあるでしょう。
実際、私も最初の頃は新しい技術や業務に取り組む際、その分野の専門用語や概念を十分に理解できず、何から手をつけるべきか迷うことがよくありました。
そんな中で試行錯誤するうちに、私は知識をネットワークのように捉える方法を見つけ、「わからない」を少しずつ「わかる」に変えていくことができました。今回は、私がどのようにして未知の分野に取り組み、理解を深めていったのか、その方法についてお話しします。
知識をネットワークとして捉える
新しい分野や未経験の業務に取り組むとき、多くの人は、目の前に広がる「わからないことの海」に圧倒されるのではないでしょうか。私もまさにその一人でした。次々と現れる専門用語や概念に圧倒され、どこから手をつければよいのかわからない――そんなことが何度もありました。
そこで試してみたのが、知識をネットワークとして捉えるという方法です。具体的には、ひとつひとつの用語や概念を「点(ノード)」として扱い、それらの間にある関係性を「線(エッジ)」で結びつけるイメージを持つというものです。こうすることで、個々の知識が孤立せず、全体の中での役割や位置づけが徐々に見えてくるようになります。
例えば、新しい技術やシステムの専門用語を学ぶとき、その単語の意味を調べるだけでなく、ほかのどんな用語と一緒に使われているのかを意識します。「この概念はこの仕組みの一部なのか」といった関連性を見つける作業を繰り返していくうちに、全体像が少しずつ形作られていきます。
こうしたアプローチを続けることで、「わからないこと」は単なるバラバラな点ではなく、ネットワークとして捉えられるようになりました。ネットワークが大きくなるにつれ、最初は漠然としていた「わからないこと」が、全体の中での位置づけとともに理解できるようになりました。
知識ネットワークを構築する
ここからは、私が実際に行っている「知識ネットワーク」の構築方法を具体的に紹介します。この方法は、新しい分野に取り組む際、未知の用語や概念を整理し、全体像を把握するのに役立ちます。
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ノード(点)として概念や用語を整理する
まず、学ぶべき単語や概念を「点(ノード)」としてメモします。たとえば、「オブジェクト指向」や「クラス」といった技術用語がノードの例です。この段階では、すべてを完全に理解する必要はありません。ただ単語を「気になるリスト」に登録する感覚で拾い集めます。 -
エッジ(線)として関係性を見つける
次に、ノード間の関係性を「線(エッジ)」として結びつけます。たとえば、「クラスはオブジェクト指向の構成要素である」といった情報をエッジとして記録します。この作業を繰り返すことで、知識が単なる羅列から関連性のあるネットワークへと変わります。 -
ネットワーク全体を可視化する
ノードとエッジが増えるにつれ、全体像が見えてきます。中心的なキーワードを起点に関連情報が広がる様子を視覚的に捉えることで、学ぶべき優先順位や関連性を把握できます。
知識ネットワークの利点
知識をネットワークとして整理することで、私は以下のようなメリットを感じています。
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全体像の把握
個々の情報がどう関連しているかが一目でわかります。これにより、重要な概念を優先的に学ぶことが可能になります。 -
柔軟な学習が可能
中心的なノードから学びを進めたり、枝葉の情報を掘り下げたりと、自分の興味や必要性に応じて学習の流れを調整できます。 -
新たな視点の発見
知識ネットワークが広がることで、これまで気づけなかった新たな視点を得ることができます。最初は単語の意味すら不明だったとしても、ネットワーク全体の中でその役割や重要性を理解できるようになれば、より深い知識の定着へとつながります。 -
未知へのストレス軽減
「わからないこと」を具体的に記録し、整理することで、未知への不安が軽減されます。個人的には、これが最も大きなメリットだと感じています。最初は「何も知らない」と圧倒されがちですが、知らないことをメモしてネットワーク化することで、それを具体的な問題として捉えられるようになります。このプロセスにより、漠然とした不安が減り、「どこから学び始めればよいのか」が明確になります。
例えば、技術用語や概念に出会ったとき、それらを関連付けて整理すると、周囲の情報が少しずつ理解できるようになり、次に進むための道筋が見えてきます。このように、「わからないこと」を具体的に扱うことで未知に対するストレスが軽減され、学習がスムーズに進むようになります。
まとめ: 知識はネットワークでつながる
「知識ネットワーク」を構築するという方法は、私が試行錯誤の中で見つけた一つのアイデアです。一見すると地道で手間のかかる作業に思えるかもしれませんが、わからないことが多い状況でも少しずつ理解を深め、学習を進める助けとなるアプローチです。
未知の分野に飛び込むとき、最初は不安や戸惑いを感じることもあるでしょう。しかし、ひとつひとつ点をつなげていくことで、全体像が見え始め、自信を持って次のステップに進めるようになります。
あくまで一例ですが、ぜひこの方法を参考にしてみてください。気づけば、あなたの中に広がる知識のネットワークが、新たな発見や学びを後押ししてくれるかもしれません。
それではよいインプットライフを!
明日は@ryunosuke_sakoの記事です。お楽しみに!