初学者のための「コンピュータの動作原理」RISC-V 編 Lesson 5

RV32I インストラクション・セットを読みながら，次のコードを読みましょう。与えられたレジスタマップとメモリマップを使用してください。手順についてはこちらを参照してください。

さて，このコードは，何を計算しているのでしょうか？ 考察してみましょう。初期値を色々変えてみて，実行結果を分析してみると，きっと理解できますよ。

コード

pc が「戻りアドレス」になったら，終了してください。

	.file	"sample.c"
	.option nopic
	.text
	.align	2
	.globl	calc
	.type	calc, @function
calc:
	bgtz	a0,.L8
	li	a0,0
	ret
.L8:
	addi	sp,sp,-16
	sw	ra,12(sp)
	addi	a0,a0,-1
	call	calc
	lw	ra,12(sp)
	addi	sp,sp,16
	jr	ra
	.size	calc, .-calc
	.ident	"GCC: (GNU) 8.2.0"

レジスタマップ

レジスタ	初期値
a0	0x00000003
sp	0x10000010
x0 (zero)	常に0
x1 (ra)	戻りアドレス
pc	calcのアドレス

メモリマップ

アドレス	データ初期値
0x10000000	0x00000000
0x10000004	0x00000000
0x10000008	0x00000000
0x1000000c	0x00000000
0x10000010	0x00000000

命令について

call

さしあたり，call offset は jalr ra, ra, offset だと思ってください。

ret

実際には jalr zero, ra, 0 に展開されます。

jr

jr rs は jalr zero, rs, 0 に展開されます。