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ElixirAdvent Calendar 2019

Day 2

Elixir Zen スタイル講座: ループを Enum.reduce/3 で表す方法

Last updated at Posted at 2019-12-01

この記事は 「Elixir Advent Calendar 2019」 2日目の記事です。

いよいよ今年もアドベントカレンダーの季節が始まりました!

昨日は @mocamocaland さんの「構築したSerumでリンク先の追加と記事投稿をする方法」でした。

今日は Elixir Zen スタイル講座ということで,ループを Enum.reduce/3 で表す方法についてご紹介します。

例題

C言語で書かれた次のようなループ構造を Enum.reduce/3 を使って Elixir にする方法について説明します。

int loop_sample(int a[], int a_n) {
	int r1 = 0, r2 = 0;
	for(int i = 0; i < a_n; i++) {
		r1 = (r1 < a[i]) ? a[i] : r1;
		r2 += r1;
	}
	return r2;
}

説明を簡単にするため,if文ではなく,条件演算子を使って書いています。

解答例は次の通りです。

defmodule ReduceSample do
  def loop_sample(a) do
    {_, r2} =
      Enum.reduce(
        a,
        {0, 0},
        fn x, {r1, r2} ->
          {
            max(x, r1),
            r2 + max(x, r1)
          }
        end
      )

    r2
  end
end

対応関係をコメントで書いてみます。

defmodule ReduceSample do
  def loop_sample(a) do
    {_, r2} =
      Enum.reduce(
        a,
        {0, 0},             # int r1 = 0, r2 = 0;
        fn x, {r1, r2} ->
          {
            max(x, r1),     # r1 = (r1 < a[i]) ? a[i] : r1;
            r2 + max(x, r1) # r2 += r1; // C言語の r1 は更新後
          }
        end
      )

    r2                      # return r2;
  end
end

基本的な考え方

  1. ループへの入力となるリストを Enum.reduce/3 の第1引数に与えます。
  2. ループ内に登場する変数を記憶するために,変数と同じ数の要素を持つタプルを用意します。
  3. 各変数の初期値をタプルにして Enum.reduce/3 の第2引数に与えます。
  4. Enum.reduce/3 の第3引数の関数を次のように定義します。
    1. 第1引数をリストの各要素を表す x とします。
    2. 第2引数を,ループ内に登場する変数を表すタプルにします。
    3. 戻り値は,各変数を更新する式をタプルにして表します。
      • ただし,ループの中で更新された他の変数値を使用する場合は,その変数を更新する数式を展開しておきます。

制約条件

  • リストがループの前後で不変である必要があります。
  • 各イテレーションで複数の要素を参照しない場合のみ可能です。
  • 各イテレーションで副作用がない場合のみ可能です。

次回予告

次は明日「言語実装 Advent Calendar 2019」3日目に投稿予定です。「Elixir / Pelemay 研究の背景と意義」です。よろしくお願いします。

明日の「Elixir Advent Calendar 2019」@torifukukaiou さんの「12月3日なので、一二三、123ダーなElixirのこと」です。こちらもよろしくお願いします。

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