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Google Calendar APIを使うときにサービスアカウントでカレンダーを作る方法

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こんにちは。
Google Calendar APIを使うときにサービスアカウントをオーナーにしてカレンダーを作るといい感じだったので共有です。

よくあるフロー

ネットでよく見るやり方は主にこんな流れかと思います。
ここではカレンダーの更新権限が必要なアプリを想定しています。

  1. サービスアカウントを作成
  2. 自分のアカウントでカレンダーを作成
  3. 2で作ったカレンダーについて、1のサービスアカウントへ必要な権限付与
  4. カレンダーのAPIを使ってイベントを自動登録

これで問題ない場合はOKなんですが、会社なんかだとGoogle Workspace(旧 G Suite)の全体設定などでカレンダーの編集権限は社内のユーザーアカウントのみに制限、みたいなセキュリティポリシーにしている時があって、そのときは上記のやり方だとうまくいきません。

かといって、アプリのためにポリシー変える?みたいな話になって困っちゃいますよね。

もうひとつのフロー

ミソはサービスアカウントがオーナーのカレンダーを作ってしまうことです。

  1. サービスアカウントを作成
  2. サービスアカウントでCalendar APIを実行してカレンダーを作成
  3. 2で作ったカレンダーについて、共有が必要なユーザーをCalendar APIを使って追加
  4. カレンダーのAPIを使ってイベントを自動登録

この方法だと、アプリのために会社全体のセキュリティポリシーを変更しなくてすみます。
さらに、誰か人が作成したカレンダーに依存しないので、属人性が排除されるのもいいところですね。

サンプルコード

では、具体的なコードを見ていきましょう。
サンプルはRubyですが、他の言語でも同様にできると思います。

前提として、サービスアカウントを作成し、認証ファイル(json)は取得済みの状態から始めます。

APIの仕様は以下になります。
https://googleapis.dev/ruby/google-api-client/latest/Google/Apis/CalendarV3/CalendarService.html

初期化

このインスタンスから各種APIを実行していきます。

require 'google/apis/calendar_v3'
require 'googleauth'
require 'googleauth/stores/file_token_store'

# どこかクラスに以下のメソッドを書いている想定

def google_service
  @google_service ||= Google::Apis::CalendarV3::CalendarService.new.tap do |service|
    service.client_options.application_name = '素敵なアプリケーション'
    sio = StringIO.new({client_email: ENV['GOOGLE_CALENDAR_CLIENT_ID'], private_key: ENV['GOOGLE_CALENDAR_CLIENT_PRIVATE_KEY'].gsub(/\\n/, "\n")}.to_json)
    service.authorization = Google::Auth::ServiceAccountCredentials.make_creds(json_key_io: sio, scope: Google::Apis::CalendarV3::AUTH_CALENDAR)
  end
end

サービスアカウントでCalendar APIを実行してカレンダーを作成

最初にこれをバッチかなんかで実行してカレンダーを作ります。カレンダーのIDは後々使うので控えておきましょう。

calendar = Google::Apis::CalendarV3::Calendar.new(summary: 'カレンダーのタイトル', description: 'カレンダーの詳細')
result = google_service.insert_calendar(calendar)
result.id

共有が必要なユーザーをCalendar APIを使って追加

これをしないと、誰もサービスアカウントが作ったカレンダーを見ることができません。

権限付与したいユーザーを指定してあげましょう。
これも最初はバッチでやるとかになると思います。

これを実行すると、登録したメールアドレス宛に確認のメールが届きます。
その中にある「カレンダーを追加」を押すと、該当ユーザーはカレンダーを見ることが可能です。

scope = Google::Apis::CalendarV3::AclRule::Scope.new(type: 'user', value: 'account@example.com')
acl = Google::Apis::CalendarV3::AclRule.new(role: 'writer', scope: scope)
google_service.insert_acl(@calendar_id, acl)

Calendar APIを使ってイベントを登録

あとはイベントなどお好きなものをカレンダーに登録すれば、OKですね。

calendar_object = Google::Apis::CalendarV3::Event.new(
        start: Google::Apis::CalendarV3::EventDateTime.new(date_time: @start_at.rfc3339),
        end: Google::Apis::CalendarV3::EventDateTime.new(date_time: @end_at.rfc3339),
        summary: 'イベントタイトル',
        description: '詳細事項'
      )

event = google_service.insert_event(@calendar_id, calendar_object)
event.html_link # ここにカレンダーのイベントごとのURLが入っている。(参考)

個人的には少しの違いですが、だいぶ楽になると思います。
Google Workspaceの設定の影響を受けないのがとてもよいと思いました。

サービスアカウントのこうした使い方については、プロジェクトや社内で相談した上で使っていくとよいでしょう。

参考文献

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