はじめに
これまでのデータマネジメントプロジェクト導入の経験を踏まえて、『アプローチ』『リソースプランニング』『スケジューリング』の3つの観点から、検討が必要と思われることを整理してみました。
アプローチ
データマネジメントプロジェクトを進めるにあたり、『トップダウン』『ボトムアップ』2つの方法が考えられます。どちらが正解ではなく、それぞれの特性を活かして、プロジェクト立ち上げ・推進していく必要があります。
トップダウン
- 会社の戦略に合わせて、経営層の号令でプロジェクト検討開始
- 現場(IT部門と事業部門)に会社の戦略に合わせたプロジェクト目的が明確にカスケードできるかが鍵
ボトムアップ
- 現場の課題や苦労を積み上げて実現要望をまとめ、経営層に上げていく
- 現場担当者のモチベーション維持(当事者意識)、中期経営計画への順従、経営層への訴求ポイント(売上アップや在庫最適化等)が鍵
リソースプランニング
データマネジメントプロジェクトのリソースプランニングは、『業務部門』『IT部門』『プロジェクト推進』の3つのカテゴリで検討する必要があります。この3つのカテゴリのバランスとモチベーション維持(当事者意識)が必要不可欠です。
業務部門
そのデータを必要としてる、もしくは活用したいと考えている関連部署・事業部
現場担当者(日々データを操作している担当者)、現場管理者(データ操作の管理者)、部門責任者(データオーナー)
IT部門
既存システムを運用している、そして新プラットフォーム導入を目指すシステム部
既存システム担当者(データ所在を把握している)、基盤担当者(既存ネットワーク/OS/DBを把握している)、現場リーダー(現場の取りまとめ役)
プロジェクト推進
プロジェクトマネージャー(プロジェクト推進役、QCD観点での管理とレポーティング)
アーキテクト(既存の仕組み、新規導入の仕組みの統合を検討)
実装担当(データ連携、マスタデータ管理、データ品質管理、API統合の実装担当、必要に応じて配置)
スケジューリング
ビックバンでなく、大きく考えて小さく育てる(Think Big, Small Start)、小さい成功体験を積み上げるためのスケジューリングが必要と考えられます(適切な導入期間と成功度合い)。
- 最適なプロジェクト期間で無理のないゴール(1stスコープ)を設定する。
- 全STEPをプロジェクト推進にお任せでなく、徐々に自分たちで運用・活用できる仕組みに仕上げていくプロセスが重要。
- 業務部門・IT部門の中で、新規導入の仕組みを理解したスペシャリストを育てていく。
- もしくは、業務部門・IT部門以外に、データ管理専門部署を立ち上げ、データに関するスペシャリスト部隊を構築することもあり。
- 早い段階(要件定義フェーズ)で、要件を一部反映したプロトタイプを準備し、業務部門とのゴールイメージの共有を行う。
- どちらにしても、新規導入と並行したスキルトランスファーとOJTが必要不可欠。
- コストの観点からもプロジェクト推進のリソースはリリースされ、体制としての最適化が求められる。