フォワードプロキシとリバースプロキシの違い
まずはプロキシをざっくり
プロキシとは、クライアントとサーバ間の通信の管理やセキュリティ保護において重要な役割を持つシステムのことで、クライアントの代わりに、サーバの代わりにインターネットとの接続を代理で行ってくれます。プロキシ(代理)と文字通りの役割を持っています。
上記に "クライアント" と "サーバ" の2つの用語が出てきましたが、それぞれの意味もざっくりと書いておきます。
- クライアント:サーバにて提供されているサービスや機能を使う側のコンピュータのこと。いわゆるスマートフォンやパソコンのことだと考えてもらえれば良いです。
- サーバ:サービスや機能を提供する側のコンピュータのこと。
プロキシには、フォワードプロキシとリバースプロキシの2つの種類があり、それぞれ異なる目的を持っており、異なるレイヤーで動作をします。
フォワードプロキシは、クライアントを外部ネットワークから保護するために使用され、リバースプロキシはAPI Gatewayやロードバランサーのように、バックエンドサーバの玄関口として機能します。
フォワードプロキシの概要
フォワードプロキシとは、クライアントと外部サーバ間の仲介役として機能します。
クライアントからの外部サーバへの通信(アウトバウンド要求)を受け取り、目的の外部サーバへ転送します。
フォワードプロキシが持つ機能
クライアントサイドとしてのプロキシ
フォワードプロキシは通常、クライアント側のネットワーク上に配置され、外部ネットワークへのトラフィックを受け取るゲートウェイとして機能します。
クライアントは、トラフィックをフォワードプロキシ経由で外部ネットワークとの通信を行うため、ネットワーク設定を構成する必要があります。そして、フォワードプロキシはクライアントの通信を仲介して外部サーバへ要求を転送します。
匿名性
フォワードプロキシは、クライアントからのアウトバウンド要求を仲介する機能を持つため、外部サーバからはリクエスト元としてフォワードプロキシが見えます。
これにより、フォワードプロキシを介して接続することで、実際のリクエスト元であるクライアントのIPアドレスやユーザー情報の追跡が難しくさせます。
プロキシサーバを経由し、本来のIPアドレスを別のIPアドレスに変更することでインターネット検閲を回避することも可能です。
コンテンツフィルタリング、キャッシュ、およびセキュリティ制御
フォワードプロキシは、コンテンツフィルタリングポリシーを実装し、あらかじめ定義したルールに基づいて特定の外部サイトやコンテンツカテゴリへのアクセスを制限します。
また、頻繁にアクセスされるコンテンツをキャッシュすることで、帯域幅の使用を削減し、後続のリクエストのパフォーマンスを向上させます。
さらに、セキュリティポリシーとアクセス制御を適用させることで、外部サイトへのアクセスを制限したり、悪意のあるサイトをブロックさせることができます。
会社組織で適用するとした場合、FacebookやX(旧Twitter)へのアクセスを制限したりすることができます。
まとめ
フォワードプロキシは、家庭内でインターネットアクセスを管理・制限したい場合や、職場・学校でセキュリティを強化したい場合に使用ができそうです。
たとえば、成人向けコンテンツや特定のSNSへのアクセスを制限して利用を控えさせたり、特定の時間帯のみインターネットへのアクセスを許可するなどの設定が可能なので、業務でも業務以外でも利用用途の幅がありそうでした。