はじめに
E資格2021#2に合格したので、勉強内容などを振り返ります。
AIの知識ゼロからのスタートだったので、初心者だけどE資格に申し込みたいという人の参考になればと思います。
E資格について
概要などは公式参照
資格としての特徴としては
・現状、AI試験では最高難易度の資格(とはいえ、最低限のことは知ってますアピールができるレベル)
・受験資格として「JDLA認定プログラムの受講」が必要
勉強前のレベル
・システムエンジニアなのでITのベーススキルは持っている
・AIの知識は「人工知能は人間を超えるか」などのライトな本を読んで身に着けた程度
・Pythonは競技プログラミングで使っているので読み書きできる(ただ、Numpyはつかったことない)
・数学は中学レベル。高校は工業高校で大学にもいっていないのでE資格範囲の数学は学生の頃にも触ったことがない。
認定プログラム
個人で申し込む分には一番格安な「ラビットチャレンジ」に申し込み。
後述しますが、試験自体の対策は市販の参考書を中心にやったので、結果的には認定プログラムはどこでもよかったですね。
勉強方法
2021年7月~8月29日(試験日)まで
6月
ラビットチャレンジの講座(動画)で数学・機械学習・深層学習の3カテゴリを順番に学習
普段資格の勉強は問題集中心にやるタイプなので、あまり動画講座がしっくりこなかった
7月
8月にE資格を受験するためには、7月前半で認定プログラムを完了し受験資格を得る必要があるため、ラビットチャレンジの終了認定試験を受験。
100問近くの試験で95%正解する必要があるのだが、間違えた問題や答えも教えてくれず、10回という回数制限もあるため、とにかく精神的にきつかった。(時間制限がないのがせめてもの救い)
ラビットチャレンジの他の模擬試験などから似た問題を探したりしながらなんとか8回目の受験で合格。
8月
ラビットチャレンジの認定試験では初見で解ける問題が3割程度という感触だったため、いよいよやばいということで本格的に試験の対策に取り組む。
・E資格の唯一の問題集(通称黒本)を購入
1週解くのに休日が丸々つぶれるボリューム
実際の問題より難しいが、何週かやって自身がつけばE資格合格レベルにたどり着けるかと。
個人的にはE資格合格に必須の1冊かと。(認定プログラムの充実具合にもよるかも)
・ゼロから作るディープラーニング
認定プログラムでおすすめされていたので購入
大変わかりやすく、E資格の深層学習の出題頻度が高そうな部分をフォローしている印象。
実際の試験でも、これのサンプルコードそのままみたいな穴埋め問題が出た気がする。
これも、E資格合格に必須の1冊かと。
・ノートにまとめて暗記
暗記していないと解けない問題が認定プログラムや黒本で出てくるので、最適化アルゴリズムや強化学習の数式などノートに書きこんで丸暗記しました。
試験当日
試験のことも覚えている限り書きます
受験形式
CBT
メモ用のボードとマジックペンが渡される、CBT方式の試験を受けるたびに思うが、とても書きにくい
パソコン上で電卓が起動できる
問題
数学
問題自体少なかった印象(全体の1~2割くらい?)
条件付き確率の問題を解いたら選択しにない答えになって非常に焦る。時間もないのでその問題はギブアップ
特異値分解は出なかった
機械学習
2~3割くらい
ロジスティック回帰のオッズの理解を問う問題が印象的(解けなかった)
SVMのソフトマージンやPCAの主成分の問題が出た気がするが、簡単だったので印象に残らず。
深層学習
ゼロつくの範囲、MobileNet、RNN、LSTM、GRU、Transformer、強化学習、DQN、IoU、正則化などなど
問題数も多く試験範囲を全体的にカバーしている。
実装問題はゼロつくの内容(普通のDNNモデルの順伝搬・逆伝搬)
開発環境
簡単だったが問題数が少なく得点源になったか微妙
受験中
黒本を中心に学習してきたが、当たり前だがE資格の直接の過去問というわけではないため、実際の試験では同じことを問うているであろう問題でも出題のされ方が異なった。また、数式の表現方法なども黒本と違うことが多くかなり混乱した。
2時間(120分)で100問の長丁場になるが、上記の通り問題の途中まで読んで即答ということができなかったため、時間がギリギリ。
実装問題などはコードをすべて読む余裕がないため、穴埋めの前後1行だけ見て、ゼロつくや黒本のサンプルコードの記憶から回答している状態だった。
認定プログラムの模擬試験そのまま出ている問題も少しあった気がする。認定プログラムから提供されたサンプル問題はそのまま出る率が高かった。
受験後
終わってみると、完璧に自信をもって答えれた問題は2割程度。
本当にこれが合格率7割の試験か?というのが当日の感想。
正直不合格だと思っていて、2022年の次の試験を受けるかどうか真面目に考えていた。
結果
受験のほぼ3週間後、金曜の昼頃にメールで結果が届くが、
蓋を開けてみると余裕の合格。
深層学習の出題比率が高いことを考えると、全体でも85%くらいの正答率かと(合格ラインは公表されていないが65%程度という噂)
■合否結果
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【 合 格 】
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総受験者数 1,170名
合格者数 872名
■分野別の得点率
応用数学:73 %
機械学習:78 %
深層学習:87 %
開発環境:100 %
試験から発表までに時間があったこともあって、調整(正解率の極端に低い問題を集計外にした)をやったのではと勘ぐってしまう。。。
合格だったのでなんでもいいが。
まとめ
・E資格は合格者を選別するというより、しっかりと勉強してもらうための資格という印象。初心者でもしっかり勉強したら受かるのでAIの勉強したい人は申し込もう。
・認定プログラムの模擬試験とサンプル問題は暗記していこう。
・追加の試験対策は黒本とゼロつくで。ただ、出題のされかたが異なるのでその前提で読んでいこう。