この記事について
タンパク質の基準振動解析(Normal Mode Analysis;NMA)を行うためにProDyを使う必要があったので、Macにインストールする方法を残しておきます。記事の内容に間違い等ございましたら、お手数ですがご連絡ください。
環境
- MacOS Sonoma 14.5
- 最終動作確認日:2024年5月18日
ProDyとは?
- Pythonのパッケージ
- タンパク質立体構造や、ダイナミクスの解析に使える(タイトルにも"Protein Dynamics & Sequence Analysis"とある)
- 主成分分析(PCA)や、ANM/GNMを使った基準振動解析(NMA)ができる
- 以下の公式サイトが親切なので、基本はこれを読めば良い
この記事で使う表記
初めて見たとき何が何やらわからなかった記憶があるので、一応書いておきます。
-
$
:シェルコマンド(今回はMacターミナルの黒い画面で打つコマンド) -
>>>
:Pythonコード -
なし
:それ以外(~/.zshrc
への書き込みなど)
インストール
上述のインストール方法を参考に進める。
Macの場合、まずはGitHubのリポジトリからProDyをcloneしてくる。
$ git clone https://github.com/prody/ProDy.git
次に、Pythonの環境変数を設定する。以下を~/.zshrc
に追記して、source ~/.zshrc
で反映させる(/path/to/ProDy
は、clone先のpathに適宜書き換える)。
export PYTHONPATH=/home/USERNAME/path/to/ProDy:$PYTHONPATH
ProDyにはC++で書かれたモジュールがあるらしいので、以下のコマンドでそれらをコンパイルする。
$ cd ProDy
$ python setup.py build_ext --inplace --force
最後に、pathを通せばインストールは完了である。以下を~/.zshrc
に追記して、source ~/.zshrc
で反映させる。
export PATH=/home/USERNAME/path/to/ProDy/scripts:$PATH
動作確認
Pythonを起動して、ProDyをimportする。
$ python
>>> from prody import *
Protein Data Bank(PDB)から、Villin headpiece(PDBID:1unc)という有名なタンパク質を試しにダウンロードしてみる。
>>> pdb = parsePDB('1unc')
以下のようなメッセージが表示されたらOK。最終行に577 atoms
と書かれているので、577個の原子で構成されていることがわかる。また25 coordinate set(s)
とあるのは、PDB上に(NMRで測定された)1uncの構造が25個上がっていることを示す。
@> Connecting wwPDB FTP server RCSB PDB (USA).
@> 1unc downloaded (1unc.pdb.gz)
@> PDB download via FTP completed (1 downloaded, 0 failed).
@> 577 atoms and 25 coordinate set(s) were parsed in 0.04s.
以上。