この記事は 岩手県立大学 Advent Calendar 2016 の17日目の記事です.
何を書こうか迷ったんですがせっかく大学のAdvent Calendarなので卒業論文要旨をイイカンジに書く方法について書きたいと思います.
Mediumで書こうと思ってたけど,研究タグがあったのでとりあえずQiitaにしときます.
スケジュール
今年度のスケジュールはこんな感じです.
提出開始 : 2017年1月06日(金)13:00
締め切り : 2017年1月12日(木)16:00
だいたい例年こんな感じですね.
年末年始は休みたい人が多いと思うのでなんとかクリスマス前には書き終えて,年が明けてからは文章の推敲だけにしたいところです.
書式
(1) 用紙
原稿サイズ:A4版
枚数:2枚
マージン:上下左右とも25mm程度
(2)原稿の体裁
- 標題(和英両方;2行;文字を若干大きく;センタリング;この後1行あける)
- 講座名 学籍番号 氏名(1行;「○○講座 0311998200 ○○」;右寄せ.区切りは空白)
- 指導教員氏名(1行;右寄せ;「指導教員:○○○ ○○○...」と表記;この後1行あける.区切りは空白)
- 本文(ここから2段組)
(3)本文を表記する上での注意事項 - 句読点は"."および","を用い,それぞれ1画(1字分)を用いる.
- 図・表には,図1および表1のような通し番号と名称を和文でつける.
(4)参考文献の表記について
本文中の引用箇所には,1) 2)のように片括弧で上付き半角で表記し,末尾にその文献を参照順にまとめて記述する.
ここも例年通りです.
気をつけなければならないのが参考文献の表記方法です.
[1][2]
ではなく1) 2)
なことに注意です.
どんなに研究の進捗がなくても書式だけは守りましょう.
何を使って要旨を書くか
以下の3つが考えられるんじゃないでしょうか.
- TeX
- Microsoft Word
- Adobe InDesign
TeX
文章用のマークアップ言語です.
数式が綺麗とよく言われている気がします.
あとメリットとしては好きなエディタで書けることやgitなどのバージョン管理がしやすいことが挙げられます.
とは言っても今のB4はTeXは講義で扱ってないので難しいかな.
修士や博士を考えている人は書けるようになってもいいかもしれない.
Microsoft Word
これでいいと思う.
Adobe InDesign
WordはMS明朝やMSゴシックならうまくいくけどヒラギノやら黎ミンを使おうとすると体裁がうまくいかないことが多いです.
その点InDesignはDTPで使われているので1行の文字数とか行間の距離とかどんなフォントでもちゃんとやってくれるのがメリット.
図もWordと違ってillustratorのファイルもD&Dで挿入できるのでいちいちemfで出力しなくてもいいのが便利です.
作図
illustratorを使おう!!
とはいえPowerPointで作図している人がほとんどですかね.
それならば少なくともPowerPointから出力するときにemfというベクタ形式で出力するようにしましょう.
グラフをExcelで作った時も同様でemfで出力するように.
pngやjpgなどのラスタ形式で出力すると図内の文字とかは最悪な状態になります.
文章構成
要旨は2ページなのでそんなに多く書くことはできません.
とりあえず項目は以下の感じでいいんじゃないでしょうか.
- はじめに
- システム概要
- プロトタイプシステム
- 評価実験
- おわりに
はじめに
研究の背景や問題点,目的を書きます.
「〜〜〜が問題だと""思った""」というのは背景や問題と言えません.
感想文ではないので客観的に書きましょう.
なぜその研究が必要なのか,研究するに至った問題点を整理しましょう.
関連研究を上げる際はただdisるのではなく,関連研究では研究目的のこの部分が不足している……のように書きます.
また,問題点から研究の目的を明確に示します.
システム概要
システム概要図やシステムアーキテクチャを用いて提案手法の概要を示します.
システムの利用者がどのようにシステムを利用するのかを分かりやすく書きます.
また,アーキテクチャの図を示しながら端末や提案機能がどのように構成されているのかを書きます.
提案手法や機能のアルゴリズムもここで示します.
プロトタイプシステム
タイトル通りプロトタイプシステムについて書きます.
基本はシステム概要で述べているので,提案機能をプロトタイプシステムではどのように実現するのかを具体的に示します.
例を上げるとプロトタイプシステムで使用する機材/OS/ライブラリなどを示します.
評価実験
プロトタイプシステムを使用した評価実験の方法や結果・考察などを書きます.
「”はじめに”で述べた目的がどの程度達成できたのか」というのが評価です.
研究の目的と評価実験の目的の整合性をとりましょう.
よく要旨に評価が載っていない先輩がいますが,参考しないようにしよう.
おわりに
研究のまとめを書きます.
「この論文で述べたこと」をまとめるということを意識します.
フォント
書式でフォントを指定していないので好きなフォントを使うことが出来ます.
とはいえ通例に従うのがいいと思います.
タイトル・見出し
通例ではゴシック体を使います.
悩んだらMSゴシックでOKです.
それ以外だと選択肢としては以下の感じでしょうか.
- 見出ゴMB31
- 中ゴシックBBB
- ヒラギノ角ゴシック
キャプション
通例ではゴシック体を使います.
悩んだらMSゴシックでOKです.
数式
斜体が基本です.
フォントはTimes New RomanでOKです.
TeXの数式をラスタ形式で出力して画像で貼り付けてもいいかもしれない.
本文
通例では明朝体を使います.
悩んだらMS明朝でOKです.
間違ってもMS P 明朝は使わないでください.
MS明朝以外だと以下のフォントあたりが選択肢になるとおもいます.
- リュウミン
- 黎ミン
- ヒラギノ明朝
注意点
日本語はMS明朝,英数字はArialというのはやめましょう.
フォント大好きマン以外は本文のフォントは全部MS明朝でやる!ぐらいでいいです.
まとめ
要旨をイイカンジに書く方法について書いてみました.
とはいえ私もまだ修士なので気をつける点はもっとあると思います……
本学の要旨は全世界に公開されます.
ゴミを公開したくはないですよね.
この記事がすこしでも参考になれば幸いです.
明日の担当は n0bisuke さんです.
実際に講義を受けたうちの1人なので楽しみです!!