ケーブルについて
- 一般的に使用されているのは「ツイストペアケーブル」と「光ファイバーケーブル」
ツイストペアケーブル
- 2本の銅線がよりあわせて1組になったものが、4本束ねられていて、合計8本ある。そして、4組の線をビニールで外側を覆って、1本のケーブルになっている
UTP/STP
STP ((Shielded Twisted Pair):
- ****ノイズを遮断するシールド加工をしているタイプ
- ノイズが発生する可能性のある工場や研究所などで使われることが多い
UTP (Unshielded Twisted Pair)
- ノイズを遮断するシールド加工をしていないタイプ
- 値段がSTP > UTPなので、一般的にはUTPが使われる
このノイズとは何か?
- 信号の伝達を妨げる電気的な干渉のこと
- 外部の電気機器や電力線からの電磁波、雷による影響といった外部によるもの
- 同じケーブル内にある他のツイストペア線からの信号の漏れ(クロストーク)
コネクタ
- ケーブルの末端についている部品。図で言う白い部品のこと

引用 : https://www.panduit.co.jp/column/naruhodo/7851/
この白い部品をつけて、PCやネットワーク機器に接続する。
ツイストペアケーブルでは、RJ-45という8本の線が収容できるコネクタが使用される。
ストレートケーブル、クロスケーブル
- ツイストペアケーブルは、両端のコネクタにおける銅線の接続方法によって、**「ストレートケーブル」と「クロスケーブル」**の2種類に分類される
ストレートケーブル
-
ケーブルの両端のコネクタで、同じピン番号同士が接続されている。(例: 1番ピンは1番ピンへ、2番ピンは2番ピンへ...)
-
用途: 基本的に異なる種類の機器同士を接続する場合に使う
- パソコン ⇔ スイッチ(ハブ)
- ルーター ⇔ スイッチ(ハブ)
-
用途: 基本的に異なる種類の機器同士を接続する場合に使う
-
クロスケーブル
- 一部の配線が交差して、ピンに接続している。規格によって交差の仕方が異なる。
-
用途: 基本的に同じ種類の機器同士を直接接続する場合に使います。
- パソコン ⇔ パソコン
- スイッチ(ハブ) ⇔ スイッチ(ハブ)
- ルーター ⇔ パソコン

引用 : https://www.infraexpert.com/study/ethernet3.html
MDI / MDI-X
LANケーブルを差し込むポート(コネクタ)には、MDIとMDI-Xの2種類がある。ポートの送信ピンと受信ピンを何番ピンで行うかで分類できる。
MDI
- 1,2番で送信、3、6番で受信する
MDI-X
- 1、2番で受信、3、6番で送信する
ここで、ストレートケーブルとクロスケーブルを、MDI/MDI-Xポートと組み合わせて考えてみる。
ストレートケーブルはMDIのポートを持つ機器とMDI-Xのポートを持つ機器同士を接続する際に利用する。
つまり、ストレートに銅線が接続されていれば、MDIポートの送信ピンとMDI-Xポートの受信ピン、MDIポートの受信ピンとMDI-Xポートの送信ピンがそれぞれ接続され、送信と受信が向かい合う形になる。
仮にMDI-MDIという同じポートで接続したら、ストレートケーブルだから、送信と送信をつなぐことになって、通信できない
クロスケーブルはMDIのポートを持つ機器同士、またはMDI-Xのポートを持つ機器同士を接続する際に利用する。
つまり、ケーブル内部で線を交差させることで、MDIポート同士やMDI-Xポート同士を接続した場合でも、送信ピンと受信ピンが繋がるようにする。
光ファイバーケーブル
- ガラスの中に光を閉じ込めて伝送する通信ケーブル。コンピュータの電気信号を光信号に変換して伝搬している
中心部分 : 光が通る場所。コアと呼ばれていて、そのコアを覆う「クラッド」で構成されている
引用 : https://www.sevensix.co.jp/useful/opticalfiber_011/
光の通り方(モード)によって、大きくSMFとMMFの2種類に分類される。
シングルモードファイバ(SMF)
- コアの直径が小さい(約9µm)
- 1つのモードしか通らないケーブルなので、コアの中心をまっすぐ進むように伝搬する
特徴
- 光信号の分散がほぼないため、安定していて、長距離通信に適している(数十km 〜数百km以上)
マルチモードファイバ(MMF)
- コアの直径が大きい(一般的に50µmか62.5µm)
- 光は複数のモード分かれていて、コア内で反射しながら伝搬する
特徴
- SMFよりも安価
- 光が複数の経路を通るため、光の到達時間に差が生じ(モード分散)、モード分散によって、信号に歪みが生じることがある。そのため、伝送距離はそのため数百 ~ 数kmといった短距離通信に適している
イーサネット
- 有線でコンピュータネットワークを構築するためのプロトコル。TCP/IPモデルのネットワークインターフェース層(リンク層)に対応している。
イーサネットの規格
- IEEEが802.3として定めている。通信速度、ケーブル等によって分類されている。
IEEE規格 | 規格名 | 通信速度 | 使用ケーブル | 最大ケーブル長 | 備考 (通称など) |
---|---|---|---|---|---|
IEEE 802.3 | 10BASE5 | 10Mbps | 同軸ケーブル (Thick) | 500m | 初期Ethernet, Thick Ethernet |
IEEE 802.3a | 10BASE2 | 10Mbps | 同軸ケーブル (Thin) | 185m | Thin Ethernet, CheaperNet |
IEEE 802.3i | 10BASE-T | 10Mbps | UTP (CAT3以上) | 100m | ツイストペアケーブルの普及 |
IEEE 802.3u | 100BASE-TX | 100Mbps | UTP (CAT5以上) | 100m | Fast Ethernet (主流) |
IEEE 802.3u | 100BASE-FX | 100Mbps | 光ファイバー (MMF/SMF) | 2km (MMF) / 20km (SMF) | Fast Ethernet (光) |
IEEE 802.3z | 1000BASE-SX | 1Gbps | 光ファイバー (MMF) | 550m (*1) | Gigabit Ethernet (短距離光) |
IEEE 802.3z | 1000BASE-LX | 1Gbps | 光ファイバー (MMF/SMF) | 550m (MMF) / 10km (SMF) (*2) | Gigabit Ethernet (長距離光) |
IEEE 802.3ab | 1000BASE-T | 1Gbps | UTP (CAT5e以上) | 100m | Gigabit Ethernet (現在主流の有線LAN) |
IEEE 802.3ae | 10GBASE-SR | 10Gbps | 光ファイバー (MMF) | 300m (*3) | 10Gigabit Ethernet (短距離光) |
IEEE 802.3ae | 10GBASE-LR | 10Gbps | 光ファイバー (SMF) | 10km | 10Gigabit Ethernet (長距離光) |
IEEE 802.3an | 10GBASE-T | 10Gbps | UTP (CAT6A以上) (*4) | 100m | 10Gigabit Ethernet (ツイストペア) |
規格名の「1000BASE-T」はそれぞれ順番に、「通信速度(Mbps)」「伝送方式」「ケーブルの種類や長さ」となっている。
伝送方式のBASEは、ベースバンド (Baseband) 伝送方式を意味し、現在のイーサネットではこの方式が使われる。
後半のアルファベットについて、
- T : ツイストペアケーブル (Twisted Pair)
- F : 光ファイバー
- S, SR: 短距離 (Short wavelength/Short range)
- L, LR : 長距離 (Long wavelength / Long range)
イーサネット規格の通称
通信速度によって、通称が異なる。
通称 | 通信速度 |
---|---|
FastEthernet | 100Mbps |
GigabitEthernet | 1Gbps |
TenGigabitEthernet | 10Gbps |
その他のケーブル
-
同軸ケーブル
- 中心に信号を伝送する芯線があり、その周りを絶縁体で覆い、さらにその外側を網状シールドで包み、最後に外ジャケットで保護する4層の構造を持つケーブル
- テレビなどに使われる
