はじめに
こんにちは!今回はNode.jsを使用している時に遭遇する可能性のある一般的なエラーとその解決策について説明します。
通勤中など空いてる時間に読んでいただけると嬉しいです。
Node.jsとは
Node.jsは、JavaScriptを使用してサーバーサイドのアプリケーションを構築するためのものです。Node.jsは、npmと呼ばれるパッケージマネージャーとともに使用されることが多いです。npmは、Node.jsのパッケージを管理するためのツールです。Node.jsとnpmを使用すると、JavaScriptを使用してWebサーバーを構築したり、コマンドラインツールを作成したり、デスクトップアプリケーションを構築したりすることができます。
🤔 Node.jsトラブルシューティング:開発者が直面する10の一般的なエラーとその解決策
-
📦 モジュールが見つからない ("MODULE_NOT_FOUND")
- プログラムが必要とするモジュールが見つからない場合にこのエラーが出ます。
- 🛠️ 対処法: モジュール名を確認し、
npm install <module_name>
を使って依存関係が正しくインストールされているか、またはpackage.json
ファイルにモジュールが記載されていることを確認してください。
-
🔌 ポート使用中 ("EADDRINUSE")
- 他のプロセスによってすでに使用されているポートにアプリケーションを割り当てようとした場合にこのエラーが出ます。
- 🛠️ 対処法:
netstat
やlsof
コマンドを利用してどのプロセスが当該ポートを使用しているかを確認し、そのプロセスを終了するか、アプリケーションで使用するポート番号を変更してください。
-
🔒 アクセス権限不足 ("EACCES")
- プログラムが許可されていない操作をしようとした場合に見られます(例: 特定のポートでのリッスン、特定のディレクトリへの書き込み)。
- 🛠️ 対処法: ファイルやディレクトリの権限を変更するには
chmod
やchown
コマンドを使用するか、管理者権限でプログラムを実行してください。
-
⚠️ 未処理のエラーイベント ("Unhandled 'error' event")
- エラーが起きたが、プログラムによって適切なハンドリングがされていない場合に発生します。
- 🛠️ 対処法: Node.jsのイベントエミッタに対して
.on('error', handler)
を使ってエラーハンドラを追加し、エラーが適切に処理されるようにしてください。
-
🌐 見つからないドメイン ("ENOTFOUND")
- DNS解決に失敗し、URLにアクセスできない場合にこのエラーが出ます。
- 🛠️ 対処法: URLが正しいか再度確認し、インターネット接続が活性化しているかどうか、DNSの設定をチェックしてください。
-
🚫 接続拒否 ("ECONNREFUSED")
- クライアントからの接続をサーバーが拒否した際に発生します。
- 🛠️ 対処法: サーバーがオンラインで稼働しているか、適切なポートでリッスンしていることを確認し、ファイアウォールやネットワークの設定が正しいかどうかを検討してください。
-
⏲️ タイムアウト ("ETIMEDOUT")
- ターゲットサーバーへの応答がタイムアウト時間内に得られない時に表示されます。
- 🛠️ 対処法: ネットワークの速度や安定性を検証し、必要に応じてタイムアウト値を調整するか、通信試行リトライのロジックを導入してください。
-
🚰 壊れたパイプ ("EPIPE")
- 処理中のストリームやソケットが意図せず閉じられたため、データが送信できない状態です。
- 🛠️ 対処法: ストリームやソケットの状態を確認し、適切なタイミングで書き込みが行われるようにプログラムを調整してください。
-
🔗 強制接続終了 ("ECONNRESET")
- 接続中の相手方が突然接続をリセットしたことにより、通信が中断されました。
- 🛠️ 対処法: ネットワークの一時的な問題に対処するために再接続ロジックを導入するか、システムの耐障害性を検証・向上させてください。
-
📂 開きすぎ ("EMFILE")
- 同時に開かれるファイルやソケットが多すぎてOSの上限を超過した場合にこのエラーが発生します。
- 🛠️ 対処法: 不要なリソースを閉じてリソース管理を最適化するか、
ulimit
コマンドでファイル記述子の上限値を増やしてください。
1. MODULE_NOT_FOUND
このエラーは、Node.jsで指定されたモジュールを見つけることができない時に発生します。例えば、存在しないモジュール名をrequire()関数で指定したり、モジュールのパスが誤っている場合、もしくはモジュールがインストールされていない場合に見かけます。また、ネイティブなNode.jsモジュールの名前がタイプミスされているか、node_modulesディレクトリやpackage.jsonファイルに問題がある場合にもこのエラーが発生する可能性があります。
エラーの例:
Error: Cannot find module 'some-module'
Require stack:
- /Users/yourusername/project/file.js
at Function.Module._resolveFilename (internal/modules/cjs/loader.js:889:15)
at Function.Module._load (internal/modules/cjs/loader.js:745:27)
at Module.require (internal/modules/cjs/loader.js:974:19)
at require (internal/modules/cjs/helpers.js:93:18)
at Object.<anonymous> (/Users/yourusername/project/file.js:1:1)
at Module._compile (internal/modules/cjs/loader.js:1085:14)
at Object.Module._extensions..js (internal/modules/cjs/loader.js:1114:10)
at Module.load (internal/modules/cjs/loader.js:950:32)
at Function.Module._load (internal/modules/cjs/loader.js:790:14)
at Function.executeUserEntryPoint [as runMain] (internal/modules/run_main.js:76:12) {
code: 'MODULE_NOT_FOUND',
requireStack: [
'/Users/yourusername/project/file.js'
]
}
このメッセージは、some-module という名前のモジュールが見つからなかったことを示しています。エラーが起きたファイルのパスや、問題が発生したrequireスタックが含まれており、デバッグに役立ちます。
MODULE_NOT_FOUNDの識別方法
-
エラーメッセージの開始部分:
Error: Cannot find module 'some-module'
これはNode.jsが指定されたモジュールを見つけられなかったことを示しています。
-
エラーコード:
code: 'MODULE_NOT_FOUND',
この行はエラーの種類を表しており、プログラムが具体的に
MODULE_NOT_FOUND
エラーに直面していることを示しています。 -
requireスタック:
requireStack: [ '/Users/yourusername/project/file.js' ]
requireStack
は問題が発生した場所を追跡する際に役立ちます。どのファイルでrequire()
呼び出しが失敗したかがわかります。
対処法
🛠️ 対処法:
- スペルチェック: モジュール名が正しく記述されているかどうか、タイプミスが無いか確認してください。
- パスの検証: 相対パスまたは絶対パスが正しいかどうか確認してください。特に、カスタムモジュールやファイルシステム上の特定のファイルをrequireしている場合に重要です。
-
依存関係のインストール: ターミナルを開いてプロジェクトディレクトリに移動し、
npm install
コマンドを実行してすべての依存関係がインストールされていることを確認します。 -
node_modulesの整合性: まれに、node_modulesディレクトリが壊れているか、不完全な状態になっていることがあります。これを解決するために、ディレクトリを削除してから
npm install
を再実行することで必要なモジュールを再インストールします。 -
package.jsonの確認: プロジェクトの
package.json
ファイルにモジュールが指定されているかどうか、そしてそのバージョンがプロジェクトと互換性があるものであるかを確認します。 -
グローバルとローカルの区別: 特にツールやCLIが関係する場合、グローバルにインストールする必要があるモジュールとローカルにインストールする必要があるモジュールを区別してください。
-g
フラグを使用してグローバルにインストールします。
2. EADDRINUSE
このエラーは、Node.jsアプリケーションが起動し、すでに使用中のポートをバインドしようとした場合に発生します。例えば、同じポート番号(この例では5000番)をリスンしている他のアプリケーションやサービスが既に実行中の状態で、新たにNode.jsアプリケーションを起動しようとするとこのエラーが表示されます。開発環境では特に一般的な問題で、複数の開発プロジェクトを並行して実行したり、あるいはプロセスが適切に終了していない場合などに遭遇する可能性があります。対処法としては、使用中のポートを変更するか、競合しているプロセスを見つけて終了させる必要があります。
エラーの例:
Error: listen EADDRINUSE: address already in use :::5000
at Server.setupListenHandle [as _listen2] (net.js:1313:16)
at listenInCluster (net.js:1361:12)
at Server.listen (net.js:1447:7)
at Function.listen (/path/to/project/node_modules/express/lib/application.js:618:24)
// ... その他のスタックトレースの行 ...
このメッセージは、アプリケーションがポート5000でリッスンしようとしたときにそのポートが既に別のプロセスによって使用されているという事実を示しています。エラーの最終行は、通常対象となるフレームワークまたはライブラリ(この場合はExpress)内で問題が発生したファイルと行数を指し示します。
EADDRINUSEの識別方法
-
エラーメッセージ:
Error: listen EADDRINUSE: address already in use
このメッセージは、アプリケーションがリッスンしようとしたアドレス(またはポート)がすでに使用されていることを示しています。
-
ポート番号:
:::5000
この部分はエラーが発生しているポート番号を示しており、どのポートで衝突が起きているかを教えてくれます。
-
エラーコード:
EADDRINUSE
このコードは、特定のエラーがアドレス(ポート)が既に使用中であることに関連していることを指し示しています。
対処法
🛠️ 対処法:
-
使用中のポートを確認する:
- ターミナルまたはコマンドプロンプトを開き、以下のコマンドでどのプロセスがポートを使用しているかを確認します。
- Windowsでは:
netstat -ano | findstr :<PORT>
- UNIX系(Linux/macOS)では:
または
sudo lsof -i tcp:<PORT>
sudo netstat -tulnp | grep :<PORT>
<PORT>
には使用中のポート番号を入れます。 - Windowsでは:
- ターミナルまたはコマンドプロンプトを開き、以下のコマンドでどのプロセスがポートを使用しているかを確認します。
-
プロセスを終了する:
- 特定されたプロセスID(PID)を使ってプロセスを終了させます。
- Windowsでは:
taskkill /F /PID <PID>
- UNIX系では:
応答がない場合は
kill <PID>
-9
を追加して強制終了します。kill -9 <PID>
- Windowsでは:
- 特定されたプロセスID(PID)を使ってプロセスを終了させます。
-
ポートを変更する:
- 別のプロセスとの衝突を避けるために、アプリケーションが使用するポート番号を変更します。
-
再起動後に試す:
- システムを再起動することで、時々解決する場合があります。これにより、潜在的にハングアップしているプロセスがクリアされます。
-
自動で空いているポートを見つける:
- コード内でポート設定を
server.listen(0)
のように指定すると、システムが自動的に空いているポートを割り当てます(開発環境で便利です)。
- コード内でポート設定を
-
ファイアウォールの確認:
- 特に新しい設定を行った後や、異なるネットワークに接続した場合は、ファイアウォールがポートの使用を妨げていないか確認してください。
3. EACCES
このエラーは、Node.jsアプリケーションがファイルシステムの特定のリソースやネットワークポートに対するアクセス権限がない場合に発生します。典型的な例としては、UNIX系オペレーティングシステムで1024以下のポート番号(一般には予約されているポート)にバインドしようとした際に非特権ユーザーがEACCESエラーに直面します。ポート80や443などのウェルノウンポートを使用しようとした際に、root権限がない状態でサーバーを起動するとこのエラーが表示されることがあります。対処法としては、ポート番号を変更するか、アプリケーションを特権昇格(たとえばsudoコマンドを使用)して実行する必要があります。または、ポート転送や代理機能を用いる方法もあります。
エラーの例:
Error: listen EACCES: permission denied 0.0.0.0:80
at Server.setupListenHandle [as _listen2] (net.js:1263:19)
at listenInCluster (net.js:1328:12)
at doListen (net.js:1461:7)
at processTicksAndRejections (internal/process/task_queues.js:81:21)
// ... その他のスタックトレースの行 ...
このメッセージは、アプリケーションがポート80でリッスンしようとしたときにアクセス権限が拒否されたことを示しています。これはUNIX系システムで非特権ユーザーが保護されたポートを使おうとした際によく発生するエラーです。
EACCESの識別方法
-
エラーメッセージ:
Error: listen EACCES: permission denied
このメッセージが示しているのは、何らかのリソース(ファイル、ディレクトリ、ポートなど)へのアクセス権限が拒否されたことです。
-
アドレスとポート番号:
0.0.0.0:80
ここでは、実際にアクセスしようと試みたIPアドレス(ここでは全てのインターフェイスを意味する0.0.0.0)とポート番号(ここではHTTPの標準ポートである80)が示されています。
-
エラーコード:
EACCES
スタックトレース中のこのコードは、エラーの種類がアクセス権限に関連していることを指し示しています。
対処法
🛠️ 対処法:
-
ポート番号の変更: 予約されたポート(1024以下)を使用している場合は、1024以上のポートに変更してください。
-
特権昇格の実行:
- UNIX系(Linux/macOS):
sudo
コマンドを使ってアプリケーションをroot権限で実行します。 - Windows: 管理者としてコマンドプロンプトを開いてから、アプリケーションを実行します。
- UNIX系(Linux/macOS):
-
ポート転送:
- Linux:
iptables
を利用してトラフィックを高いポートから低いポートへ転送する設定が可能です。
- Linux:
-
代理サーバーの設定: nginxやApache等の代理サーバーを設置し、高いポートでアプリケーションを起動してから、代理サーバーを介してトラフィックをリダイレクトします。
-
ファイルシステムのアクセス権限の確認:
- UNIX系:
chmod
やchown
コマンドで適切な権限をファイルまたはディレクトリに与えます。 - Windows: ファイルやフォルダのプロパティを開いて、セキュリティタブから権限を調整します。
- UNIX系:
-
セキュリティポリシーの確認:
- Linux: SELinuxやAppArmorの設定を確認して、必要ならばアクセス権限を調整します。
-
別のユーザーとして実行:
- MacOS/Linux:
su
やsudo
を使って別のユーザーとしてアプリケーションを実行します。 - Windows: 正しい権限を持つユーザーアカウントに切り替えて実行します。
- MacOS/Linux:
-
Node.jsの機能を利用:
- POSIX系OS(Linux/macOS): アプリケーションが起動した後、
process.setuid()
を使用してプロセスのユーザーIDを非rootユーザーに下げることができます。
- POSIX系OS(Linux/macOS): アプリケーションが起動した後、
4. Unhandled 'error' event
このエラーは、Node.jsでイベントエミッターが発生させたエラーイベントに対して適切なリスナー(エラーハンドラ)が設定されておらず、未処理の状態となっている場合に発生します。events
モジュールを使用するオブジェクトは、エラーをイベントとしてエミットすることがありますが、それらのイベントに対して次のようなリスナーを登録しなければなりません:
emitter.on('error', (err) => {
console.error('エラーが発生しました:', err);
});
もし'error'
イベントのリスナーが存在しない場合、Node.jsはこのイベントをキャッチできず、結果的にUnhandled 'error' event
エラーが投げられ、アプリケーションがクラッシュする可能性があります。この問題を解決するためには、すべてのイベントエミッターに対してエラーハンドラを設定し、エラーが発生した際に適切に処理されるようにすべきです。
エラーの例:
events.js:174
throw er; // Unhandled 'error' event
^
Error: [エラーの詳細やメッセージ]
at EventEmitter.emit (events.js:188:13)
at EventEmitter.emit (domain.js:441:20)
at ChildProcess.<anonymous> ([ファイルパス]:[行]:[列])
at ChildProcess.emit (events.js:188:13)
at maybeClose (internal/child_process.js:978:16)
at Process.ChildProcess._handle.onexit (internal/child_process.js:265:5)
Emitted 'error' event at:
at EventEmitter.emit (domain.js:441:20)
[... lines matching original stack trace ...]
at process.runNextTicks [as _tickCallback] (internal/process/task_queues.js:58:3)
at Function.Module.runMain (internal/modules/cjs/loader.js:828:11)
at startup (internal/bootstrap/node.js:121:19)
at bootstrapNodeJSCore (internal/bootstrap/node.js:766:3)
このメッセージは、イベントエミッターから未処理のerror
イベントが放出されたことを示しています。エラーの内容(この場合は[エラーの詳細やメッセージ]
)は状況に応じて異なります。エラーイベントが発生した正確な場所とコンテキストは、スタックトレースによって示されます。
Unhandled 'error' eventの識別方法
-
エラーメッセージの開始部分:
throw er; // Unhandled 'error' event
この行はNode.jsが処理されていないエラーイベントを報告しており、これが直接的なエラー原因を示しています。
-
スタックトレースの先頭の
Error
オブジェクト:Error: [エラーの詳細やメッセージ]
この行が実際に発生したエラーの種類とメッセージを示します。この部分は具体的なエラー内容によって変わります。
-
Emitted 'error' event at:
:Emitted 'error' event at:
この行はイベントエミッターがどこでエラーイベントを発生させたかを示し、スタックトレースがそれをフォローアップしてエラーの起源を追跡できるようにしています。
対処法
🛠️ 対処法:
-
エラーハンドラの追加:
- すべてのイベントエミッターに
'error'
イベントのリスナーを追加します。これにより、エラーが発生した場合に適切に処理されるようになります。
- すべてのイベントエミッターに
-
原因の調査:
- スタックトレースを確認して、エラーの原因を特定しましょう。エラーメッセージが指し示す問題点(リソースの不足、ネットワークの問題、プログラムのバグなど)を解決する必要があります。
-
コードレビュー:
- エラーが発生している可能性のある箇所を見直し、予期しない状況での適切なエラーハンドリングが実装されているかをチェックします。
-
プロセスの監視と再起動:
- 長時間実行するアプリケーションの場合、プロセスマネージャー(例:PM2, Forever)を使用してアプリケーションを監視し、未処理の例外が発生した際に自動的に再起動できるように設定します。
-
Node.jsのバージョンを確認:
- 使用しているNode.jsのバージョンが古い場合は、新しいバージョンにアップデートしてみてください。バグ修正やパフォーマンスの改善が含まれている可能性があります。
-
非推奨のAPIの確認:
- アプリケーションが非推奨のAPIを使用している場合は、代替手段を探して更新する必要があります。
-
全体のエラーハンドリング戦略の見直し:
- プログラム全体で統一されたエラーハンドリング戦略を持つことが重要です。例えば、Promiseの使用時には
.catch()
を忘れないようにし、async/awaitを使う場合はtry/catchブロック内でエラーを捕捉します。
- プログラム全体で統一されたエラーハンドリング戦略を持つことが重要です。例えば、Promiseの使用時には
-
未処理例外の監視:
-
process
オブジェクトのuncaughtException
イベントリスナーを追加して、未処理の例外をキャッチしてログに記録することができます。ただし、この方法は最後の手段として考え、通常は適切なエラーハンドリングを各所で実施するべきです。
-
5. ENOTFOUND
このエラーは、Node.jsアプリケーションがホスト名をIPアドレスに解決しようとした際にDNSルックアップに失敗すると発生します。特にhttp.get
やrequest
などのネットワーク関連の関数を使用して非存在のURLにアクセスしようとした場合や、インターネットへの接続がない、もしくはDNSサーバー自体に問題がある場合に見られるエラーです。
例えば、以下のような状況でこのエラーが発生する可能性があります:
- ネットワーク接続がオフライン状態でインターネット上のリソースにアクセスしようとする。
- DNS設定が誤っているまたはDNSサーバーがダウンしているため、ドメイン名を解決できない。
- 存在しないドメイン名、またはタイプミスによって無効なドメイン名を指定した。
対処法としては、接続先のURLが正しいことを確認し、ネットワーク接続が機能しているかチェックすることです。また、DNS設定を再確認することも重要です。
エラーの例:
Error: getaddrinfo ENOTFOUND example.com
at GetAddrInfoReqWrap.onlookup [as oncomplete] (dns.js:60:26) {
errno: 'ENOTFOUND',
code: 'ENOTFOUND',
syscall: 'getaddrinfo',
hostname: 'example.com'
}
このメッセージは、example.com
というドメイン名に対するDNSルックアップが失敗し、それに関連するエラー情報を示しています。エラーオブジェクトにはエラーの種類を特定するcode
およびerrno
プロパティが含まれています。
ENOTFOUNDの識別方法
-
エラーメッセージ:
Error: getaddrinfo ENOTFOUND example.com
これはDNSルックアップに失敗し、指定されたホスト名が見つからなかったことを意味します。
-
errno
およびcode
プロパティ:errno: 'ENOTFOUND', code: 'ENOTFOUND',
これらのプロパティはエラーオブジェクト内に含まれ、発生した問題の種類が
ENOTFOUND
であることを示しています。 -
システムコール情報:
syscall: 'getaddrinfo',
この部分は発生したシステムレベルの操作(この場合は
getaddrinfo
、ネットワークアドレス解決のためのシステムコール)を示しています。 -
ホスト名情報:
hostname: 'example.com'
これはDNSルックアップが試みられた具体的なホスト名を示しており、デバッグ時にどこに問題があるかを理解するのに役立ちます。
対処法
🛠️ 対処法:
-
URLの確認: 接続しようとしているURLが正しいことを確認します。タイプミスや間違ったドメイン名がないかチェックしてください。
-
ネットワーク接続の確認: インターネットに接続されており、ローカルネットワークが問題なく機能していることを確認します。
-
DNSサーバーの状態の確認: DNSサーバーが正しく設定されているか、またはDNSサーバーに接続できるかどうかを確認します。
-
代替DNSサーバーの使用: デフォルトのDNSサーバーに問題がある場合、Google Public DNS(8.8.8.8 と 8.8.4.4)などの他の信頼できるDNSサーバーに切り替えてみます。
-
コマンドラインツールの利用:
ping
やnslookup
コマンドを使用して、問題のドメイン名が解決可能かテストします。 -
DNSキャッシュのクリア: システムのDNSキャッシュが古くなっている場合は、キャッシュをクリアすると問題が解決することがあります。
- Windows: コマンドプロンプトで
ipconfig /flushdns
を実行します。 - macOS:
sudo killall -HUP mDNSResponder
をターミナルで実行します。 - Linux: ほとんどのLinuxディストリビューションでは
sudo /etc/init.d/nscd restart
,sudo systemctl restart nscd
,sudo service nscd restart
, またはsudo systemd-resolve --flush-caches
のようなコマンドでDNSキャッシュをクリアできます。
- Windows: コマンドプロンプトで
-
プロキシ設定の確認: プロキシを介してインターネットに接続している場合は、その設定が正しいかを確認します。
-
ファイアウォールとセキュリティソフトの確認: ファイアウォールやセキュリティソフトウェアがDNSリクエストをブロックしていないか確認します。
6. ECONNREFUSED
このエラーは、Node.jsアプリケーションが特定のIPアドレスとポートに接続を試みた際に、その接続が相手側によって拒否されたことを意味します。ECONNREFUSED
は通常、次のいずれかの理由で発生します:
- 対象のポートでリッスンしているサーバーが存在しない。
- ファイアウォールやセキュリティグループなどにより接続が遮断されている。
- ネットワークエラーや一時的なダウンタイムが原因で接続ができない。
実際の例としては、ローカル開発中にバックエンドのサーバーがまだ起動していない状態でフロントエンドからAPIリクエストを送信しようとした場合に、このエラーが発生する可能性があります。また、ポートの番号を誤ったり、ネットワークが正しく設定されていない場合にもこのエラーが発生します。
対処法としては、指定したポートでサービスが稼働しているか確認し、ポートがファイアウォールでブロックされていないかチェックする必要があります。また、対象のサービスがアップしているかどうかも確認する必要があります。
エラーの例:
Error: connect ECONNREFUSED 127.0.0.1:3000
at TCPConnectWrap.afterConnect [as oncomplete] (net.js:1141:16) {
errno: 'ECONNREFUSED',
code: 'ECONNREFUSED',
syscall: 'connect',
address: '127.0.0.1',
port: 3000
}
このダミーメッセージは、ローカルホスト(127.0.0.1)のポート3000への接続が拒否されたことを示しています。エラー情報には、問題があった具体的なアドレスとポート番号が明記されており、デバッグの出発点として役立ちます。
ECONNREFUSEDの識別方法
-
エラーメッセージ:
Error: connect ECONNREFUSED 127.0.0.1:3000
このメッセージが示しているのは、接続しようとしたホストとポートに拒否されたことです。
-
errno
およびcode
プロパティ:errno: 'ECONNREFUSED', code: 'ECONNREFUSED',
これらのプロパティはエラーオブジェクト内に含まれており、発生した問題の種類が
ECONNREFUSED
であることを示しています。 -
システムコール情報:
syscall: 'connect',
これは問題が発生したシステムレベルの操作(この場合は
connect
コール)を指し示しています。 -
アドレスとポート情報:
address: '127.0.0.1', port: 3000
この部分は接続先のアドレスとポート番号を明記しており、どのエンドポイントに接続できなかったかを示しています。
対処法
🛠️ 対処法:
-
サービスの稼働状況の確認: 対象のIPアドレスとポートでリッスンしているサーバーが起動していることを確認します。
-
ポート番号の確認: 接続しようとしているポート番号が正しいか、またそのポートが開放されているか確認します。
-
ファイアウォールの設定確認: ファイアウォールが接続をブロックしていないか確認します。必要に応じてファイアウォールのルールを変更してください。
-
ネットワーク設定の確認: インターネット接続やローカルネットワークの設定が適切であることを確認します。
-
ルーティングの問題の確認: 特に複数のネットワークインターフェースがある場合、ルーティングが正しく構成されていることを確認します。
-
タイムアウトパラメータの設定: タイムアウト値が短すぎる場合は長く設定し直して再試行します。
-
依存関係の再確認: アプリケーションが他のサービスとの連携を必要としている場合、それらのサービスが正常に機能していることを確認します。
-
コマンドラインツールの利用:
telnet
コマンドなどを使って対象のサーバーとポートに手動で接続できるかテストします。 -
ログの確認: サーバー側のログを確認することで、接続拒否の原因に関する情報が得られるかもしれません。
-
プロキシ設定の確認: プロキシサーバー経由で接続を試みている場合、そのプロキシ設定が正しいか確認します。
-
ネットワーク監視ツールの使用: Wiresharkなどのネットワーク監視ツールでパケットを捕捉し、何が起きているかを詳細に分析します。
-
再起動: ときにはシステムやアプリケーションの再起動が接続問題を解決することがあります。
7. ETIMEDOUT
ETIMEDOUT
エラーは、Node.jsアプリケーションが特定のネットワークリクエストに対して設定された時間内に応答を受け取ることができなかった場合に発生します。このエラーは接続タイムアウトを示し、しばしばネットワークの遅延、ネットワークの障害、応答するサーバーの過負荷、またはサーバーがダウンしている場合に見られます。
一般的な発生例は以下のとおりです:
- サーバーへのリクエストが正常に送信されたが、サーバーが処理に予想以上に時間を要し、クライアント側のタイムアウト期限を超過した。
- ネットワークの問題や構成の間違いにより、リクエストがサーバーに到達することなく途中で失われる。
- クライアントが非常に低いタイムアウト値を設定しており、通常のレスポンスタイム内に応答を受信することができない。
デバッグ時には、先に述べたポイントに注意し、ネットワーク接続をチェックし、リクエストのタイムアウト設定が適切かどうかを確認することが重要です。また、リモートサーバーの状態も確認し、必要に応じてタイムアウトの値を調整します。
エラーの例:
Error: connect ETIMEDOUT 192.168.1.1:80
at TCPConnectWrap.afterConnect [as oncomplete] (net.js:1146:16) {
errno: 'ETIMEDOUT',
code: 'ETIMEDOUT',
syscall: 'connect',
address: '192.168.1.1',
port: 80
}
このメッセージは、IPアドレス192.168.1.1
のポート80
への接続試みがタイムアウトしたことを示しています。エラーオブジェクトには、失敗した操作に関連する詳細情報(errno、code、syscall、address、port)が含まれており、デバッグや問題解決に役立つ情報を提供します。
ETIMEDOUTの識別方法
-
エラーメッセージ:
Error: connect ETIMEDOUT 192.168.1.1:80
このメッセージは接続試みがタイムアウトしたことを示しています。
-
errno
およびcode
プロパティ:errno: 'ETIMEDOUT', code: 'ETIMEDOUT',
これらのプロパティは、何が起きたのかを示すエラーコードを表示しています。
ETIMEDOUT
は接続操作が時間内に完了しなかったことを意味します。 -
システムコール情報:
syscall: 'connect',
この部分は問題が発生したシステムコールを指し示しており、この場合はネットワーク接続の試みである
connect
です。 -
アドレスとポート情報:
address: '192.168.1.1', port: 80
この部分は問題が発生したネットワークのアドレスとポート番号を示しており、どのエンドポイントに対する接続がタイムアウトしたかを明確にしています。
対処法
🛠️ 対処法:
-
タイムアウト設定の確認: リクエストのタイムアウト値が不適切に低く設定されていないかを確認し、必要に応じて増やします。
-
サーバーの負荷状況の確認: サーバーに過度の負担がかかっていないか確認します。サーバーがダウンしていたり、リソースに制限がかかっている場合は、タイムアウトエラーが発生することがあります。
-
ネットワーク接続のテスト:
ping
やtraceroute
(tracert
on Windows) コマンドを使って、問題のサーバーまでのネットワーク経路が正しく機能しているか確認します。 -
ファイアウォールの設定確認: ファイアウォールやセキュリティグループがリクエストをブロックしていないか、ポートが適切に開放されているか確認します。
-
ローカルのリソース使用率の監視: CPU使用率やメモリ使用量など、クライアントシステムのリソース使用状況をチェックして、パフォーマンスに影響を与えていないか確認します。
-
他のクライアントからのテスト: 同じリクエストを異なるクライアントまたはネットワークから実行してみて、問題が特定のクライアントやネットワークに限定されているかどうかをテストします。
-
ネットワーク機器の再起動: ルーターやスイッチなどのネットワークデバイスを再起動して、一時的なネットワークの問題を解決します。
-
プロキシやVPNの利用を停止: プロキシサーバーやVPNを使用している場合、これらを無効化して直接接続を試みることで問題が解決するかどうか確認します。
-
サーバー側のログをチェック: サーバー側のログファイルを調べて、リクエストがサーバーに到達しているか、及びサーバーがタイムアウトを引き起こす可能性のある問題を抱えていないかを確認します。
-
ISPやホスティングプロバイダーへの問い合わせ: 万が一上記の手段で問題が解決しない場合、インターネットサービスプロバイダー(ISP)やホスティングプロバイダーに支援を求めるのも良いでしょう。
8. EPIPE
EPIPE
エラーは、プロセスが読み取る側のパイプやソケットがすでに閉じられている状態でデータを書き込もうとした場合に発生します。このエラーは「壊れたパイプ(Broken pipe)」とも呼ばれ、宛先がもはやデータ受信を期待していないことを示しています。
具体的な発生状況の例は以下の通りです:
- クライアントがサーバーへの接続を既に閉じた後に、サーバーがそのクライアントにデータを送信しようとする。
- ストリームに対する書き込み操作中にストリームが予期せず終了する。
- 子プロセスへの標準入力経由でのコマンド実行中に、その子プロセスが停止または終了し、標準入力がクローズされる。
解決策としては、データを書き込む前に対象のパイプやソケットがまだ開いているかを確認する必要があります。また、'error'
イベントのリスナーを適切に設定しておくことで、このようなエラーが発生した時にアプリケーションがクラッシュするのを防ぐことができます。
エラーの例:
Error: write EPIPE
at WriteWrap.onWriteComplete [as oncomplete] (internal/stream_base_commons.js:87:16) {
errno: 'EPIPE',
code: 'EPIPE',
syscall: 'write'
}
このメッセージは、データを書き込む操作(おそらくwrite
システムコール)がEPIPE
エラーに遭遇し、データの書き込み先が存在しないことを示しています。エラーオブジェクトにはエラーの種類(errno
とcode
によって示される)と、問題が発生したシステムコール(この例ではsyscall: 'write'
)が含まれています。
EPIPEの識別方法
-
エラーメッセージ:
Error: write EPIPE
このメッセージは書き込み操作がパイプ(pipe)またはストリーム先で失敗したことを示しています。
-
errno
およびcode
プロパティ:errno: 'EPIPE', code: 'EPIPE',
これらは発生した問題が
EPIPE
エラーであることを示し、データの書き込み先がもはやデータを受け取る準備ができていない状態です。 -
システムコール情報:
syscall: 'write'
この部分は問題が発生したシステムコールを指し示しており、この場合はデータを書き込むための
write
コールです。
対処法
🛠️ 対処法:
-
エラーハンドリングの改善: 書き込み操作をする前に、ストリームが終了していないかを確認し、
'error'
イベントの適切なハンドリングを実装します。 -
接続状態のチェック: ソケットやパイプが開いているかどうかを確認し、
EPIPE
エラーの発生を防ぐために、その状態に基づいて書き込むかどうかを決定します。 -
終了イベントのハンドリング: ストリームやソケットの
'end'
または'close'
イベントをリッスンして、終了が発生した場合にそれ以上の書き込みを行わないようにします。 -
再試行ロジックの追加: エラーが発生したときに、再試行メカニズムを導入して、データを再度送信できるようにします。ただし、無限ループにならないよう注意が必要です。
-
子プロセスの管理: 子プロセスにデータを書き込む際は、プロセスがまだ生存しているかを確認し、終了時には適切にリソースをクリーンアップします。
-
ログの確認: ログ情報を確認して、エラーが発生する直前の状況を把握し、原因を特定する手がかりを見つけます。
-
ネットワーク環境の評価: 特にソケット通信を使用している場合は、ネットワークのインフラが正常に機能しているかを確認します。
-
依存関係の更新: 使用しているライブラリやモジュールが古い場合は、最新版に更新して問題が解決されるかを確認します。
-
リソース制限の解除: システムのファイル記述子の上限に達していないか、その他のリソース制限がかかっていないかを確認し、適宜調整します。
-
コードレビュー: コード内で非同期の書き込み操作が正しく管理されているかを再確認し、必要に応じてコードの改善を行います。
9. ECONNRESET
ECONNRESET
エラーは、TCP接続が相手側によって強制的にクローズされた(リセットされた)時に発生します。これは、通信を行っているピアが予期せず接続を閉じたことを示しており、データの送受信中にも起こり得ます。
具体例は以下の通りです:
- サーバーが処理中にクラッシュするか、意図的に接続を閉じる。
- クライアントがデータを読み込んでいる最中にサーバーが接続をリセットする。
- ネットワーク機器(例えばルーターやファイアウォール)が接続をリセットする。
- 長時間接続がアイドル状態になった後に、適用されているタイムアウトによって接続がリセットされる。
このエラーを解決するためには、ネットワーク設定やサーバーの状態を確認し、問題のあるケースでは再接続ロジックを実装することが有効です。また、相手側の接続が予期せず閉じられないように、アプリケーションの安定性や耐障害性を改善する必要があります。
エラーの例:
Error: read ECONNRESET
at TCP.onStreamRead (internal/stream_base_commons.js:205:27) {
errno: 'ECONNRESET',
code: 'ECONNRESET',
syscall: 'read',
address: '192.168.1.100',
port: 8080
}
このメッセージは、IPアドレス192.168.1.100
のポート8080
への接続が突然リセットされたことを示しています。エラーオブジェクトには失敗した操作に関連する詳細情報(errno、code、syscall、address、port)が含まれており、問題が何であるかとそれがどこで発生したかを特定するのに役立つ情報が提供されています。
ECONNRESETの識別方法
-
エラーメッセージ:
Error: read ECONNRESET
このメッセージが示すのは、接続がリセットされたことです。
-
errno
およびcode
プロパティ:errno: 'ECONNRESET', code: 'ECONNRESET',
これらのプロパティはエラーオブジェクト内に含まれ、発生した問題の種類が
ECONNRESET
であることを示しています。 -
システムコール情報:
syscall: 'read',
この部分は問題が発生したシステムコールを指し示しており、この場合はデータ読み込み操作(
read
)でエラーが起きたことを意味します。 -
アドレスとポート情報:
address: '192.168.1.100', port: 8080
これはエラーが発生したネットワークのアドレスとポート番号を示しており、どのエンドポイントが影響を受けているかを教えてくれます。
対処法
🛠️ 対処法:
-
再接続ロジックの実装: アプリケーションに再接続のメカニズムを組み込むことで、
ECONNRESET
エラー発生時に自動的に接続を復旧させることができます。 -
ネットワーク設定の確認: ルーターやファイアウォールの設定をチェックし、不要な接続リセットが発生していないか確認します。
-
サーバーの状態の監視: サーバー側で問題が発生していないか、ログファイルやシステムの稼働状況を確認します。
-
クライアントのタイムアウト設定の見直し: クライアント側のタイムアウト設定が適切かどうかを評価し、必要に応じて調整します。
-
Keep-Alive設定の利用: TCP Keep-Aliveオプションを有効化することで、アイドル状態の接続を維持し、予期せずの切断を防止します。
-
エラーハンドリングの強化:
ECONNRESET
エラーが発生した際に適切に処理するためのエラーハンドラーを設置します。 -
依存関係の更新: 使用しているライブラリやフレームワークが最新かつ適切に設定されており、既知のバグを含んでいないことを確認します。
-
帯域幅と通信量の管理: ネットワークのオーバーロードが原因でないかをチェックし、サーバーに不要な負担がかかっていないことを確認します。
-
通信の暗号化: セキュリティ対策としてSSL/TLSなどの暗号化プロトコルを使用し、中間者攻撃によるリセットのリスクを低減します。
-
システムリソースのチェック: サーバーのリソース(CPU、メモリ、ディスクスペースなど)が枯渇していないかを確認します。
-
コードレビュー: 送受信ロジックが正しく実装されているかコードレビューを行い、特にストリーム処理や非同期処理に問題がないか確認します。
10. EMFILE
EMFILE
エラーは、プロセスがオペレーティングシステムによって設定された同時オープンファイルの最大数を超えた場合に発生します。Unix系のシステムでは、この限界はulimit
で設定することができますが、デフォルト値は通常かなり低いです。
具体例は以下の通りです:
- サーバープログラムが多数のクライアントから同時に接続を受け付け、それぞれの接続に対してファイル記述子を大量に消費している場合。
- ファイルを大量に扱うバッチ処理やツールが、ファイル記述子のリソースを開放せずに次々と新しいファイルをオープンしていくケース。
- 開発中のプログラムにリソースリークのバグがある場合。たとえば、ファイルを開いて何かしらの処理を行った後に適切にファイルをクローズしないなど。
解決策としては、オープンファイルの最大数を一時的に増やすか(ulimit -n
を使用)、ソフトウェア自体を修正してファイル記述子を効率的に使用するようにします。また、必要なファイルのクローズ忘れがないか、コード内でリソース管理を適切に行っているかを確認する必要があります。
エラーの例:
Error: EMFILE, too many open files
at Server.setupListenHandle [as _listen2] (net.js:1263:19)
at listenInCluster (net.js:1328:12)
at doListen (net.js:1451:7)
at processTicksAndRejections (internal/process/task_queues.js:81:21) {
code: 'EMFILE',
errno: 'EMFILE',
syscall: 'open',
path: '/path/to/some/file'
}
この例では、プログラムが多くのファイルを開こうとしたときにEMFILE
エラーが発生しました。エラーオブジェクトには詳細情報が含まれており、問題の解決に役立つ可能性があります。実際のメッセージは環境や状況に応じて変化するため、上記メッセージはあくまで一例です。
EMFILEの識別方法
-
エラーメッセージ:
Error: EMFILE, too many open files
このメッセージは、同時に開かれるファイルの数が多すぎることを示しています。
-
code
およびerrno
プロパティ:code: 'EMFILE', errno: 'EMFILE',
エラーオブジェクトのこれらのプロパティは、発生した問題が
EMFILE
であることを示します。 -
システムコール情報:
syscall: 'open',
システムコールの情報は問題が発生した操作が何であったかを明らかにしており、上記の場合は
open
システムコールです。 -
ファイルパス情報:
path: '/path/to/some/file'
発生したエラーの対象となったファイルのパスが示されます。
対処法
🛠️ 対処法:
-
リソース制限の増加:
ulimit -n
を使ってオープンファイル記述子の最大数を一時的に増やす。ただし、システム全体のリソースと他のプロセスへの影響も考慮する必要があります。 -
コードのレビュー: ファイルやソケットを開いた後にきちんとクローズしているかを確認し、ファイル記述子のリークがないか、コードの各部分を注意深く検討します。
-
非同期I/Oの使用: 同時に多くのファイルを開く代わりに、非同期I/Oを利用して効率的にリソースを利用するような設計に変更することが有効です。
-
ファイルディスクリプタキャッシュ: よく使うファイルについてはファイルディスクリプタをキャッシュし、不要にオープンとクローズを繰り返さないようにします。
-
ストリーム管理の見直し: ストリームベースのアプローチを取り入れ、ファイルをチャンク単位で処理することで、同時に開かれるファイルの数を減らすことができます。
-
ライブラリまたはモジュールの活用: ファイル記述子の管理を助ける外部ライブラリやモジュールを導入し、その基盤を利用してリソース管理を改善します。
-
サーバー設定の最適化: 特に多くの接続を扱うサーバーの場合、ファイル記述子の利用を最適化するためのサーバー設定(例:Nginxの
worker_connections
)を見直します。 -
リソース監視ツールの利用: リソース監視ツールを使用して、オープンされているファイル記述子の数を常にチェックし、問題が起きている時に即座に対応できるようにします。
-
プロセスの分割: 一つのプロセス内で多くのファイルを同時に扱うのではなく、複数のプロセスに分割してそれぞれが少量のファイルだけを扱うようにアーキテクチャを変更することも一案です。
-
システムのハードウェアリソースの拡張: 物理的または仮想的なリソースの不足が原因である場合、メモリやCPUのパワーアップを検討します。
まとめ
この記事では、Node.jsアプリケーションでよく見られる10種類のエラーについて説明しました。これらのエラーは、アプリケーションの安定性やパフォーマンスに影響を与える可能性があり、デバッグや問題解決に時間を費やすことになります。しかし、エラーが発生したときには、エラーメッセージやエラーオブジェクトに含まれる情報を注意深く検討することで、問題の原因を特定し、適切な対処法を見つけることができます。
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