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Azure Firewall DNSプロキシを試す

Last updated at Posted at 2025-03-25

はじめに

本記事ではAzure Firewall DNSプロキシを試します。

登場する単語 意味
名前解決 FQDN(例example.com)をIPアドレスに変換すること
Azure Private Link プライベートにAzureリソースへ接続できるサービス
Azure プライベートDNS プライベートIPアドレスで名前解決するためのDNSサービス

なぜAzure Firewall DNSプロキシが必要なのか

例えば何かのサービスでPrivate Linkを使用することがあるかと思います。
Private Linkを使用する場合、同時にプライベートDNSを使用することになります。

プライベートDNSは通常、Azure内でのみ利用できます。

Learnの図のように通常はVNet内から名前解決をしています。

プライベートDNS.png

しかし、オンプレミス環境から接続する際にもこのプライベートDNSを使用したいケースがあります。オンプレミス環境からプライベートDNSへ名前解決をしたくとも応答してくれません。

そんな時に登場する解決策の一つがAzure Firewall DNSプロキシです。
今回はAzure Firewall DNSプロキシを使用して、オンプレミス環境から名前解決してみます。

構成図

クライアントPCのDNS設定をAzure Firewallにした状態で、プライベートDNSへ名前解決します。

P2S-firewall-simple.png

以下の順に作成します。

  1. 閉域接続設定
  2. プライベートDNS作成
  3. Azure Firewall DNSプロキシの設定

閉域接続設定

クライアントPCからVNetへ通信できる環境であれば何でも大丈夫です。
ExpressRoute、VPNGateway(S2S、P2S)など

私はOpenVPNを使用してP2Sで接続しています↓

雑な記事で申し訳ないですが、VPNGatewayでP2Sする場合はこちら

  • OpenVPNは少々複雑ですが、VMで起動停止が可能です
  • VPNGatewayはMicrosoft純正品なのでお手軽です

プライベートDNS作成

1. プライベートDNS作成

プライベートDNS作成.png

2. Aレコード作成

3.VNetとリンク

プライベートDNSをVNetに紐づける.png
→追加ボタンより、VNetを選択。

Azure Firewall DNSプロキシの設定

こちらを参考に進めます。

VNetのDNSサーバーをカスタムにしてAzure FirewallのプライベートIPアドレスを指定しておきます。

Azure FirewallのDNS設定画面で以下のように設定します
DNSプロキシ.png

DNS設定はAzure Firewallインスタンスの[設定] 画面に[DNS 設定] がない場合はAzure Firewallポリシーの設定画面を確認してみてください

閉域接続せずにnslookupしてみる

自宅PCからインターネット経由で名前解決してみます。

パブリック名前解決.png

パブリックIPアドレスになってます。
プライベートDNSを使用できていません。

閉域接続

OpenVPN接続(P2S)をします。

接続したインターフェースの設定を見てみると、
既にDNSが以下のように設定されていました。

VNetのDNSサーバー設定を入れていると自動で反映されるようです。

nslookupしてみる

プライベート名前解決.png

無事プライベートIPアドレスに名前解決されました

余談

Azure FirewallのDNS設定を以下のようにしてみます。

カスタムDNSにするとどうなるんじゃい?.png

168.63.129.16の機能
168.63.129.16はAzure が提供しているDNS機能というイメージです。
Defaultでも168.63.129.16に向いているはずなので、Customでこういう風に指定してもうまくいくはず。

nslookup!
プライベート名前解決(カスタムDNS後).png

期待通りプライベートIPに名前解決されました!

補足(Private Linkを使用した場合)

Private Linkで作成したプライベートDNSを試した際の話です。
以下構成図でも試してみました。

P2S-firewall.png

通常はPrivate Endpointが作成されたVNet-Spoke-1とプライベートDNSがリンクされます。
しかし、VNet-HUBにはプライベートDNSがリンクされていません。
DNSプロキシを使用する場合はVNet(B)にもリンクしてあげる必要があります。

最後に

通常、プライベートDNSの名前解決をオンプレミスから実施できませんが、
Azure Firewall DNSプロキシを用いることで解決することができました。
あくまでAzure Firewallは解決策の一つの例です。他の方法が気になるかたは参考文献をご参照ください。

参考文献

◆Learn
DNS プロキシの構成

◆ブログ 
今回以外の方法など、網羅的かつ丁寧に解説されておりおすすめです。
Azure Private Endpoint のための DNS 構成パターン

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