みなさん、最近AIの進化がすごいって話題ですが、安心してください。AIがどんどん進化しても、実はITエンジニアの仕事はなくなるどころか、これからむしろどんどん増えていくんです。今回は、その理由を具体例を交えながら、ざっくりと解説していきます!
1. AIは便利な道具であって、何かを判断する「考えるロボット」じゃない
1.1 AIはデータ処理が得意だけど…
今の生成AIは、インターネット上の膨大なデータを学習して、パターンを見つけ出すのが超得意です。たとえば、定型的なコードの生成や、CRUD(Create, Read, Update, Delete)の操作などは、さながら東大理3レベル以上の知識をふんだんに使って、あっという間にこなしてしまいます。
つまり、こういった「決まったパターンの仕事」はAIが得意分野です。
1.2 だけど、判断力は幼稚園児以下…
ただし、ここでひとつ問題があります。AIは、与えられたパターン通りにしか動かないので、「本当にどうすればいいのか」と状況を判断する力は持っていません。
具体例として、こんな話があります。
例:画像からメガネを消す依頼
ある男の人の画像に写ってるメガネを「消してほしい」と頼むと、AIは「メガネがない男の人の画像」を生成しようとします。
つまり、本来なら画像内でメガネ部分だけをきれいに削除するはずが、全く別の男の人の画像を1から作っちゃうことがあるんです。
この例からもわかるように、AIは「どこがメガネか」といった細かい判断ができず、与えられたパターンに沿って処理するだけなので、結局柔軟な対応は難しい。
こういうわけで、AIはあくまでも「便利な道具」としての役割であって、状況に合わせた判断をする「生きた知恵」を持っているわけではないんです。生成AIが世に出回り始めてから3年ほど経ちますが、こういった部分に関しては全く進歩していません。
2. Devinの判断能力は見掛け倒し
Devinはプログラム生成に特化したAIです。コードを自動生成する能力に関してはかなり優れていて、膨大な学習データからパターンを見出し、定型的なコードやよく使われる設計パターンは素早く出力してくれます。実際、ルーチンなプログラムやテンプレートコードの作成では、Devinはかなり役に立ちます。
しかし、Devinが持つ判断力には大きな限界があります。それは何故か↓に説明します。
2.1. 指示が具体的じゃないと期待通りのコードは出ない
Devinは、与えられたテキストプロンプトや明確な指示に基づいてコードを生成します。
具体例:
「ユーザー認証機能を実装して」という曖昧な指示だと、Devinはよくある実装パターンを出力するだけです。たとえば、データベースとの接続方法やパスワードのハッシュ化といった具体的な設計が記されないと、実際のプロジェクトの要件に完全には合わないコードになりがちです。つまり、外部からの漠然とした指示に対して、独自に最適な判断を下すことはできません。
2.2. 事前に定義されたパターンに頼るのみ
Devinが生成するコードは、あくまで膨大な過去のデータや既存のコード例に基づいています。
具体例:
たとえば、ある特定のフレームワークを使ってWebアプリケーションを作る場合、Devinは既存のパターンを適用して一般的な構造のコードを出力します。しかし、プロジェクトごとの微妙な違いや、最新技術に適応した独自の実装ロジックについては、Devinは自ら判断して革新的なコードを考案することはできません。
2.3. 外部の曖昧な要求に柔軟に対応できない
プログラム生成において重要な点は、エンジニアが直感や経験をもとに微調整を加えるところにあります。
具体例:
「コードをもっとシンプルにして」という要求は、エンジニアならコードの冗長性を理解してリファクタリングする力がありますが、Devinはその要求に対して、単に既存のシンプルなパターンを返すだけです。つまり、外部からの漠然とした指示に対して、実際に状況を読み解いた上でコードを改良する柔軟性は持っていません。
3. 脳を模倣したAIが登場して初めて、働かなくてもいい未来が見えてくる
3.1 脳を模倣するってどういうこと?
人間の脳は、膨大な情報を元に柔軟に判断し、状況に合わせて最適な行動をとる仕組みを持っています。これを再現できれば、今のAIが苦手な「判断力」や「直感」に近い能力を持つことになります。
具体例:
たとえば、複雑な環境下での意思決定や、予測不可能なトラブルへの即応など、今まで人間が直感や経験で乗り切ってきたシーンです。そういう状況でも、脳を模倣したAIなら、自らの判断で最適な解決策を見出せる可能性があります。
3.2 現在はまだ基礎研究の段階
実は、この「脳を模倣したAI」は、研究が始まったのは40年以上前から続いているものの、いまだに基礎研究のレベルにあります。
そして、専門家たちの意見では、世に出回る実用的な形になるのは早くても20年後くらいと言われています。
つまり、今出回っているAIはあくまで道具であって、本当に人間に取って代わるようなAIは、全く別の仕組みを持つ未来の技術なのです。
4. エンジニアの仕事がこれから増える理由
4.1 ルーチン作業は自動化されるけど、その分新しい仕事が出る
もちろん、AIのおかげで定型的なコード生成や決まったパターンの作業は自動化できます。たとえば、GitHub Copilotなんかでコード補完がとても楽になったりしています。しかし、そのおかげでエンジニアは単純作業から解放され、システム全体の設計や改善、セキュリティ対策、パフォーマンスの最適化といった、よりクリエイティブで複雑な仕事に集中できるようになります。
結果として、エンジニアの役割が広がっていくんです。
4.2 複雑なシステムの統合や運用はやっぱり人間にお任せ
Webアプリや大規模なシステムは、いろんなパーツや外部サービスが組み合わさって動いています。
「ただコードを生成する」だけではなく、全体をどう組み合わせるか、どんなエラーが起きたときにどう対処するか、といった判断や調整は、人間の経験と勘が必要です。
AIが活躍するのはあくまでパーツ作りの段階であって、最終的な仕上げやシステム全体のバランスを見極めるのはエンジニアの仕事です。
4.3 技術の進化は止まらない!エンジニアが常にスキルアップし続ける理由
技術の進化はめちゃくちゃ早いです。新しいフレームワーク、プラットフォーム、セキュリティ対策など、どんどん出てきます。
- 最新技術への対応: AIが過去のデータやパターンに基づいているのに対して、エンジニアは常に最新の技術やトレンドを追い、新たな解決方法を模索しなければなりません。
- システム改善とイノベーション: 自動生成されたコードをどうより良くするか、どうやってシステム全体の効率を上げるかといった革新的なアイディアは、人間の判断力や創造力にしか出せません。
だからこそ、エンジニアの需要は、これからますます増えていくんです。
5. 結局、AIはエンジニアを奪うんじゃなくて助けるだけ!
今の生成AIは、あくまで「ルーチン作業を効率化するツール」としての役割。膨大なデータ処理能力とパターン認識力はすごいですが、曖昧な指示や細かい文脈の理解、状況に応じた柔軟な判断はできません。
だからこそ、エンジニアの本当の価値は、AIができない部分、つまり全体設計、統合、運用、そして新しい技術への挑戦にあるんです。
まとめると…
- AIの強み: 定型作業はバッチリこなせるが、判断力や柔軟性はまだまだ。
- エンジニアの役割: AIで自動化された業務の隙間を埋める、システム全体を見通す&改善するクリエイティブな仕事が増える。
- 未来の需要: 複雑なシステムが増える現代、AIを使いこなすエンジニアの需要はこれからも増加する一方!
自分も生成AIが出てきたばかりの頃は"これやばいんじゃね。。。?"と思っていましたが、毎日使い続けるうちにだんだんと正体が見えてきました。インプット力&アウトプット力&精度&推論能力は飛躍的に向上していますが、他人が提供したものに対しての柔軟な判断能力に関しては一切進歩していません。
なので、これからもエンジニアはAIと共存しながら自分たちのスキルを磨いていくことで、どんどん重要な役割を担っていくことになるでしょう。みなさんもこの流れをうまく活用して、未来のIT業界で輝いていきましょう!