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インシデント共有方法に格の違いを感じ勝手に敗北感を味わった話

Last updated at Posted at 2023-09-07

私は普段、お客様のチームに入り込み、SEとして仕事をしております
今日はそのチームで実際に起こった出来事からなぜか勝手に敗北感を味わった話をしたいと思います

まずなにがあったか

普段すでに本番運用がされているシステムに新規要件を実装してまして、定期的に新機能をリリースするようなそんな運用となっています
そんな中のある日、定例(朝会)の中で、直近リリースで発生したインシデントの共有がありました

えーっと実は昨日〇〇という障害が本番環境で発生してその対処をしてました
調べてみた結果、原因は〇〇さんのこのプルリクでして (私:おいおい個人名だすのか!!
このファイルのこの行でNullチェックが漏れてました (私:わわわわ、公開処刑だぁぁぁ
まぁたしかにこの辺はほげほげふがふがで (私:ふむふむさすがにフォロー入るかぁ
でもテストやレビューでちゃんとカバーしときたかったですね (私:全員巻き込んでとどめさすんかいorz

びっくりしました
私からみた場合、括弧書きでツッコんでる通り、ツッコミどころ満載の状態
個人名出したり、具体的な行を提示したり、若干フォローは入れつつも打鍵テストで検出しときたかった旨のトドメを刺しに行った。
そんな風に最初は受け止めましたが、よくよく考えてみると深過ぎた・・

自分に置き換えて考えてみた場合

私だったらこんなふうに共有していたかと思います

えーっと実は昨日〇〇という障害が本番環境で発生しまして。
あ、でも全然すぐなんとかなったんで、あまりひっぱらずって感じでいきましょう!
Nullチェック漏れでしたので、みなさんも是非気をつけていただくようお願いします。

うむ、伝えたいことはまぁ伝わっている。

なぜこんなふうになるかというと以下のように考えているから

  • この人のこの修正って特定しすぎちゃうと犯人探しの結果共有みたいでみんな嫌な思いするかなぁ
  • 誰か一人のせいにしてるみたいで嫌だなぁ
  • まぁ短めの定例だし、あんま具体例だす必要もない気がするし、概要とざっくりとした注意点だけでいっか
  • そもそも個人名だす必要があるかと言われればないし、匿名っぽい感じでいっか
  • 再発防止さえできればそれでいい!

後者の悪いとこ

インシデント共有の仕方と言う点で自分と他者を比較してみました。

一見、私の共有の仕方の方がよく考えられ、他者を守り、適切な気遣いをし、伝えたいことだけ伝えてる。そんな風に見えませんか?

ただこれ、アンチパターンだと思います
どこがアンチパターンかというと、ミスに対する印象づけが最強にダメだと思うんです。

何がどうダメなのか一つずつ見ていきましょう

あ、でも全然すぐなんとかなったんで

本番環境でのインシデントなのに、すごい軽い感じの印象をみんなに与えませんか?
本当に伝えたいのはすぐとかすぐじゃないとかそういう話ではない気が・・

あまりひっぱらずって感じでいきましょう!

このカバーが邪推をうむと思いませんが?
「なんかすごい気を使われてるな」「本当は大変だったんだろうな」
いき過ぎた邪推をすると、「この人は自分一人で対処して軽めに共有して。私たち、頼られてないんだなぁ」
そんな意図は一切ないのに・・・

Nullチェック漏れでしたので

え?どこが?どのように?
時短か。そんな詳細も教えてくれないのかよってなりません?
行を教えてしまうと犯人がってだけなのに><

もう最悪です
この報告がチームのみんなに与えた印象はこうです

  • ミスは個人名や具体箇所を隠されるようなセンシティブな問題
  • ミスが起きれば、上がなんとかしてくれる
  • このミスはまぁ起きてもいいものだったのかな?(よくはないけどしょうがないものだったのかな
  • 私たちは気を遣われる存在
  • リーダーは大事なことも時短時短な超時短野郎

ミスはネガティブなものではない

一方、前者の共有の仕方はどうでしょう。
個人を特定し共有することで、失敗した本人は問題をしっかり受け止めることができ、再発防止に努めることができます。
また個人の特定を恐れないことで具体な内容を共有でき、チームが同じ過ちを繰り返さぬよう記憶に残る内容となりました。
テストやレビューを持ち出すことでチーム全体の問題だと定義し、チームの結束を強める結果となりました。(実際現場では、私がちゃんとテストしてれば、私がちゃんとレビューで指摘できてればなどのコメントがありました)

なぜこんなことができるのか・・

おそらくミスはネガティブなものではないという共通認識がチーム、もしくは会社にあるのだろうそのように私は感じました
よく見てみるとお客様内のチャットツール上ではミスについての報告や、ミスについて回答を控えたくなるような問いにも「犯人は自分だ!」と即レスされる場面が自身が昔みていたチームと比較して多いように感じました
かくゆう私も、お客様のチームに参画して長くなりますが、ミスがネガティブであるという認識が少しずつ薄れていっている実感があります

本人が手を抜いていない場合に発生するミスはポジティブに考えるとこうも捉えることもできます

  • 考えさせられるきっかけとなる
  • 自分の弱いところを結果的に他者に共有できた
  • 苦手なことに挑戦した勇気ある行動の証

※「手を抜いてない」というのは全力だったとかことこまかにチェックしたとかそういう状況ではなく、いつも通り自然に仕事をしていた様を指してます

ミスというのはどんなメンタル状態だったとしても発生します
むしろ「ミスをしてはならない」という意識づけがされている環境下の方がミスを発生させてしまうと思います

所感

負けた・・
ん、待てよ、勝ち負けで語るなんて・・
いや完敗だ・・

こんな共通認識を作れる自信は私にはない
圧倒的な敗北だった

ネクストアクション

さて、負けた負けたばっかり言っていてもしょうがないので、自身のチームでもこのような文化を作っていきたいと思うわけですが、どう進めていきましょうかを考えたい

しれっと真似する

これは急にやってしまうと、セガ(私の名前です)がついにミスに対する犯人探しを始めたなどとそう思われることがあるので絶対やってはいけないですねw
土台ができてなさすぎるように感じます

犯人探しをしたいわけでも、晒したいわけでもないとかなり強調して前置きし、真似する

いやー、逆にいやらしい。
ミスはネガティブじゃないよ!なんて言葉だけでいっててもペテン師感がはんぱないw
伝えるだけじゃなく実感をしてもらいたいところです

ミスに対するネガティブ意識、やめようぜの認識を徐々に広げていってから、真似する

やはりこれがやりたいですよね
ゆっくりゆっくり、何気ない日常の中で発生する小さなミスを題材に意識の共有をして徐々に実感してもらい、浸透させていきたい
頃合いをみたその施策の一つとして真似をしたい。そう思いました
今回の題材をQiita記事に執筆したのも、「ミスに対するネガティブ意識、やめようぜの認識を徐々に広げていく」施策の一つだったり。


弊社、株式会社SORICHは、クラウドネイティブなアプローチを得意とするシステム開発会社として2006年4月からサービスを提供しています。コロナウイルスの流行を受け、2020年3月から社員の9割以上がテレワークで勤務をするようになりましたが、現在も変わらず大手外資系企業をはじめとしたお客様からご愛顧をいただいております。

 代表・馬屋原は学生時代にエンジニアの過酷な労働環境を目の当たりにし、「エンジニアが幸せに働くことができる場所を作りたい」という思いから大学を卒業後すぐに当社を設立いたしました。社名の由来でもある「社会を豊かに」という企業理念のもと、会社に関わる全ての人の豊かさのループの始点となれるよう、今後も技術力を活かして社会に貢献してまいります。

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