Aカンパニーで働く太郎さんは会社のWindowsPCを利用して仕事をしています。
このBさんが使うWindowsPCはA001というホスト名です。
Bさんが「仕事中分からないことあったからA001でchrome使って知恵袋で皆さんのお知恵を見てみたい!」と知恵袋をクリックした時、一体何が起きるのでしょうか。
(ちなみに太郎さんはコロナ禍にありながら、在宅ではなく、毎日出社して社内で働いています。)
会社内にはLANというネットワークが構成されています。
太郎さんの社内PCであるA001もLANの力を借りています。
LAN内には多くのPCやサーバ、複合機が含まれますが、それぞれがIPアドレスを持っています。
このIPアドレスはプライベートIPアドレスです。
LAN内で通信する時には、このIPアドレスがあれば問題ありません。
ただし、インターネットという大海原に出て、知恵袋を見に行くためにはLANの外に出なければいけません。
プライベートIPアドレスでは、インターネットの世界に出れないからです。
そこで登場するのがグローバルIPアドレスです。
インターネットに接続するためには、プライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに変換する必要があるんです。
そこで頑張ってくれるのがデフォルトゲートウェイです。
デフォルトゲートウェイはLANとインターネットの仲介をしてくれます。
こうして、グローバルIPアドレスをゲットしたA001はその後紆余曲折あって、無事に知恵袋を見ることができます。
紆余曲折の部分は長くなりそうなのでまた今度。
知恵袋をA001が見に行くためには、知恵袋を持っているサーバに「みーせて!」と言いに行きます。すると知恵袋を持ってるサーバが「いいよー!」と言って、データを見せてくれるので知恵袋でお知恵を借りられます。
この時に、知恵袋を持っているサーバも知恵袋を見せてと言ったA001も住所を持っています。住所がないと、どこに「みーせて!」と言えばいいか分からないし、どこに「いいよー!」と言えばいいか分からないからです。
ここでいう住所がIPアドレスになるのですが、IPアドレスがもし他のPCと被っていたら、どうなるでしょう?
例えば、知恵袋を「みーせて!」と言ったA001と同じIPアドレスのPCがあったら、知恵袋を見せてくれようとしたサーバは「あれ、どっちに届ければいいんだ??」と困ってしまいます。
だから、IPアドレスは被っちゃダメなんです。
しかし、プライベートIPアドレスは閉ざされたLANの中で被らなければokなルールです。
例えば、AカンパニーというLANでIPアドレスが192.168.1.100のPCがありました。
AカンパニーのLANの中では、同じ192.168.1.100というIPアドレスの機器は存在しません。
しかし、隣の町にあるBカンパニーが持つLANの中には192.168.1.100というIPアドレスを持つ機器が存在するかもしれません。知恵袋のデータを持つサーバはAカンパニーのLAN内にもBカンパニーのLAN内にもいないので、困ってしまいます。
「どっちのIPアドレスにデータを返せばいいんだろう…」
こうならないために、インターネットの世界と通信する時は、世界的に一意なグローバルIPアドレスを利用するんです。