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はじめに
Web UIを実装する際にカルーセルスライダーを実装することはよくあることだと思います。
ライブラリをガッツリ利用するほどではないけれど、カルーセルスライダーっぽい挙動を見せたい という想定で、CSS Scroll Snapと最小限のJavaScriptで実装できるか試してみました。
CSS Scroll Snapでできること
スライドを内包するコンテナに scroll-snap-type
を設定するだけで、CSS Scroll Snapを利用することが可能です。
scroll-snap-type: x mandatory;
mandatory
は、スクロール中でなければスナップ点に合わせられる挙動をします。
(今回はx軸での移動を想定しています。)
操作感だけでいえば、これで十分です✨
CSS Scroll Snapでできないこと
カルーセルスライダーとして利用する場合、任意のスライドに遷移したい要件も多いため、アクティブなインデックスを取得できるようにしておけるようにしたいです。
インデックスの取得はCSSでは不可能なので、JavaScriptで表示している要素を検知して実装します。
実装
インデックスを保持し、ボタンから該当のスライドにジャンプすることができます
実装にはVue3を利用しています。
See the Pen Scroll-Snap Carousel by YUU (@YUUMU) on CodePen.
CSSは上述の通り、scroll-snap-type: x mandatory;
を設定しています。
また、今回アクティブなスライドを中央に寄せる前提としてスライドに対して scroll-snap-align: center;
を設定しています。
JavaScript ( Vue3 )
アクティブなスライドを取得するため、IntersectionObserverを利用します。
各スライドをそれぞれ監視対象とし、コンテナをルートとして交差したタイミングでアクティブな要素として判定します。
const carousel = ref(); // スライドを内包する親コンテナ
const itemRefs = ref([]); // 各スライド要素が格納された配列
const index = ref(0); // スライドのインデックス
const observer = new IntersectionObserver((entries) => {
entries.forEach((entry) => {
if (entry.isIntersecting) {
// 可視対象の要素と一致するスライドでインデックスを更新する
index.value = itemRefs.value.findIndex(element => {
return element === entry.target;
});
}
});
}, {
root: carousel.value, // コンテナ
rootMargin: "0px -50%", // 中央で交差判定を行う
});
// 各スライドを監視する
itemRefs.value.forEach((el) => {
observer.observe(el);
});
その上で各スライドの幅を元にしてコンテナ内をx軸方向にスクロールする slideToIndex()
を実装することで、シンプルにスムースな遷移が設定できました 😺
もちろん、インデックスを利用することで、前/次のスライドに遷移するボタンなども作ることが可能です。
const scrollToIndex = (index) => {
const itemWidth = 300; // スライドの幅を指定
const scrollPosition = index * itemWidth;
carousel.value.scrollTo({
left: scrollPosition,
behavior: 'smooth'
});
}
各スライドの幅をそれぞれ変更してみる
スライドの幅をそれぞれ変更する場合も同様にインデックスを保持することができます。
スライドにジャンプする際は、幅とマージンを加味して計算することで意図した位置まで移動します
注意点としては、幅の小さめのスライドが存在する場合は、意図せぬスライドまでスナップしてしまうため、中央に寄せるための調整が必要です。
See the Pen Scroll-Snap Carousel Various Width by YUU (@YUUMU) on CodePen.
まとめ
- シンプルな実装でカルーセルスライダーを実装することができました😺 ループ不要でアニメーション等にこだわる必要がない場合はよさそうです
- 単なる横スクロールなので各スライドへのジャンプはわかりやすく実装できます
-
scroll-snap-align
のプロパティ変更を行う場合、IntersectionObserverのoptionsを調整する必要がありそうです(今後検証してみます)
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