はじめに
大学生活のなかで,タイヤの発生できる最大の横力を出力したいときが来るはずです。そんなときのために最大横力とそれを発生する横滑り角を出力する関数を作成しました。
環境
- 使用ソフト
- MATLAB R2023 a
- 使用したアドオン
- Magic Formula Tyre Library
関数作成
今回はMagic Formula Tyre Libraryの関数で求められる入力に従って(MF係数,タイヤにかかる荷重,タイヤ内圧,キャンバー角,速度,左右)を引数とする関数にします。
入力 | 単位 |
---|---|
タイヤ荷重 | N |
タイヤ内圧 | Pa |
キャンバー角 | rad |
速度 | m/s |
左/右 |
0 /1
|
座標系は「DIN ISO 8855:2011」に従うそうです。Vehicle Dynamics Blockset の座標系と同じです。キャンバー角の向きがわかりにくいですが,ネガキャンが正方向。多分。
今回はFyが正となる方向(進行方向左)のみを考えることとしました。
FYmax.m
function [FY_max, sa] = FYmax(tireParams,FZ,IP, IA, vel,side)
SA_deg = linspace(-12, 12);%横滑り角の範囲を-12°~ 12°として計算
SA_rad = SA_deg / 180 *pi;%degをradに変換
[~,FY] = magicformula(tireParams,0,SA_rad, FZ, IP, IA, vel, side);%横力計算
[FY_max,sa_index] = max(FY);%最大横力と,それを与える横滑り角のindexを出力
sa = SA_rad(sa_index);%最大横力を与える横滑り角を計算
end
注意事項
大スリップアングル領域での減衰を上手くフィッティングできていないと過大な横力が出力されるのでよく確認してから使った方がいいです。うまくフィッティングできていなかったときは,
- MF係数の修正
- (MF係数の修正が難しい場合) 横G実測値などから実際に使えている横滑り角を見積り,関数の
SA_deg
の範囲をそれにあわせる
のどちらかによって対応しましょう。
おわり
今回作成した関数を使うことで簡単なタイム計算を行うことができるようになります。(今後作成予定)