UUIDを使った一意識別子の生成方法

はじめに

UUID（Universally Unique Identifier）は、128ビット長の一意識別子であり、データベースやネットワーク上での一意性を確保するために広く使われています。Pythonの標準ライブラリuuidを使うと、簡単にUUIDを生成できます。

UUIDの種類

UUIDにはいくつかのバージョンがあり、それぞれ異なる方法で識別子を生成します。以下は主なUUIDの種類です：

1. UUID1: タイムベースUUID

   • タイムスタンプとノード（通常はMACアドレス）に基づいて生成されます。
   • 時間順に生成されるため、タイムスタンプを元にした一意性が保証されます。

2. UUID2: DCEセキュリティUUID

   • ローカルドメイン、POSIX UID/GID、およびタイムスタンプに基づいて生成されます。
   • 一般的には使用されません。

3. UUID3: 名前ベースUUID（MD5）

   • 名前空間と名前のMD5ハッシュに基づいて生成されます。
   • 同じ名前空間と名前に対しては常に同じUUIDを生成します。
   • 名前空間には、uuid.NAMESPACE_DNS、uuid.NAMESPACE_URL、uuid.NAMESPACE_OID、uuid.NAMESPACE_X500などがあります。

4. UUID4: ランダムUUID

   • ランダムまたは擬似乱数に基づいて生成されます。
   • 非常に高い一意性が保証されますが、完全にランダムです。

5. UUID5: 名前ベースUUID（SHA-1）

   • 名前空間と名前のSHA-1ハッシュに基づいて生成されます。
   • UUID3と同様に、同じ名前空間と名前に対しては常に同じUUIDを生成します。

UUIDの生成方法

import uuid

# UUID1: タイムベース
print(f"UUID1: {uuid.uuid1()}")

# UUID3: 名前ベース（MD5）
print(f"UUID3: {uuid.uuid3(uuid.NAMESPACE_DNS, 'example.com')}")

# UUID4: ランダム
print(f"UUID4: {uuid.uuid4()}")

# UUID5: 名前ベース（SHA-1）
print(f"UUID5: {uuid.uuid5(uuid.NAMESPACE_DNS, 'example.com')}")

UUIDの用途

• データベース: 一意のプライマリキーとして利用。
• ソフトウェア: モジュールやコンポーネントの識別子。
• ネットワーク: データパケットの識別子。
• ファイルシステム: ファイルの一意識別子。