MySQLの`GROUP BY`句の使い方

はじめに

MySQLのGROUP BY句は、SQLで集計関数と共に使用され、結果セットを一つ以上の列でグループ化するために使用されます。これにより、各グループごとに集計関数（例えばSUM、COUNT、AVGなど）が適用され、グループごとの集計結果が得られます。

GROUP BY句の基本構文

SELECT
    column1,
    column2,
    aggregate_function(column3)
FROM
    table_name
GROUP BY
    column1,
    column2;

• column1, column2: グループ化する列です。
• aggregate_function(column3): 集計関数です。例としてSUM(column3)やCOUNT(column3)などがあります。

具体例

例1: 基本的な使用方法

テーブルsalesに以下のデータがあるとします。

id	product	quantity	price
1	A	10	100
2	B	20	200
3	A	30	150
4	B	10	250
5	A	20	100

各製品ごとの総売上金額を計算するクエリは以下の通りです。

SELECT
    product,
    SUM(quantity * price) AS total_sales
FROM
    sales
GROUP BY
    product;

このクエリは、製品ごとにグループ化し、各製品の総売上金額を計算します。

結果

product	total_sales
A	6500
B	7000

例2: 複数の列でグループ化

テーブルordersに以下のデータがあるとします。

id	customer	product	quantity
1	Alice	A	10
2	Bob	B	20
3	Alice	A	5
4	Bob	A	15
5	Alice	B	10

顧客ごと、製品ごとの合計数量を計算するクエリは以下の通りです。

SELECT
    customer,
    product,
    SUM(quantity) AS total_quantity
FROM
    orders
GROUP BY
    customer,
    product;

このクエリは、顧客ごと、製品ごとにグループ化し、それぞれの合計数量を計算します。

結果

customer	product	total_quantity
Alice	A	15
Alice	B	10
Bob	A	15
Bob	B	20

GROUP BY句のポイント

1. グループ化の基準:

   • GROUP BY句に指定された列を基準に結果セットがグループ化されます。これにより、各グループに対して集計関数が適用されます。

2. SELECT句の制約:

   • GROUP BY句を使用する場合、SELECT句に含めることができる列は、GROUP BY句で指定された列か、集計関数を適用した列に限られます。

3. 集計関数の使用:

   • SUM、COUNT、AVG、MIN、MAXなどの集計関数を使用して、グループごとの集計結果を計算します。

4. HAVING句の使用:

   • HAVING句を使用して、グループ化された結果に対してフィルタを適用できます。HAVING句は、GROUP BY句の後に続き、集計結果に条件を適用するために使用されます。

例3: HAVING句の使用

前述のordersテーブルに対して、合計数量が20以上のグループを取得するクエリは以下の通りです。

SELECT
    customer,
    product,
    SUM(quantity) AS total_quantity
FROM
    orders
GROUP BY
    customer,
    product
HAVING
    SUM(quantity) >= 20;

結果

customer	product	total_quantity
Bob	B	20

このクエリは、顧客ごと、製品ごとの合計数量を計算し、合計数量が20以上のグループのみを結果として返します。