はじめに
for
構文は、特定の条件が満たされるまで繰り返しコードを実行するためのループ構造を提供します。ループ処理は、同じ処理を複数回行いたい場合に非常に便利です。
基本構文
for
ループの基本構文は以下の通りです。
for (初期化; 条件; 更新) {
// 繰り返し実行するコード
}
- 初期化:ループが開始される前に一度だけ実行される。ループカウンタ変数を初期化するために使用されることが多いです。
-
条件:ループが継続する条件を指定。条件が
true
である限り、ループは繰り返し実行されます。 - 更新:各ループの最後に実行される。通常はループカウンタ変数のインクリメントやデクリメントを行います。
例
for (let i = 0; i < 5; i++) {
console.log(i);
}
// 出力: 0, 1, 2, 3, 4
この例では、変数i
を0から始め、5未満の間、ループを繰り返します。各ループごとにi
は1ずつ増加します。
for...in
構文
for...in
構文は、オブジェクトのプロパティを反復処理するために使用されます。
例
const person = {
name: "Alice",
age: 25,
city: "Tokyo"
};
for (let key in person) {
console.log(key + ": " + person[key]);
}
// 出力:
// name: Alice
// age: 25
// city: Tokyo
この例では、person
オブジェクトのすべてのプロパティを繰り返し処理し、それぞれのキーと値をコンソールに出力します。
for...of
構文
for...of
構文は、配列やその他の反復可能なオブジェクト(例えば、Map
やSet
)の要素を反復処理するために使用されます。
例
const fruits = ["apple", "banana", "cherry"];
for (let fruit of fruits) {
console.log(fruit);
}
// 出力:
// apple
// banana
// cherry
この例では、fruits
配列のすべての要素を繰り返し処理し、各要素をコンソールに出力します。
無限ループ
for
構文を使用して無限ループを作成することも可能です。無限ループは通常、特定の条件が満たされるまでループを終了させない場合に使用されます。
例
for (;;) {
console.log("This will run forever");
}
この例は無限に実行され続けるループを作成します。条件が省略されているため、常にtrue
とみなされ、ループが永遠に続きます。無限ループを使用する際には、明示的にbreak
文を使ってループを終了させることが重要です。
break
とcontinue
文
break
文
break
文は、ループを即座に終了させるために使用されます。
例
for (let i = 0; i < 10; i++) {
if (i === 5) {
break;
}
console.log(i);
}
// 出力: 0, 1, 2, 3, 4
この例では、i
が5に達した時点でループが終了します。
continue
文
continue
文は、現在のループの反復をスキップし、次の反復に進むために使用されます。
例
for (let i = 0; i < 10; i++) {
if (i % 2 === 0) {
continue;
}
console.log(i);
}
// 出力: 1, 3, 5, 7, 9
この例では、i
が偶数の場合に反復をスキップし、次のループに進みます。
まとめ
for
構文は、繰り返し処理を実行するための基本的かつ強力なツールです。基本的なfor
ループに加え、for...in
やfor...of
構文を使うことで、さまざまなデータ構造を効率的に反復処理できます。また、break
やcontinue
文を使うことで、ループの制御を柔軟に行うことができます。