はじめに
現在、新卒でエンジニア職に就いてから3年目になりました。
会議や友人に内容(勉強内容,業務内容など...)を説明するときに、「上手く伝わったかなあ...」って思うことは皆さんありますでしょうか?
かつて僕は内容を説明するときに、「聞き手に伝わったかなぁ...」 って毎回心配に思う人でした(口が上手いかというとそうではなく、むしろ苦手意識も持っているので...)。しかし、仕事で打ち合わせをするときに、社内の開発メンバーや社内ユーザに説明をする機会もそこそこあるのですが、主にプロジェクトマネージャーや同期から「すごく説明が分かりやすい」「イメージが掴みやすかったです、ありがとうございます」など、有難いことに説明することに対して好評をいただいてきました。
そんな「口下手でも説明を上手くするコツ」を自分が意識している範囲でご紹介できればと思います。今回は、会議の打ち合わせや友人への説明場面を想定して記述させていただきます。
説明が上手くなるコツ
僕が聞き手に「説明が上手い」とよく言われる際に意識しているのが、「全体観、詳細、締め」 の3項目になります。具体的には下記のようになります。
- 全体観:相手に説明したい内容の全体観を理解させる
- 詳細:なぜこの説明をするのか、何を伝えたいかを詳らかに説明する
- 締め:伝えたかったことを最後に要約する
これらについて、次のセクションでは細かく簡単な具体例(GETとPOSTの違い)を交えて説明していきます。
Step1: 全体観の説明
個人的にはここが一番重要だと思っています。
ここでは、聞き手のレベルに合わせて全体観を説明することが必要になってきます。そこで重要なのが 図解能力 だと考えています。図解能力とは、図を使って相手の脳内に分かりやすくイメージさせる能力となります。図解を使うことで、文字で伝えるよりも格段に伝えるのが速くなる利点があります。
準備(図解)
まず、他者へ説明するにあたって、図解を使って自分の脳内整理や聞き手へ伝えるための準備を行います。図解をするにあたって、自分が意識している観点が、「全体観が一目でわかるものになっているものか」になっています。全体観を書くにあたって、主に4パターンのうちどれに当てはまるかを考えます(今までの仕事や自主学習を経て、この4パターンに集約できました)。
# | 種類 | 事象例 |
---|---|---|
1 | フロー型 | スケジュールの説明, ロジックの説明 |
2 | 原因解決型 | 不具合修正の過程説明, 問題解決の説明 |
3 | 対比型 | 混同しやすい違いの説明 |
4 | 分類型 | 一覧の説明 |
「GETメソッドとPOSTメソッドの違いを説明する」となった場合
パターン3の「対比型(混同しやすい違いの説明)」に該当するので、なるべく対比を意識して図示します。私が図示した例は下記のようになります。ここで意識したことは主に3点です。
- GETとPOSTについて、対比(並列)を意識して書いている
- GETとPOSTについて、一目で違いがわかりやすいように、赤字で違いを強調している
- 身近な具体例を交えて説明している
となります。混同しやすい違いについては、身近な具体例を交えると聞き手により伝わるかと思います。
説明
次に全体観の把握・準備ができたら聞き手に説明をします。
自分がここで意識しているのは、最初の段階では「図で書かれたことしか説明しない」ことです。これは、最初の段階でいきなり図にないことを説明されると、全体観の把握に一生懸命な聞き手が混乱して、聞くのを放棄してしまうことを防ぐためです。
「GETメソッドとPOSTメソッドの違いを説明する」となった場合
「GETメソッドについては、PCからサーバへデータを送信するとなった場合、内容を公開した状態で送られます。」
「その一方で、POSTメソッドについては内容を非公開にした状態で送ります。」
「具体的には、GETメソッドは宛先と内容がわかるハガキ、POSTメソッドは宛先のみがわかり、内容はわからない封筒をイメージすれば良いかなと思います。」
といった感じで、対比を意識して説明できるとなお伝わりやすいかなと思います!
Step2: 詳細の説明
Step1が終了したら、次に詳細の説明をしていきます。
詳細の説明をする際には「聞き手の目的を達成するために、図に書かれていないことを追加で説明する」です。
目的の達成確認
ここでいう目的とは、「相手に理解させる」「その上で次なるアクションを明示(指示)する」など様々かと思いますが、例えば下記の場合は、
- 友人に内容を説明する場合:友人にわからない部分を理解させる
- 打ち合わせで説明する場合:説明して理解してもらった上で次なるアクションを明示(指示)する
になると思います(これに対応しないことも多々あるとは思います)。もしこの段階で説明の目的を達成していた場合は、詳細な説明を飛ばしてStep3の「締めの説明」に入って良いと思います。もし、説明の目的を果たせていない場合は、引き続きStep2で「詳細の説明」を行います。
「GETメソッドとPOSTメソッドの違いを説明する」となった場合
この時点で「GETメソッドとPOSTメソッドの違いが大体理解できたから大丈夫、ありがとう〜!」というように、聞き手が話し手に伝えてくれれば、相手に理解させる目的は達成できたと思うので、その場合はStep3「締めの説明」に入って良いと思います。
しかし、「GETメソッドとPOSTメソッドのそれぞれどういった場面で使うか知りたい」などの追加要望が来たり、会議や記事投稿などで深く説明が求められる場合は、目的はまだ達成できてないので、引き続きStep2「詳細の説明」を行います。
必要情報の補足
もし目的が未達成の場合は、聞き手が何を知りたいか予測しつつ「聞き手が行動を起こせるように必要な情報を補足し、質問が来たら回答する」の順番でその場の目的を達成させます。例えば、上記の4パターンで必要情報を補足するとなった場合、自分は一例として下記で意識していました。
# | 種類 | 補足内容(一例) |
---|---|---|
1 | フロー型 | 各タスクで実施する具体的な内容 |
2 | 原因解決型 | 不具合時のエラー文 |
3 | 対比型 | 両者の利用用途 / メリット・デメリット |
4 | 分類型 | 各項目の具体的な内容 |
もちろん、この補足内容に全て当てはまる訳ではなく一例にはなりますが、その後に聞き手が行動を起こす説明が含まれていることが重要になってきます。
「GETメソッドとPOSTメソッドの違いを説明する」となった場合
仮にGETメソッドとPOSTメソッドの違いの利用用途を説明するとなった場合は、
「GETメソッドについては、URL上でリクエストした内容が閲覧できるので、検索結果をお気に入りしたい時や再読み込みしてすぐ戻りたい場合に使えます。」
「それに対してPOSTメソッドについては、URL上でリクエストした内容が閲覧できないので、秘匿したいログイン時の情報やセキュリティ性を高めたい場合に使えます。」
「そのため、GETメソッドは検索しやすい情報など見せるデータを送るとき、POSTメソッドは秘匿情報など見せたくないデータを送るときに利用できます。」
といった感じで、引き続き対比の意味を込めて、聞き手に行動を起こす説明があると良いかなと思います!
質問回答
話し手による説明が完了したら、どんな場でも質問が飛んでくるかもしれません。
ここでは特段深いテクニックなどは使っていないですが、「結論から話して、相手が意図となることをなるべく全体観で示した図解したものを用いる」ことを行っています。
もちろんここから議論が飛び交うこともありますが、その際には両者が納得するまで話し合うように心がけています。
Step3: 締めの説明
最後に、Step1,2で話した内容を締めるために、説明した部分の要約を行います。
打ち合わせや友人の説明場面であっても、最後に締めが良ければ、かなり納得して終わらせることができるのではないかと考えています。ここで意識するのは、「読み手が説明の中で特に強調したい部分をできるだけ一言にまとめる」ことです。大体、「全体観の説明 + 聞き手へのアクション」といったイメージです。また、ここでは要約力が求められてきます。特に自分が要約する中で意識していることが、
-
今回の説明の中で一番焦点に当てられる部分はどこか
-
聞き手が行動を起こせる内容を含んでいるか(相手が内容を理解するで完結した場合は、含まれない)
になってきます。
「GETメソッドとPOSTメソッドの違いを説明する」となった場合
「最後に、GETメソッドは内容が外から閲覧できるものの、POSTメソッドは内容が外から閲覧できません。」
「これにより、GETメソッドは検索結果の保存、POSTメソッドはログイン情報を送る時にそれぞれ使われるといった感じになります。」
といった感じで説明すると、説明の焦点、聞き手へのアクションを起こせるようになるかと思います!
まとめ
今回は、口下手でも説明が上手いと言われる方法を言語化してみました(今まで言語化したことがなかったので、頑張って洗い出してみました笑)。この流れをフローチャートでまとめると、こんな感じですかね。

もし良ければ参考にしてみてください!