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自然言語処理ライブラリGiNZAで固有表現抽出してみた

Last updated at Posted at 2020-03-22

#この記事の目的

最近, Pythonで日本語での固有表現抽出(Named Entity Recognition; NER)を簡単に使いたいなと思っていろいろ探していたろころ, GiNZAというものを知ったので使ってみました.
ちなみに, 固有表現抽出は自然言語処理のタスクの1つで, 以下の図のように日付や人物など, 特定の単語を検出するもののことです.

image.png

GiNZAについて

GiNZAは自然言語処理(Natural Language Processing; NLP)を行うためのライブラリの1つで, 固有表現抽出以外にも様々なタスクをこなすことができます.
正確には, spaCyという自然言語処理ライブラリがあるのですが, その日本語処理部分を担当しているといった感じです. そのため, spaCyの使い方がわかる方なら早いと思います.

詳細は, 以下をご確認ください. 今回は固有表現抽出に限って紹介します.
GitHub:megagonlabs/ginza
第4回 spaCy/GiNZA を用いた自然言語処理

準備

はじめに, GiNZAspaCyを準備します.

!pip install -U ginza
import spacy
from spacy import displacy
nlp = spacy.load('ja_ginza')

これで, spaCy側でGiNZAのモデルが読み込めたので, 処理の準備完了です.
Jupyter Notebookを使っている場合, ここでつまづくことがあるそうなので, その際はGitHubをご参照ください.

データの用意

次に解析対象のサンプルデータを用意します.
今回は, ロンウイット社が公開しているlivedoor ニュースのデータを使います.
データは, 9つのジャンルに分かれたニュースなので, 今回はそれらから1つずつニューステキストを抽出し, 9つのニューステキストに対して, 固有表現抽出を行っていきます.
これにより, テキストのジャンルの得意・不得意などが分かるのではないかという思惑です.

ここからデータをダウンロードして解凍します.
livedoor ニュースコーパス

!wget https://www.rondhuit.com/download/ldcc-20140209.tar.gz
!tar zxvf ldcc-20140209.tar.gz

固有表現抽出

テキストファイルのパスを指定すれば, それを読み込んで解析を行うようにコードを書きました. 試しに, 独女通信の1記事を分析してみました.

#テキスト読み込み
filepath = "./text/dokujo-tsushin/dokujo-tsushin-4778030.txt"
with open(filepath) as f:
    s = f.read()

#ここでいろんな処理が行われる
doc = nlp(s) 

#固有表現抽出の結果の描画
displacy.render(doc, style="ent", jupyter=True)

結果はこんな感じです.
image.png

いい感じに抽出できていますね!
ただ, 見た目の問題ですが, 色の指定がPERSONやTIMEなどにしかされておらず, 少し見づらいです. そこでオプションで色を変えてみます.

#抽出したエンティティの種類に対して色を指定する
colors = {"COUNTRY":"#00cc00", "CITY":"#00cc00", "GPE_OTHER":"#00cc00","OCCASION_OTHER":"#00cc00",
          "LOCATION":"#00cc00", "LOCATION_OTHER":"#00cc00","DOMESTIC_REGION":"#00cc00","PROVINCE":"#00cc00",
          "STATION":"#00cc00", "CONTINENTAL_REGION":"#00cc00","THEATER":"#00cc00",

          "TIME":"#adff2f","DATE":"#adff2f","DAY_OF_WEEK":"#adff2f",
          "PERIOD_YEAR":"#adff2f", "PERIOD_MONTH":"#adff2f", "PERIOD_DAY":"#adff2f",

          "FLORA":"#adff99","FLORA_PART":"#adff99",
          "DISH":"#ffeb99","FOOD_OTHER":"#ffeb99",
          
          "AGE":"#3385ff","N_PERSON":"#3385ff","N_EVENT":"#3385ff","N_LOCATION_OTHER":"#3385ff","RANK":"#3385ff",
          "N_PRODUCT":"#3385ff","":"#3385ff","":"#3385ff","":"#3385ff","MEASUREMENT_OTHER":"#3385ff","PERCENT":"#3385ff",
          "N_ORGANIZATION":"#3385ff", "ORDINAL_NUMBER":"#3385ff", "N_FACILITY":"#3385ff","SPEED":"#3385ff",
          "PHONE_NUMBER":"#3385ff",

          "MONEY":"#ffff00",

          "COMPANY":"#99c2ff", "SCHOOL":"#99c2ff", "INTERNATIONAL_ORGANIZATION":"#99c2ff",
          "GOE_OTHER":"#99c2ff", "SHOW_ORGANIZATION":"#99c2ff","CORPORATION_OTHER":"#99c2ff",

          "CLOTHING":"#ff66a3",
          "PRODUCT_OTHER":"#ff66a3",

          "PERSON":"#c266ff",
          "POSITION_VOCATION":"#ebccff",

          "MUSIC":"#ff7f50", "MOVIE":"#ff7f50", "GAME":"#ff7f50", "SPORT":"#ff7f50", "BOOK":"#ff7f50", 
          "BROADCAST_PROGRAM":"#ff7f50", 
          
          "ANIMAL_DISEASE":"#cd5c5c"
          }

options = {"colors": colors}
displacy.render(doc, style="ent", options=options, jupyter=True)

場所系の単語は緑, 組織系の単語は青など, 適当に設定しました. 改善の余地大有りです.
今回はあくまで実験なので, これで良しとして, これを使って9つのニュース記事を固有表現抽出しました. 結果は以下の通りです.

独女通信

image.png

ITライフハック

image.png

家電チャンネル

image.png

livedoor HOMME

image.png

MOVIE ENTER

image.png

Peachy

image.png

エスマックス

im01.png

Sports Watch

image.png

トピックニュース

img01.png

色を設定すると, デフォルトよりは見やすくなりますね. (ちょっと目がチカチカする気もしますが...)
ニュースのジャンルによっても, エンタメ系は人物が多かったり, ガジェット系は製品や企業の名前が多かったりと一目瞭然ですね.

肝心の精度ですが, ジャンルによっては多少気になる単語もあるものの, 概ねよく抽出できていると言えるのではないでしょうか.

個人的にはITライフハックの記事で「ヤモリ」がFOODに分類されているのが気になってしまいました.

参考

GitHub:megagonlabs/ginza
オブジェクトの広場:第4回 spaCy/GiNZA を用いた自然言語処理
株式会社ロンウイット:livedoor ニュースコーパス
spaCy:Visualizing the entity recognizer
spaCy:Named Entity Recognition

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