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EM必見!効果的なオンボーディングのやり方について

Last updated at Posted at 2023-12-22

この記事は、Ateam LifeDesign Advent Calendar 2023 の23日目の記事です:christmas_tree:

はじめに

こんな悩みや課題をお持ちの方はいないですか?

  • 新入社員がいるけど、パフォーマンスが想定よりも出せていない気がする
  • 質問や相談をして欲しいと伝えているけど、ほとんどされず、成果物を出されたタイミングで見直しが多く発生する
  • 1年以内に退職してしまう方が多い

こういう問題が起きている場合、それって、もしかしたらオンボーディングがうまくいっていないのでは?と思います。
せっかく採用がうまくいったのに、こういう問題が起きてしまうと、費用も高くつくし、あそこの会社は働きづらい会社だというような噂がついてしまう可能性もあったり、かなり勿体無いです。
そこで、今回はどうしたら良いオンボーディングができるのかを体系立てて説明していきたいと思います。

前提としてやるべきではないこと

必ずしもうまくいかないわけではないと思いますが、高確率で失敗する事例を先に紹介しておきます。

  • お手並み拝見/試すというスタンス
    • お互いの期待値が擦りあっていないので、高確率で期待にズレが発生してどちらも思ったより力が発揮しない/されないなあとなる可能性が高いです
    • 特に、何を期待するのか?を擦り合わせることでお互いに成果のイメージが共有でき、うまくいく可能性が高くなります。
  • 初っ端から何でも好きにやっていいよと言って、何も説明しないこと
    • 入ってきたばかりの人からすると、自由度が高すぎると逆に何をやっていいのかわからなくなる可能性が高いです
    • 何をやっていいのか分からないと、全てが試行錯誤になるので効率が悪く、仕事を覚えるだけでかなりの時間を費やす可能性があります
      • 特にリモート化だと周りの動きが見えないので、余計に分からず孤独感を覚える可能性が高いです
    • 制約のある方がパフォーマンスを発揮しやすいというのを理解しておきましょう

オンボーディング五つの壁

前置きが長くなりましたが、どんなオンボーディングが効果的なのかについて説明していきます。

皆さんにまず問いたいのは、オンボーディングを何のためにするのか?です。
基本的にオンボーディングは定着率を上げることパフォーマンスの早期発揮の二つが目的になると思います。
上記二つの目的を達成するために、新入社員がどんな壁を感じているかを理解する必要があります。
具体的には、五つの壁があるとされていて、その五つの壁をいかに早く取り払えるかが鍵になると思います。
(cf: Google、メルカリも採用。新メンバーのパフォーマンス&定着率を上げる「オン・ボーディング」)

  • 準備の壁
  • 人間関係の壁
  • 期待値の壁
  • 学びの壁
  • 成果の壁

五つの壁として、上記の壁が新入社員にはあるとされています。
この壁を3ヶ月以内に取り払えるかどうかで、その後の定着率を左右するというのをまず理解しておきましょう。

五つの壁について、それぞれ詳しく説明していきます。

準備の壁

この壁を取り払うために必要なことは、
入社初日から、業務を行うまでに必要な準備のプロセスの用意です。
最初3日間くらいは、大体の社員はやることが共通していると思うので、ドキュメントにまとめて何も考えずにやれるようにしておくのが良いと思います。

目的は以下です。

  • スムーズにチームへ参加できるようにすること
  • 組織やサービスの目的や意義を理解した状態で働くことができるようにすること

ここの設計がうまくいっていないと、何か働きづらい会社だなという印象や何したらいいんだ?という不安を与えることになります。

具体的なhowについては長くなるので折りたたみを開いて参照してください

具体的な導入設計

具体的な取り組みとして、以下のことをするのが良いと思います。

  • 入社オリエン
    • 会社概要や会社のルール、ツール、人事制度についての説明
  • サービスについての説明
    • 担当するサービスについては特に詳しく説明する
      • ビジネスモデル
      • ミッション
      • 関わる人員・組織
      • 期待する役割
  • PCのセットアップ
  • 使用ツールについての説明
    • slack等の共通ツール
    • 各種アカウントの発行とログインチェックを済ませておく
  • 開発フローについての説明
    • issue作成→mergeまでの流れ
    • merge→リリースまでの流れ

人間関係の壁

この壁を取り払うために必要なことは、自部署の人たちの人となり/他部署の人たちの人となり/業務上関わりが多い人達は誰かを説明し、繋ぐことです。

目的は以下です。

  • 相談や連携のしやすさが向上すること
    • 各部署からの認知 (どんな人が入ってきたか?)
    • 連携部署・人員の把握(誰に相談すべきか?)
  • 人間関係への漠然とした不安を低減すること
    • 各人員との接点の獲得
    • パーソナリティな部分の相互理解

ここが疎かになると、コミュニケーションのハードルが高くなるのでコミュ強でもない限り、相談や連絡が減り業務スピードに影響が出る可能性は高いです。

具体的なhowについては長くなるので折りたたみを開いて参照してください

具体的な導入設計

  • 自部署の人たちの人となり

    • 毎日の朝会
    • 定期的な1on1
    • メンター
  • 他部署の人たちの人となり

    • 特に業務上関わりが多い人
      • ランチや面談(座談会)の設定
      • 座談会としてやるなら
        • それぞれ自己紹介
          • 仕事のポジション
            • 役職
            • 職能
          • 得意分野
            • エンジニアならフロントエンド、マーケならSEO,アドネットワークなど
          • 趣味や特技などパーソナルな部分 (言える範囲でOK)
        • 雑談
          • 前職での経験
          • どんな仕事内容、どんな働き方を普段しているか?
          • モチベーションを感じるものやモチベーションが下がるもの
          • 趣味や特技の話
          • などなど盛り上がればなんでも◯
  • 業務上関わりが多い人達についても上記組み合わせて紹介

より相互理解を深めるためのツール
備考

期待値の壁

この壁を取り払うために必要なことは、will/can/mustを明確にし、相手と自分とで擦り合わせることです。

目的は以下です。

  • 期待値のギャップを無くすこと
    • 何をしたら評価されるのか
    • どれくらいの期間でできると理想なのか

この期待値のすり合わせができていないと、お互い不幸になります。
なぜなら、管理者側からすると、求めていた成果が得られない可能性は高くなりますし、
新入社員としてはやったことが給与に反映されなかったり、周りから、受け入れられてもらえてないような感覚に陥るので早期離職につながる可能性が高いです。

具体的なhowについては長くなるので折りたたみを開いて参照してください
  • 期待値の箇所についてはマネージャーに期待される部分が大きい
  • メンバー同士でも何を期待するのか、役割がどうかを明示する
    • メンバーも新しく入ってきた人に対して、この人が何をできるのか/何が期待されているのかを知らないので、知ることでお互いに相談やサポートがしやすくなります
  • MBOや等級要件など会社で定めている、求めてる成果や期待の基準があればそれを説明する

学びの壁

この壁を取り払うために必要なことは、会社の仕組みや社風、価値観/業務内容/業務に必要なスキル1を説明することです。

目的は以下です。

  • 成果を出すために必要な知識の早期インストール
    • 何を理解すればよいのか?
    • 自分は何の理解が足りていないのか?
    • 学習が闇雲にならないようにする

どんな学びが必要かを詳しく説明することで、自分に足りていないスキルを自覚し、成果に必要なギャップを埋めることができます。

具体的なhowについては長くなるので折りたたみを開いて参照してください
  • スキルマップ
  • 各種READMEの充実
    • 開発環境の作り方
    • プロジェクトの目的
      • ビジネスモデル
        • 売上はどこから?
        • どんな人が介在する?(事業者、ユーザージャーニー)
    • インフラ構成図
    • リポジトリ理解に必要となる共通スキル (どんなプログラミング言語やフレームワークが使用されているか)
    • 関連するリポジトリについて
    • 開発の仕方
    • リリースの仕方
  • 社内独自の用語集
  • ペアプログラミング/モブプログラミング
  • コードレビュー

成果の壁

この壁を取り払うために必要なことは、実際に成功体験を積ませ、自信をつけてもらうことです。

目的は以下です。

  • 会社へ貢献できたという成功体験を得ること
  • 今後、継続的に成果を生み出すための一連の流れを理解すること

成功体験をまず一つ積むことで、会社に受け入れてもらえたという実感が得られます。
自分の中で一つ自信となり、自発的な行動が生まれやすくなります。
また、その過程でFBを行うことで、より効果の高い成果を生むための良いサイクルが回り始めます。

具体的なhowについては長くなるので折りたたみを開いて参照してください
  • issueの用意
    • どんな流れで開発し、リリースまで行うのか
    • 実際にサービスを世の中に出すこと
  • 成功体験を積む
    • リリース後、slack等で初リリースの告知(周りからの称賛を得る)
  • フィードバックが得られる環境を用意する
    • 1on1
    • メンター制度
      • 実際に働いてみて、何ができて何ができないか
      • 改善すべきことはなにか

オンボーディング終了後

オンボーディング自体もFBをもらうことで常に改善を続けていきましょう。
1on1で聞いてみたり、アンケートを取ってみるのをお勧めします。

実際に取ったアンケートについて
  • 入社してから、特に躓くことなくスムーズに業務に移れましたか?10段階でお答えください。(体感で良いです)
    • 上記評価をつけた理由を教えて下さい
  • 最初の業務に移るまでの手順で、改善したほうが良いと思うものがあれば教えて下さい
  • 入社初日を思い出してください。どれくらい会社のメンバーに対しての相談や連携にハードルを感じていましたか?
    • いま現時点で、同じチーム内(第2開発チーム)のメンバーへの相談や連携にハードルを感じますか?
    • いま現時点で、同じプロジェクト内(新車に関わる)のメンバーへの相談や連携にハードルを感じますか?
    • いま現時点で、別職能(マーケや営業、デザイナー)のメンバーへの相談や連携にハードルを感じますか?
    • 困ったときに誰か相談できそうな人は社内にできましたか?
    • コミュニケーション面で困っていることやリクエストがあれば記載お願いします
  • 自分の求められている役割や期待値について理解できましたか? 上記評価をつけた理由を教えて下さい!
    • 会社の目指している方向性について理解できましたか?(会社をご自身のアサインされたプロジェクトと読み替えても良いです)
    • 上記の方向性について、理解できていない、浅い部分があれば教えて下さい (特に無ければ特にないと記載してください)
    • 目標制度や等級要件などを踏まえて、会社からの期待値と自分の会社に対する期待とで困っていることやリクエストがあれば教えて下さい
  • 具体的にどんなスキルが必要か理解できましたか?
    • スキル面でつまづいたときに、この人に聞いてみればよいかという目星はつきましたか?
    • スキル面での不安やこういうサポート(ペアプロ・モブプロなど)をしてほしいなどがあれば教えて下さい!
  • 実装からリリースまでの一連の流れを一通り理解することができましたか?
    • 業務の流れや会社の雰囲気を一定理解できたと思いますか?
    • 業務を遂行する上での不安やリクエストがあれば教えて下さい!
  • この約1週間を通して会社に馴染むことができたと思いますか?(1~10段階)
    • 上記スコアをつけた理由をよろしければ教えて下さい
  • 最後に、何か言いたいことや質問があれば、ご自由に記載お願いします!

まとめ

オンボーディングには五つの壁があり、壁を解消していく上で、定着率の向上やパフォーマンスの早期発揮が見込めます。
実際に試して良い反応も得られているので、ぜひ、皆さんも試してみてください!

  • 1.準備の壁
    • 入社初日から、業務を行うまでに必要な準備のプロセス
  • 2.人間関係の壁
    • 自部署の人たちの人となり
    • 他部署の人たちの人となり
    • 業務上関わりが多い人達は誰か?
  • 3.期待値の壁
    • will/can/must
  • 4.学びの壁
    • 会社の仕組みや社風、価値観
    • 業務内容
    • 業務に必要なスキル
  • 5.成果の壁
    • 実際に働いてみて、何ができて何ができないか
    • 改善すべきことはなにか
    • フィードバックを得られる環境があるか?

おまけ 入社する側の心構えとして

オンボーディングでどんなことをすべきか、たくさん語ってきましたが、入社する側の心構えも正直、かなり大事です。
俺は俺のやり方でやらせてくれという人は、正しく周りからサポートや理解してもらうために、一定の説明は必要だと思いますし、
一方で、何でも教えてくれというスタンスの人も待っているだけでは自分が損をします。

お互いに、どうしたらより価値発揮ができるかを考えて、相互に協力することがオンボーディングを成功させる一番の秘訣だと思います!

おわりに

いかがでしたでしょうか?
オンボーディングを正しく設計して行うことで、新入社員の定着率や早期戦力化を見込みましょう!
誰かの参考になれば幸いです。 
最後まで見ていただきありがとうございました!

明日の、Ateam LifeDesign Advent Calendar 2023@tsutormです!
ぜひそちらもご覧ください!

参考文献

  1. ※単純なスキルではなく、ドメイン知識や会社の独自ルールなども含む。
    単純なスキルというのは特定のプログラミング言語の基礎知識など特定の組織に依存しない共通知識

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