最近どこの会社でも「働き方改革」を目的としてRPAの導入が加速しており、多くのコンサル会社やSIerがRPAツールを使ったソフトウェアロボットの取り組むようになってきてます。
そんな中、個人的にはもっと注目を浴びても良い気がしているのが、「AutoIt」「AutoHotkey」「UWSC」といった(ほぼ)無料で使える「自動化ツール(マクロツール)」です。
RPAツールのように使いやすいデザイナーツールや、遠隔から実行する仕組み等はないものの、
- RPAツールを使うまでも無い単純な作業を特定のマシン上で動かす(RPAツールのライセンス節約)
- RPAツールだけではちょっと機能的に足りない部分を補完する
上記のような用途では非常に有効なツールだと思っています。(特にエンドユーザでロボット開発をしない場合)
今回は、この「自動化ツール(マクロツール)」について簡単に(主観的に)比較してみました。
比較したツール
少し調査してみたところ、国内で使われているツールとしては、ほぼ以下の3つに集約される感じだったので、今回はこの3つに絞って比較してみました
- AutoIt
- AutoHotkey
- UWSC
AutoItについて
- BASICに似た構文で簡単にWindowsGUIの自動操作が可能となるWindows用マクロツール
- 簡単なGUIアプリケーションで「AutoIt」だけで開発できる
- スクリプトはインタプリタ形式でも実行形式(EXE)でも動作可能で、実行形式(EXE)はAutoItがインストールされていない環境でも動作する
- ドキュメントもヘルプ(英語)が充実している
- 付属の「AutoItX」というDLLで他言語から「AutoIt」の関数を呼び出せる
- 歴史の長いであるにも関わらずフォーラムも活発でライブラリも充実しており、現在も頻繁にメンテナンスされている
- フリーウェアであり、過去にGPLでソース公開していたが、現在はソース公開はしてない
AutoHotkeyについて
- 基本的に「AutoIt」をベースに開発されたそうなので特長は「AutoIt」とほとんど同じ
- 最大の特徴としてはスクリプトでショートカットキーを定義することが出来、定義したショートカットで任意の実行ファイルを起動することができる
- GPLでソース公開されている
UWSCについて
- BASICライクな言語で書くところはAutoItやAutoHotkeyとほとんど同じ
- 最大の特徴としては画像認識(画像のボタンを特定)は認識精度も高く、
- pro版はシェアウェア(6500円ぐらい)
- ソース公開はしてない
- 最近公式サイトにアクセスできない等が発生していたり、雲行きがあやしくなってきている(シェアウェアのpro版が買えない模様)
機能比較表
機能比較表を作成してみました。一応簡易な動作検証はしてみましたが、あまり時間かけて検証してません。
機能名 | AutoIt | AutoHotkey | UWSC | 備考 |
---|---|---|---|---|
Windowアプリ操作 | ○ | ○ | ○ | |
Web操作 | ○ | ○ | ○ | |
Excel操作 | ○ | ○ | ○(pro版のみ、未検証) | |
録画機能 | ○(うまく動作せず) | ○(うまく動作せず) | ○ |
個人的順位
どのソフトウェアも(ほぼ)無償で使えるツールとしては機能的にすばらしく甲乙付け難いのですが、
1位: AutoIt
2位: AutoHotkey
3位: UWSC
自分は機能よりもアジャイルに(カジュアルに)使えることを最も重視しているため、学習コストが低い「AutoIt」を1位としました。もし、機能重視ということであれば「AutoHotkey」が1位になるのではないかと思います。
それと、「UWSC」は学習コストも低く、画像認識機能は優秀なのですが、大変残念な事に現在公式サイトがクローズ状態となってしまっており(2018/5現在)、現時点においては業務で使用するには不安がある感じです。
ということで、次回は「AutoIt」についてもう少し詳しく書こうと思います。
追記: 2021/2/15
情報掲載が大分遅くなってしまいましたが、「UWSC」の作者である"umiumiさん"は亡くなられているそうです。大変優秀な製品だっただけに非常に残念です。umiumiさんのご冥福を心よりお祈りします。
参考サイト: http://itot.blog.jp/archives/21432032.html