はじめに
- Effective DevOps、
Effective
とつく本には外れが少ない(イメージがある)ので早速読んでみました! - その中でも5章の
devopsに対する誤解とアンチパターン
が非常に参考になると思ったかつすごく耳に痛い部分が多かったので、要約・抜粋します。 - 良本だったので興味がある方は是非買って読んでみてください!
devopsに対するよくある誤解
devopsに関係があるのは開発者とシステム管理者だけだ
- devopsはdevelopmentとoperationsの合成語だが、devopsの概念には、異なる職能の人がコラボレーションすることでよりよくしていくという考え方で、開発者とシステム管理者だけに収める概念ではない。
devopsはチームである
- 「devopsチーム」のような特定のチームを作るのは、理想的な状態ではない。元々devops文化がいない組織に、devopsチームという区切りは既存のコミュニケーションを悪化させることがあれど、軽減することはない。本質的な変化を根付かせるためには、背後にある課題に取り掛かる必要がある。
devopsは肩書だ
- devopsエンジニアという想像される人物像
コードの書き方も知っているシステム管理者
システムの基礎も知っている開発者
- これらのイメージは非現実なもので、スケーラビリティでもない。devopsの本質は文化的運動であり、効果的なdevopsのためにその思想と原則を組織全体で取り入れる必要がある。
devopsはウェブ系のスタートアップだけの問題だ
- devopsはWeb系のサービスが多いスタートアップでこそ重要だと思われがちだが、大きな組織でもdevopsの原則を取り入れることには大きな効果がある。
devopsには認定資格が必要だ
- devopsの大部分は文化の問題で、資格試験で測れるものではない。
devopsとは、半分の人員ですべての仕事をすることだ
- devopsはソフトウェア開発とシステム開発の両方の仕事が出来て、一人分の給料で働いてくれる人間を手に入れることだと思っている人がいるが、このような考えは有害だ。
- devopsは、企業で必要なエンジニアの数を半分にいしてコストを節約するわけはない。devopsとは、サービス障害の回数と時間を削減したり、開発にかかる時間を短縮したり、個人とチームの力を底上げしたりして、仕事の品質と効率を上げるための手段である。
devopsには「正しい方法」(または「間違った方法」)がある
- ある企業のdevops戦略がうまくいっているからといって、それと同じプロセスがどこでもdevopsの正しい方法になるわけではない。
devopsを取り入れるためにはX週間/Xヶ月かかる
- devopsは継続的なプロセスである。目的地ではなく旅の過程なのだ。devopsのかなりの部分は文化的なもので、改革の一部にどれだけの時間がかかるか予測するのは難しい
devopsはツールの問題だ
- devopsの推進にツールは効果的だが、devopsは特定のツールを使って自動化をすすめるだけのものではない
devopsとは自動化のことだ
- devopsはインフラストラクチャーの自動化や継続的インテグレーションなど、退屈な反復作業を自動化することだけがdevopsではない。だが、一番大きな効果を生み出すためには、透明性やコラボレーションの水準を上げて理解を深める必要がある。
devopsは一時期的な流行だ
- devopsは技術、ツール、プロセスに縛られたものではないので、古びたり新しいものに取って代わられたりする可能性は低い。devopsは個人、チーム、組織のストリーとアイデアによって定義される運動だ。devopsは持続的な対話であり、成長や変化を導くプロセスアイデアの継続的進化なのだ。
devopsのアンチパターン
非難文化
- 非難文化とは、ミスが発生したときに、個人レベルでも組織レベルでも、人を非難し、処罰する傾向のことである。ポストモーデムやレトロスペクティブの一部として行われる根本原因分析で犯人探しが行われる。責められるのを必死に避けようとする環境では、学習やコラボレーションに力は入らない。
サイロ
- 部門や組織のサイロは、同じ企業の他のチームと知識を共有する気がないチームの空気を表している。サイロ化されたチームでは、目的や責任を共有せず、それぞれバラバラの役割を重視する。これに非難文化が結びつくと、立場の安定のために情報の抱え込みが起きる。結果として、複数のチームで行う仕事は完成が遅れたり、困難になったりする。
根本原因分析
- 根本原因分析とは、問題やニアミスのもとになった「根本」原因を明らかにして、再発を防ぎための適切な行動を取ろうとする手法である。根本原因分析は単一の問題の根本原因を究明することが出来るが、直接の原因に注目がいきすぎて、間接的に影響を与えたかもしれない要員に目が入らなくなる
ヒューマンエラー
- ヒューマンエラーとは、ミスを犯した人間自体がエラーの直接的な原因だとする考え方で、根本原因分析の結果、よく根本原因とされる。しかし、過度に単純化されたものの見方でその人の判断やその実際の行動に移るための要因を隠してしまう。