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はじめに

みなさんこんにちは。株式会社リンクアンドモチベーションでストレッチクラウドのUX/UIデザインを担当しているmizoです。今回は、直近でチームでも悩んだUXライティングのレビューについて、まとめてみようと思います。

なぜUXライティングのレビューは難しいのか

UXライティングのレビューは主観が入りやすい

UXライティングのレビューで最も難しいのは、「個々の読解力やバックグラウンドに影響される」 という点です。極端な話、小学生でもレビューができてしまう領域です。得体の知れない専門分野ならレビューは困難ですが、「日本語」という身近なツールを使っているため、誰でも意見を出せてしまうのです。この特性が、レビューを複雑化させる要因となっています。

「正解」が一つに定まらない表現の多様性

UXライティングにおいて「正解」が一つに定まらない理由は、言葉が持つ多層的な意味やニュアンスにあります。たとえば、「簡潔に書くこと」が一般的には良いライティングの基準とされますが、それが必ずしも全てのケースでユーザーにとって最適とは限りません。ペルソナのITリテラシーやプロダクトへの理解度によって、どの程度丁寧に説明すべきかは大きく変わります。初心者向けには詳細でわかりやすい説明が求められる一方、熟練者にとっては冗長に感じられることもあります。

主観的なレビューになりがちなシチュエーション

異なる職種間でレビューを行う場合

特に最近、レビューに時間がかかってしまったシチュエーションです。

・デザイナーの視点:「直感的に操作を連想できる文言にしたい。」
・エンジニアの視点:「データの条件によってこの文言が変化する場合を考慮したい。」
・プロダクトマネージャーの視点:「対となる概念との兼ね合いを考慮したい。」

上記のような、職種間で大切にしたい観点の違いによって、レビューが何度も行き来することがありました。それぞれの観点はどれも重要で、誰の意見も間違っているわけではありません。ただし、これらすべてをまとめて最適な文言を導き出すのは簡単ではなく、答えがなかなか出せない状況が続いていました。

主観を排除するためのアプローチ

例えば、以下のようなユーザーを削除する際に表示されるモーダルについて考えてみてください。「シンプルでわかりやすくすべき」「削除の結果についても記載した方がいい」「トーンを柔らかくした方がよい」など、さまざまな意見が思い浮かぶのではないでしょうか。このように、意見がまとまらずなかなか決まらない場合には、以下の2点を意識すると良いかと思います。

スクリーンショット 2024-12-23 20.00.08.png

1. 基準を明確にすること

レビューをお願いするときに「ざっくり」依頼をしてしまっていませんか?

ざっくりと依頼してしまうと、決め切るのが難しくなります。そこで、どの観点でレビューすれば良いのかをリスト化し、その観点に沿ってレビューできる環境を整えることが重要です。

例)
- 文言は簡潔か?(20文字以内など具体的に設定)
- ユーザーに期待される行動が明確か?
- 不安を煽る表現になっていないか?

2.ユーザーを中心に考える

結局ユーザーが理解できる言葉ですか?

社内でのレビューや同じ職種間での壁打ちはもちろん重要です。しかし、どれだけ議論を重ねて導き出した答えであっても、最終的にユーザーが理解できるかどうかはユーザー自身にしかわかりません。であれば、合理的に判断した案を実際にユーザーに見せるのが最も早い方法です。インタビューの調整が難しい場合は、メールなどで簡単に意見を聞く方法もおすすめです。

まとめ

弊社でも、UXライティングのレビューがスムーズに進まないことがあります。異なる意見が出るのは「全員が顧客価値を向上させるため」に考えているからです。決して意地悪でいろんなレビューをしている訳ではありません。その点を改めて念頭に置きながら、チェックリストを少しずつ充実させたり、レビューを依頼する際のコミュニケーションに気を配ったりと、地道な取り組みを続けていくことが重要だと思います。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

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