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プロダクトマネージャー(PDM)とプロジェクトマネージャー(PM)はやっぱり分離するべき

Last updated at Posted at 2016-04-05

追記(2019/5/13)

※この記事書いたの大分前なので・・・

この数年で学んだ組織論やPM論を別のブログで書いているのでよかったらそっちも読んでみてほしいです

OKRに関する『混ぜるな危険』(最近流行りのOKRについて書いた記事)
テキトウ組織論(個人ブログ)
楽しく雑談しながら仕事をしたいので「雑談は役に立つ」という屁理屈をこねてみた(会社のブログに書いた記事)

主張

プロダクトマネージャー(PDM)とプロジェクトマネージャー(PM)は兼務するべきではなく、分離するべき

PDMはプロダクトの成功に必要不可欠ですが
同じく実はPMも必要不可欠なのではないかと考えています。
PDMを任されたら、まずは背中を預けられるPMをチーム内に見出すことから始めるのが良いと思うのですが、いかがでしょうか。

以下、そう考える論拠と、私の身の回りで起きていた事例を挙げてみます。

論拠

  1. PDMとPMは本質が異なり、求められる資質も異なる
  2. 特に事業の初期段階は、PDMは「価値ある、使い勝手の良い、実現可能な製品を見出すこと」に集中すべき
  3. しかし、特に日本のIT企業では、PDMとPMが兼務されるケースが多く見え、失敗が多く見られる

論拠の検証

PDMとPMは本質が異なり、求められる資質も異なる

Inspired:
プロダクトマネジメントの役割が、価値のある、使いやすい、実現可能な製品を見つけ出すことにあるのに対して、プロジェクトマネジメントの役割は、製品を市場に送り出すことに尽きるからだ。

Inspiredでもこう語られている通り、二つの役割は本質的に異なる役割です。
本質的に異なる二つの役割を同一人物が担おうとするのは、やはり難しいことだと言えると考えています。

Inspired:
PDMに求められる資質=製品に対する熱意 / 顧客との共感力 / 知性 / 仕事に対する倫理観 / 誠実さ / 自信 / 姿勢
PMに求められる資質=緊迫感 / 立案者たること / 明晰な思考力 / データ指向 / 決断力 / 判断力 / 姿勢

また、こちらもInspiredで語られている通り、PDMとPMに求められる資質も異なります。
特徴はやはりPDMはその責任の向き先がプロダクトに直結しているので、プロダクトに向き合うのですが
PMはそのプロダクトを市場に送り出す手段としてチームの力を活用するので、チームやメンバーに向き合うというところだと考えています。

※事例

私がかつて在籍したソーシャルゲームの開発現場では、プロデューサー:PDM ディレクター:PM という分担でした。プロデューサーはとにかくユーザーが求めている面白さ、ゲームのグロースに繋がる施策を制約を気にせずに発案します。当然、技術制約、コスト制約などにより全てを実現できるわけではないのですが、そこはディレクターが要件や条件を整理してチームと共に作り上げていきます。チームには、ユーザーの反応をモチベーションにする人、数値グロースをモチベーションにする人、チーム内での自己の貢献をモチベーションにする人など多様なメンバーが存在するので、様々なコミュニケーションでチームを盛り上げつつパフォーマンスを上げるのがディレクターの1つの役割になっていました。

特に事業の初期段階は、PDMは「価値ある、使い勝手の良い、実現可能な製品を見出すこと」に集中すべき

事業の初期段階では、現実問題としてそこまでのコストをかけられない、という理由でPDMとPMが兼務されるパターンをよく見ます。
しかし、事業の成功確率を上げるためにも特に初期段階こそ、PDMとPMは分けるべきだと考えています。
何故なら事業の初期段階というのは正に「価値ある、使い勝手の良い、実現可能な製品を見出すこと」に集中すべき時期であるからです。
そして特にソフトウェア・プロダクトの初期開発というのは、プロジェクトマネジメントの難易度も高いので、やはり選任のPMが必要だと考えています。

※事例

PM的な役割を、エンジニアリーダーが務めるという話もよく聞きます。プロデューサー、エンジニア、デザイナーという最小メンバーで始まったプロジェクトで、エンジニアがPM的な役割を果たし、プロデューサーがPDMタスクに集中できたことで事業がスピーディーにグロースした、という事例も目にしました。事業が拡大してエンジニアチームが増えても、エンジニアリーダーがPM的に立ち回ることでチームは安定し、プロデューサーがPDMタスクに集中することでプロダクトの進むべき方向が明確になっていました。

しかし、特に日本のIT企業では、PDMとPMが兼務されるケースが多く見え、失敗が多く見られる

すでにそうではない企業もあるとは思いますが、私の周りではかなり多いケースです。
こういったパターンでは、そもそもPDMとかPMという役割では呼ばれていなく
大体「プロデューサー」とか「ディレクター」とかいう名前で呼ばれていて
実体としてはPDMとPMを兼務しているという例をよく見ます。

※事例

新規事業の立ち上げで、PDMとPMをプロデューサーが兼務していた現場がありました。新規事業の開発段階はKPIなどの数値もなく、チームのモチベートの難易度が高く、プロジェクトの方針に疑念を抱えてしまうというような状況に陥りがちです。そうなると進捗管理、詳細要件定義、リスク管理などのPM的タスクが膨れ上がり、結果プロデューサーがPDM的タスクに向き合うことが出来なくなります。やはりそのプロジェクトでもそういった状況が発生していて、プロデューサーはかなり大変そうでした。

いかがでしょうか。やはり

  • PDMとPMの兼務にはリスクがある
  • 専任のPMは、特にプロダクト開発の事業グロースに効果を発揮する

と言えると考えています。

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