はじめに
弊社の開発部は現在5名体制の小さなチームで、
私がもう少しで30代に突入しますが、全員20代の若手のみで構成されています。
自社サービスの開発がメインのお仕事で、
時世によりフルリモートを半年以上続けていますが、それなりに上手く回っています。
弊社の社風に合ったチーム→スクラムなチーム
と自然と結論付き、現在の体制を整えていった経緯を一番の年長者の視点から振り返ってみたいと思います!
チームビルディングでの取り組み
1.自身のポジションを捨てる
最初集まったメンバーは私含め4名でした。
簡単なメンバーのプロフィールを紹介します。
■チーム発足当時
・私(28歳)
エンジニア歴:5年目
SESで色んな企業でノウハウを吸収してきた。
広く浅くなスキル感。
チームの長老。元リーダー職。
未経験出身。
・Aさん(25歳)
エンジニア歴:3年目
SESで色んな企業でノウハウを吸収してきた。
私の3年目の姿。バックエンドに自信あり。
未経験出身。
・Bさん(25歳)
エンジニア歴:1年目
フロントエンド強め。
未経験出身。
・Cさん(20歳)
エンジニア歴:1年以内
モチベ激高のエース。
未経験出身。
といった感じです。
CTOやテックリードといった存在はいませんが、何かあった際に相談できる技術顧問はいます。
以前リーダーを任せてもらっていたのですが、
敢えて役職手当やちょっとした肩書は捨てました。
メンバー全員に強い当事者意識を持って欲しかったからです。
正確に言うと今まで積み上げた給与を白紙という訳ではありませんが、
チームで決めた技術水準の成果物を制作し、
チーム全員が問題なしと見なせば、私と同等の給与額に昇格するという仕組みです。
実際に新人の1名を除き、全員同じ額を貰っています。
(勿論新人も条件を満たせば同じ額になります)
これまでの経験上、
・あいつは俺より金貰ってんだから仕事多くやって当然だろ。俺と大して変わらないスキルのくせによ。いや寧ろざk...(略
・リーダーなんだからケツ拭いて当然
・若手だし自分に大した影響力なんてない。ゆくゆく活躍できたらいいなぁ
といった、
他のメンバーとの待遇の差を理由に仕事に対して熱意・責任感をイマイチ持てない人が多い傾向を感じていたので、
これを打破するために決断しました。
基本給+自社サービスの売上のインセンティブ
という給与体制である事も加わり、
・会社と自身の利害の一致によるモチベーションの向上
・自身がチームの主役の一員であるという当事者意識
・先輩と完全に同額となる事への良い意味でのプレッシャーと認められた感
・会社やプロダクト、チームへの愛着
がチーム全員に芽生えました。
手当はもらってメンバーに昼飯でも奢ってやれば良かったかなという思う時期も少しありましたが・・・(笑)、
やはり待遇の差を完全に無くして本当に良かったと思っています。
当初は私が手を動かして一緒に作業してあげる事もありましたが、
皆成長が早く、「面倒を見る」という先輩目線(上から目線)が完全になくなり、
寧ろ助けてもらう場面も多くなってきました。
スクラムで大切な全員が平等で、対等であるべきという思想を地でいくことができています。
2.技術力の均一化
若手が多いチームですので、
・サーバ構築
・デプロイ
・負荷対策
・セキュリティ対策
等、触ったことがない分野が多数存在しました。
ですので、私の知り得る分野は全て惜しみなく伝えました。
・先述した給与アップの成果物の条件に盛り込む
・一緒に作業して手取り足取り教える
・敢えて重要な未経験の分野のタスクを振る
といった形で吸収してもらいました。
全て伝えるのに2~3ヶ月程度しか掛からず、これまで俺の培った経験って薄っぺらっ・・・と哀愁を感じました(笑)
勿論、各自完全に自力で力を身に着けた方が伸びしろは凄いですが、
チームメンバーが競争相手なのではなく、世界中の企業が競争相手なので、
企業の戦力を最低限整える事が最優先事項と考え実行しました。
現在は各自自走しており、分野によっては私は完全に敗北してしまいます・・・。
悔しい気持ちもありますが、同時に非常に頼もしく感じており、
実務的な技術のメンター+自学習が最速でエンジニアを即戦力にする方法なのだろうなとしみじみと感じました。
3.KPTで定期的に振り返り
毎週金曜日にKPT法というメソッドを用いて一週間の振り返りを行っています。
KPTについてはこちらが良い感じに書いています。
https://studyhacker.net/kpt-jissen-hokoku
心理的安全性とモチベーションの向上を目的としており、
スクラムでいうレトロスペクティブに取り入れています。
この場では、
・体調が良くなかったので気を付けたい
・今週気合が入ってなかった
・筋トレしたら頭がすっきりした
・△△の手法を取り入れたら業務効率化が図れた
といった、自身の小さな身の回りの話や、
・〇〇さんと業務の連携がうまくできた
・△△さんの声が小さくて聞こえないんだけど
・◇◇さんにタスクが集まり過ぎてる。大丈夫か?
といったチームでの良かった点(KEEP)、課題点(PROBLEM)を洗い出し、
これらを解決する具体的な手段や新たにチャレンジしたい事をTRYに設定しています。
フルリモートの現在、このKPTが上手く刺さっており、
・メンバー間のコミュニケーション不足の解消
・メンバーの不調の機微のキャッチアップ
・モチベーションの迷走の防止
・チームの方向性の再確認
ができてチームの潤滑油となっています。
4.outputする集団を目指す
元々outputするメンバーもいたのですが、私含め殆どのメンバーは大して行っておらず、
井の中の蛙状態でした。
ある程度仕事がこなせるようになると、
自分が出来るやつだと慢心する傾向が強くなります。
凄い奴だとは思っていなくとも、このままでも仕事は回せるからと成長を止めてしまう人も結構いると思います。
人によって家庭や人生観が違うのでそれが間違っているわけではないと思いますが、
私達の場合は自分達で魅力的なプロダクトを世に送り出す必要があるので、
このままでは不味いと動き出しました。
更なるチームの成長を求め、
inputは継続しつつ、チームとしてoutputする習慣を始めました。
そこで、前述のKPTの中でQiitaに1週間に一本必ず記事を投稿することをTRYに設定しました。
始めてもうすぐ3ヶ月になりますが、全員が継続できています。
筋トレと同じで適切な負荷を掛けて持続することでスキルも身に付きますし、自信に繋がります。
LGTMやストックをしてもらえると非常に嬉しいですし、
エンジニアの世界に対して僅かでもcontribute出来たことが誇らしく感じられます。
意見や指摘が貰えると新たな気付きになりますし、偶に外部の凄い人と関わる機会にも恵まれます。
ですので今後も継続してスキルを磨き、ゆくゆくはカンファレンスの登壇等もTRYしていきたいなと目標にしています。
最後に
ここまで長々とポエムな内容を読んでいただき、ありがとうございます!
もし似たような境遇の方でチームビルディングに悩む方が読んでいましたら、
どこかしら参考になる箇所があれば幸いです!