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NIST によるクラウドコンピューティングの定義からAWSサービスを振り返る

Last updated at Posted at 2024-05-19

概要

NIST: National Institute of Standards and Technology(米国国立標準技術研究所)の作成したクラウドコンピューティングについてをまとめた文書が読みやすかったので、これを元にAWSサービスを捉え直す。

クラウドコンピューティングの定義から見たAWSサービス

5つの基本的な特徴

オンデマンド・セルフサービス

  • オンデマンドでリソースをプロビジョニングできるオンデマンドサービスを提供出来るサービス
  • ユーザー自身でサービスの起動設定が出来るサービス
  • AWSサービス例:
    • Amazon EC2

      • インスタンスサービス
      • オンデマンドでサーバーを起動・停止出来る
      • インスタンスの起動や停止はユーザー自身によって行われる
      • 従量課金、実際に利用した時間・リソースに対して料金が発生する
      • EC2単体ではオートスケールが行えないので、後述のAuto Scalingと組み合わせる必要が有る
    • Amazon S3

      • ストレージサービス。大容量データを保存する事が出来る
      • オンデマンド利用可能
      • データの保存量を元に料金が発生
      • オブジェクトストレージである。ファイルストレージではないので、バックアップ用途に多く使われる
    • Amazon RDS

      • フルマネージドなデータベースサービス
      • MySQL、PostgreSQL、Oracle、SQL Serverをサポートしている
      • データベース管理が不要
    • AWS Lambda

      • サーバーレスなWebアプリケーションを構築可能

幅広いネットワークアクセス

  • 33 の地理的地域内に 105 のアベイラビリティーゾーンが有る。AWS グローバルインフラストラクチャ
  • 自身に近い場所のリージョン/アベイラビリティゾーンを利用出来る
  • AWSサービス例:
    • VPC:
      仮想ネットワーク構築サービス
      論理的に分離された仮想ネットワーク内での AWSリソースを設定できる
      VPC内においてサブネット単位でセグメント化可能
      セキュリティグループ、ACLを利用してネットワークのアクセス制御可能
    • Amazon Direct Connect:
      AWS への専用ネットワーク接続を作成出来るサービス
      オンプレミスとAWSクラウドを専用回線で接続するサービス
    • Amazon Transit Gateway:
      複数のVPCやオンプレミスネットワークを統合、シームレスにネットワーク間接続できる
    • Amazon Route 53:
      DNSサービス。高可用性のDNSサービスを提供する
    • AWS Global Accelerator:
      AWS グローバルネットワークを使用して、アプリケーションの可用性、パフォーマンス、およびセキュリティを向上させる事が出来る
      グローバルネットワークを使用してトラフィックを最適化するサービス。
      ユーザーから最も近いエッジロケーションへの接続を高速化可能

リソースの共用

  • AWSは専有サービスを利用しない限りマルチテナントとなっている
  • 複数のユーザーが同じ物理リソースを共有出来る。これにより、効率的にリソースを活用出来る
  • コスト効率的が図れるが、他のアカウントとリソースを共有しているため、セキュリティ面の課題、及びパフォーマンス制約がある
  • AWSサービス例:
    • 共有ホスト専有ホストのテナンシーオプションの中で、共有ホストが該当する
    • 複数のアカウントが同じ物理ホスト上でリソースを共有している

スピーディな拡張性

  • リソースをスピーディーに拡張出来る
  • オートスケールはAWSを利用する大きなメリットと言える
  • AWSサービス例:
    • Amazon EC2
      • 新しいインスタンスを数分で起動できる
    • Auto Scaling
      • 前述したが、事前設定した設定値を元にEC2インスタンスを自動的にスケールアウト/スケールインする事が出来る
    • Amazon RDS
      • 必要に応じてデータベースのインスタンスを追加できる
      • DBストレージサイズを自動的にスケーリング可能な点が拡張性高い所と言える
      • ※オンプレミスの場合は、運用管理者がDBサーバーを止めてストレージを追加する必要が有る
      • リードレプリカの作成も可能
    • Amazon S3
      • 必要に応じてバケットを作成し、データを追加出来る

サービスが計測可能であること

  • 利用したリソースに対して料金を把握できる。利用料の管理・コスト最適化が可能
  • モニタリングツールが提供されている
  • AWSサービス例:
    • CloudWatch Metrics:

      • メトリクスとは、システムのパフォーマンスに関するデータである
      • 計測したいリソースやアプリケーションのメトリクスを発行する事でパフォーマンス計測できる
      • 無料で取得できるメトリクスとしてAmazon EC2 インスタンス、Amazon EBS ボリューム、Amazon RDS DB インスタンス等がある
    • CloudWatch Logs:

      • Amazon CloudWatch Logs を使用して、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) インスタンス、Route 53、およびその他のソースからのログファイルをモニタリング AWS CloudTrail、保存、およびアクセス出来る。( Amazon CloudWatch Logs とは
      • ログデータをリアルタイムで監視し、特定のパターンを検索したり、リソースの問題を特定出来る
      • ログデータを長期間保持することが可能
      • アクセス制御、セキュリティ分析、コンプライアンスの要件を満たす為に使用できる

3つのサービスモデル

SaaS(Software as a Service)

  • クラウド上でアプリケーションを提供するサービスモデルである
  • ユーザーはアプリケーションの管理が不要。利用する時間分料金を支払って利用する
  • AWSサービス例:
    • Amazon Chime
      • 組織の内外を問わず会議、チャット、業務上の電話を単一のアプリケーションで実現する通信サービス
    • Amazon WorkDocs
      • コンテンツの作成、ストレージ、コラボレーション用の安全なフルマネージド型サービス
    • Amazon WorkMail
      • セキュリティに優れた企業向け E メールおよびカレンダーのマネージド型サービス

PaaS(Platform as a Service)

  • アプリケーションを開発・実行するためのプラットフォームを提供するサービスモデルとなっている
  • ユーザーはアプリケーションの実装やデプロイを担当するが、基盤となるインフラス管理はAWSが行う
  • AWSサービス例:
    • AWS Elastic Beanstalk
      • アプリケーションのデプロイメント、スケーリング、管理を自動化するPaaS
    • AWS Amplify
      • ウェブおよびモバイルアプリの構築、デプロイメント、ホスティング、バックエンドサービスの支援ツール
    • AWS App Runner
      • コンテナイメージまたはコードから、スケーラブルなウェブアプリケーションを簡単にデプロイ、実行するPaaS

IaaS(Infrastructure as a Service)

  • 仮想OSのインスタンス、ストレージ、ネットワーキングなどのプラットフォームを提供するサービスモデルである
  • このプラットフォーム上にユーザー自身でアプリケーションやサービスを構築・管理する
  • AWSサービス例:
    • Amazon EC2
      • クラウド上で仮想サーバーを起動・実行するためのサービス
    • Amazon S3
      • オブジェクトストレージサービス
    • Amazon VPC
      • 仮想ネットワークを構築するためのサービス

4つの実装モデル

プライベートクラウド

  • 組織が他の組織と独立して自社のリソースを管理するモデル(サーバーを占有している状態)
  • AWS OutpostsやAWS PrivateLinkなどのサービスを利用してプライベートクラウドを実現できる
  • AWS Outposts を使用すると、一部の AWS のサービスをローカルで実行し、ローカルの AWS リージョンで利用できる幅広いサービスに接続できる
  • AWS PrivateLinkを利用する事で、データをインターネットに公開することなく、VPC と AWS のサービス間の接続を確立する事が可能
  • 上記サービスを利用して、AWSのインフラストラクチャをローカルデータセンターやオンプレミス環境に拡張し、他の組織とリソースを共有せずに利用出来る

コミュニティクラウド

パブリッククラウド

  • 公開ネットワーク上に構築する
  • EC2、Amazon S3、Amazon RDSなどの主要サービスがインターネット経由でアクセス可能
  • 一般ユーザー及び一般企業を対象としている

ハイブリッドクラウド

  • AWS Direct Connect、AWS VPNなどのネットワークサービスを利用する事でハイブリッドクラウドを実現できる
  • パブリッククラウドとオンプレミスのプライベートクラウドを組み合わせも可能
  • 例えば、運用上セキュリティ、コンプライアンスの重要度が高いデータをオンプレミスに保持しつつ、以外のデータをパブリッククラウド等に展開することが可能

参考文献

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