もっと技術の歴史や生まれた背景を知るべく、今回はフロントエンド開発の変遷について学びました。今回は第1回「JacaScriptの黎明期とjQueryです」
書籍「TypeScriptとReact/Next.jsで作る実践Webアプリケーション開発」を参考にしています。
JavaScriptの黎明期とjQueryの人気
JavaScriptは1995年に誕生します。JavaScriptはNetscape社が開発したブラウザ上で動くスクリプト言語として登場。同時期にMicrosoftもWindowsにInternet Exploerを搭載し、JavaScriptに似ている言語JScriptが動作するブラウザを実装しましたが、JavaScriptと非互換な部分も多く、ブラウザ間で挙動が異なる開発者の頭を悩ませていた。
そのような背景でECMAという標準化団体によるJavaScriptの標準化策定が始まります。しかし、Mozilla(旧NetScape)、Microsoft、Adobe、Yahoo!など当時Webをリードする大企業の意見が分かれなかなか標準化が進みませんでした。
その後、2005年にGoogleが地図サービスGoogleMapsをリリースして、JavaScriptが注目を浴びます。Google Mapsは非同期でHTTP通信をするAjaxを活用し、Webでインタラクティブなアプリケーションを実現。AjaxはAsynchronous JavaScript and XMLの略で、JavaScriptを用いて非同期にデータ通信をする実装方法を指します。ページをリロードすることなく必要な部分だけサーバーから情報を取得しUIを更新するこの技術は今では当たり前ですが、当時Webサイトのお化粧程度でしか使われなかったJavaScriptが再注目されます。
このAjaxを活用したWebアプリケーションの開発は世界中に広まり、以下のような多くの開発でJavaScriptが活用されるようになりました。
- Gmailのようなメールアプリケーション
- リアルタイム性の高い分析ツール
- SNSの実装
- ゲームの開発
さらにJavaScriptを多用したWebアプリケーションを普及させたきっかけとして、2008年Google Chromeの誕生が挙げられます。ChromeにはV8というJIT VM型のJavaScriptエンジンが搭載され、JavaScriptの実行速度が飛躍的に上がりました。
結果的にWebアプリは、ブラウザ上で動くアプリとして当時健在だったJavaアプレットやFlashなどで作るアプリケーションと比べてもパフォーマンスが劣らなくなってきました。ブラウザさえあれば、インストール不要で実行できるJavaScriptを活用したWebアプリケーションはますます普及してきました。
上記のように、JavaScriptはもともと必ずしも良いイメージを持たれていたわけではありません。ブラウザの進化とともに多くの画期的なWebアプリケーションが生まれ、次第に人々の認識が変わり、世界中で多くのエンジニアに利用される、人気の高い言語へと生まれ変わりました。
第2回へ続く、、