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はんだ付けの時に火傷をしないためのシミュレーション

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はじめに

はんだ付けをする際、
 ・はんだを持ったつもりがスズメッキ線を持っていて火傷をした。
 ・加熱位置から近すぎる箇所を持って火傷をした。
という経験は誰もが持っているはずである。
安全な距離は痛い思いをして覚えていくものであるが、そうは言っても予め目安を知っておくに越したことはないと思い、温度分布のシミュレーションを行った。

目次

熱伝導率

例えば、はんだを手に持ってはんだ付けしても熱くはないが、スズメッキ線を持ってはんだ付けの動作をするとやけどをする。これは素材の熱伝導率の違いによるところが大きい。

はんだ:約 50 W/m·K
スズメッキ軟銅線:約 400 W/m·K

この値が大きいほど熱がよく伝わり、手元まで熱くなる。
conductivity.png

シミュレーション

FreeCADというソフトを用いて熱伝導のシミュレーションを行い、その出力をParaViewというソフトで確認した。
それぞれの使い方については、余力があったら別の記事で紹介しようかな・・・

(参考)
・FreeCAD:https://www.freecad.org/index.php?lang=ja
・ParaView:https://www.paraview.org/
※FreeCADの出力をParaViewで結果を確認している時の例:
paraview.png

以下、シミュレーションの結果を見ていく。

まずは直径0.4mmの線材について、はんだとスズメッキ線で温度分布を比較した結果は以下の通りである。
material_comp.png
例えば加熱位置から100mmの所では、0.4mm径のはんだの温度は約30℃であるのに対して、同径のスズメッキ線は約90℃にもなる。はんだと間違えてスズメッキ線を持ったら火傷をするのは当たり前である。

様々な線径について同様のシミュレーションを行った結果を以下に示す。
充分な時間加熱し、熱平衡状態に至った時の温度分布である。
all_comp.png

一般的に、60℃以上の物体に数秒以上触れるとやけどすると言われているようである。
上記グラフと照らし合わせると、例えば1.2mm径のはんだは加熱位置から90mm程度、0.6mm径のはんだは60mm程度離れた位置を持てば安全なのではないかと予測できる。

【参考】シミュレーション時の各種パラメータ

FreeCADでシミュレーションを行う際に入力したパラメータは以下の通りである。
※本シミュレーションには不要なパラメータも含まれている。
image.png

参考にしたサイト:
https://www.hakko.co.jp/library/qa/qakit/html/h01020.htm
https://cend.jp/heat_primer/convection_heat.html

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