実務未経験、独学でプログラミングを勉強し、応用情報技術者試験に合格、ポートフォリオとしてのWebアプリケーションを制作し、地方のIT企業に就職にしました。
34歳のころからプログラミングの勉強を始め、ITエンジニアとして就職することに憧れていましたが、まさか実現できるとは…と自分が一番驚いています。どんなことをしたのか、こちらの記事でまとめたいと思います。
34歳から就職までのプログラミング学習については、以下の記事にまとめています。
結論
- 34歳(35歳目前)から初めてプログラミング学習を独学で開始
- 放送大学を卒業、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験に合格
- ポートフォリオを制作、応募先に提出
- 37歳で地方(東京以外)のIT企業(Web受託がメイン)に試用期間の3ヶ月間契約社員として働き、正社員に
提出したポートフォリオについてはこちらの記事で解説しています。
就職できたと思う要因
- ポートフォリオを完成させ、GitHubでコードを公開、Qiitaで解説記事を書いた
- 応用情報技術者試験に合格し、ある程度のITの知識があることを証明できた
- 「業務でプログラミングのできる会社」を目標に、地元の応募可能な求人に応募した。給与、待遇は度外視で求人を探した(結果、満足できる条件のところに就職)
- 地方であるため求人への応募者が少なく、競合相手がいなかった
就職活動を開始した時の状況
- 37歳女性独身実家暮らし、就職活動時は一人暮らし
- 1年9ヶ月無職
- 今までの職歴は契約社員と派遣、3ヶ月、5ヶ月、半年、7ヶ月、1年3ヶ月で、一般事務・英文事務・翻訳・ICT支援員
- プログラミングは実務未経験
- 高校中退から大学中退、そして10年かけて放送大学を卒業した直後
- 基本情報と応用情報に合格してから就活スタート
不利な点
- 長期で一つの職場で働いていない(最長1年3ヶ月)
- 契約社員と派遣社員経験がほとんど
- 業務未経験
- 地方
- 不登校からひきこもり経験があるので、経歴に空白が多い
応募先と結果
- 14社に応募
- 面接に進んだのは4社
- 内定3つ(Web受託、SIer、SES1つずつ)
勉強歴
概略
2020年9月 ExcelVBAの勉強開始
2020年 VBAエキスパートExcelVBAスタンダード取得
2021年1月 Java JSP/サーブレットを使用して自分用の勉強時間計測アプリをVPS上に公開→1ヶ月ほどで使用停止
2021年4月〜10月 業務で使用する可能性のあったScratch、Viscuitを勉強
2021年 趣味の個人ウェブサイトをPHPで作成
2022年 Python Flask学習開始
2022年10月 基本情報に不合格
2022年11月 Flaskでポートフォリオ作成開始
2023年4月 応用情報に合格
2023年6月 基本情報に合格
2023年7月 ポートフォリオ完成→就活
プログラミングの勉強
基本的に入門書を購入(Kindle)し、書籍にあるコードを打ち込んでプログラムを動かす、ということをしていました。実際に動くWebアプリケーションのコードを学べる書籍で1つ見本のアプリを作り、それを自分の欲しい機能に発展させる、というやり方で学んでいました。
プログラミング初心者の最初の高い壁である環境構築には毎回苦しみますが、私は比較的その苦しみが嫌ではなかったです。Google検索しまくり、試行錯誤しまくり、なんとか環境が構築できた喜びの方ばかり覚えています。とはいうものの環境構築は初学者には苦しいので、その点、ExcelVBAを最初の言語にしたのは大正解でした。Excelを使える環境にいさえすれば、即プログラミングが学べます。
資格の勉強
基本情報は基本書を読み、午前(A)試験はひたすら過去問道場で問題を解きまくりました。最終的に初段になりました。(解いた問題数で級や段がある)
私はノート作りが好きなので、基本知らないことは問題を解きながら用語などをノートにまとめていました。試験前はそのノートを何度も読み直しました。中学生のころか20年同じ習慣を続けています。
B試験は最終的にこの1冊をきっちりやれば良いと思います。私は令和5年版でした。
応用情報については以下にまとめています。
30代未経験エンジニア就職・転職に必要なこと
30代といっても私は37歳とほぼ40に近かったので、40代の場合の戦略もいろいろ調べました。特にYouTubeで情報収集をしていました。
これらの動画から割引出した答えは、以下の3点
- ある程度の質のポートフォリオ
- 「一人で勉強ができる」を証明する
- 社会経験・カルチャーフィット
ある程度の質のポートフォリオ
ポートフォリオの技術的な面に関してはこちらの動画で紹介されているものをなるべく満たすものを作成しました。アプリケーションとして十分な機能がある、UI/UXが整えられている、コードの可読性が高い、テストが書いてある、GitHubのIssueとプルリク、をなるべく心がけました。AWS、CircleCIは間に合いませんでしたが、開発本番環境共にDockerを使うことはできました。
こちらも多いに参考にしました。
次の項にも関わってきますが、ポートフォリオの制作は、自ら勉強し実務をこなせる証明になるかと思います。実際就職したのち、私の制作したポートフォリオを見て(GitHubも見たのかな?)、社員の方が褒めてくれていたというのをどこからともなく聞きました。ちゃんと見てもらえているようです。
ちなみに、最初の面接で「提出されたサイトの方がエラーで見れなかったです…」と言われてみました。原因はDockerのMySQLコンテナでのメモリの使い過ぎによるコンテナの停止でした。この問題のせいでつい最近(2024年3月中旬)までポートフォリオが正常に動作していませんでしたが、今の所動いています。
ちなみにそこの企業からは2度の面接の後内定をいただきましたが、第1志望から内定を頂いたので、辞退しました。技術より、「作る意欲がある」ことが見せられただけでも少しは効果はあったのかもしれません。
「一人で勉強ができる」を証明するための資格取得
就職して働いて毎日実感していますが、エンジニアとして働くには自習自学の力が絶対的に必要です。これらができることを絶対的に示さなくてはいけません。
私は中学生のころから不登校になり、高校中退、大学に23歳で入学したが退学、という学歴で、「何かをやりきった」ことがありません。36歳から37歳の1年間は放送大学をなんとしてでも卒業するため、仕事をせずに勉強していました。その間にプログラミングやITの勉強も進みました。
ただ、放送大学の知名度は低く、卒業したことで評価する企業が多いとは思いませんでした。ですので、ITに関して勉強できることを証明するには、基本情報技術者試験(FE)が良いのではと思い、勉強開始。旧試験最後の年に1度不合格、その後は試験の時期の都合で先に応用情報技術者試験を受験、そして基本情報新形式を受験。基本情報で合格点を得たのち、応用情報の合格を知りました。
基本情報については午前試験(現在のA試験)を講座を受講し試験に合格することで免除される制度を利用しました。
これで試験の負担はだいぶ減りました。しかし、その直後に応用情報に合格していることから、おそらく免除しなくても合格していたでしょう。しかし、最初の不合格で大分不安になっていたので、精神安定剤としての効果がありました。合格したのであれば結果オーライです。
社会経験・カルチャーフィット
冒頭に書いた通り、私は不登校とひきこもりを繰り返し、30代以降も短期の仕事しか経験していません。事務、英文事務、翻訳、英語でのWeb会議(打ち合わせ)、ICT支援員と職業と勤めた企業は多いです。
なので書類選考で落ちることは多かったです。しかし、この経歴でも資格やポートフォリオから会ってみようと思っていただけると、内定をいくつかいただくことはできました。私は今までに面接経験がかなり多いため、面接慣れしています。緊張はするのですが、自分の実力以上の振る舞いができます。かつて、ハローワークのセミナーや、市役所開催の面接講座に出席もしました。
私を雇ってくださっている企業は、業務システムにこれから力を入れていくという段階でしたので、私が多くの企業で働いていることを評価してくださいました。絶対に不利になると思っていた私のジョブホッパーな経歴を買ってくれるところだったのです。同時に私もメインの事業であるWebシステムの開発、そして業務システムの開発に大変興味があったので、これがカルチャーフィットというやつかもしれない、と思いました。
転職とカルチャーフィットについて丁寧に解説されている動画です。
まとめ
改めて未経験でWebエンジニアを目指すというのは、なかなか無謀な挑戦だったと思います。特に、求人の少ない地方での就職活動は、成功の見込みはかなり低かったと思います。もちろん戦略を練っての活動でしたが、それでも現在プログラミングのできる職場で働けているのは、運の要素が強かったと思います。ですので、万人に「エンジニア転職目指して頑張れ!」とはリスクが大きくてあまり言えません。が、リスクを背負ってでも挑戦している方にエールを送りたくて、この記事を書きました。
勤務して今日で7ヶ月が終わるのですけど、プログラミングというものが楽しくてしょうがないです。技術的にものすごく成長できたわけではないですが、日々淡々と業務をこなすことはできています。就職まで勉強と就職活動を頑張った過去の自分に、感謝しかありません。