17
17

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 5 years have passed since last update.

Alexaに部屋の温度と湿度を教えてもらう

Last updated at Posted at 2018-09-24

#はじめに
Amazon Echoに温度計の搭載が噂されていますが、一足お先にAlexaと温度計の組み合わせを体験してみます。温度計と湿度計が一体化されたセンサーを使って、Alexaに部屋の温度と湿度の両方をも教えてもらいます。センサーの呼び出しと、Alexaスキルのエンドポイントはラズパイで実装します。

##使用環境

  • Amazon Echo
  • Raspberry PI 3B
  • 温湿度センサーモジュールキット(SHT31-DIS使用)

温湿度センサーは秋月電子通商で購入しました。(通販コード: K-12125)

##おおまかな作業のながれ

  1. センサーキットの組み立てとラズパイの配線
  2. I2Cインターフェースの有効化
  3. Pythonコードの実装
  4. Webサーバーの外部公開
  5. Alexaスキルの作成

ではやっていきます。

#センサーキットの組み立て

組み立てと言ってもセンサー基盤にピンヘッダを取り付けるだけです。基盤にピンヘッダを通して、基盤の裏面に半田付けします。

IMG_2265.jpg

結線方法

センサーとラズパイのピンヘッダの対応です。

SHT31
ピン番号
ラズパイ
ピン番号
メモ
1 (VDD) 1 (3.3V)
2 (SDA) 3 (SDA)
3 (SCL) 5 (SCL)
4 (ADR) - 未使用。開放時はアドレスが0x45になる。
5 (GND) 6 (GND)

配線例

IMG_2266 (1).jpg

動作確認

I2Cライブラリをインストールします。

Raspbian
$ sudo apt-get install i2c-tools

ラズパイのデフォルトではI2Cが無効化されているので、I2Cインターフェースを有効化します。

Raspbian
$ sudo raspi-config

「5 Interfacing Options」を選択

image.png

「P5 I2C」を選択。表示された画面で「はい」を選択。「Finish」でツールを終了します。

image.png

i2cdetectで信号が取れているか確認します。

Raspbian
$ sudo i2cdetect -r -y 1
     0  1  2  3  4  5  6  7  8  9  a  b  c  d  e  f
00:          -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- --
10: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- --
20: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- --
30: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- --
40: -- -- -- -- -- 45 -- -- -- -- -- -- -- -- -- --
50: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- --
60: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- --
70: -- -- -- -- -- -- -- --

アドレス0x45が検出されていれば、機材の準備はこれでOKです。

Alexaスキルのエンドポイントの実装

ここからは、Alexaスキルと対話するためのエンドポイントを実装します。今回はAWSのLambdaは使用せずに、ラズパイ上にWebサーバを立てて、ngrokを使って外部に公開する方法を取ります。温湿度センサーはPythonコードでアクセスするため、ついでにWebサーバもPythonの簡易HTTPサーバーで手軽に実装しました。

Python3の簡易HTTPサーバーを使う

ラズベリ側の~/app/sht31ディレクトリにWebサーバーを配置します。

~/app/sht31/server.py
import http.server

server_address = ("", 8000)
handler_class = http.server.CGIHTTPRequestHandler #ハンドラを設定
simple_server = http.server.HTTPServer(server_address, handler_class)
simple_server.serve_forever()

いちおうindex.htmlを作成しておきます。

~/app/sht31/index.html
<html>
<body>
  Hello HTTPServer.
</body>
</html>

#Alexaスキルの応答コード

PythonのCGIでセンサーの読み取りとAlexaスキルの応答を実装します。コードの前半は温湿度センサーSHT31から値を読みコードです。I2Cのクロックストレッチで1回の転送で6バイトの温湿度データを受信します(ラズパイマガジン2018年2月号のP111を参考にしました)。後半は読み取った値をAlexaスキルに返すためのJSONを生成しています。

~/app/sht31/cgi-bin/sht31.py
#!/usr/bin/env python3

import datetime
import pigpio
import json

pi = pigpio.pi()
pi.bb_i2c_open(2, 3, 100000)

result = pi.bb_i2c_zip(2, [4, 0x45, 2, 7, 2, 0x2c, 0x10, 2, 6, 6, 3, 0])

if result[0] == 6:
  temp = -45 + 175 * int.from_bytes(result[1][0:2], 'big') / 65535
  humi = 100 * int.from_bytes(result[1][3:5], 'big') / 65535

pi.bb_i2c_close(2)

speak = "この部屋の温度は{0}度。湿度は{1}パーセントです。".format(int(temp), int(humi))

resp = {
  "version": "1.0",
  "response": {
    "outputSpeech": {
      "ssml": "<speak>" + speak + "</speak>",
      "type": "SSML"
    },
    "speechletResponse": {
      "outputSpeech": {
      "ssml": "<speak>" + speak + "</speak>"
      },
      "shouldEndSession": True
    }
  },
  "sessionAttributes": {}
}

print("Content-type: application/json\n")
print(json.dumps(resp))

Webサーバーの起動

pigpioデーモンを立ち上げてから、PythonでWebサーバーを起動します。

Raspbian
$ sudo pigpiod
$ cd /home/pi/app/sht31
$ python3 server.py

ngrokで外部に公開します。ngrokのセットアップ方法は「LINEからGoogle Homeを喋らせる」を参考にしてください。

Raspbian
$ ngrok 8000

Alexaスキルの作成

いよいよ、Alexaスキルを作成していきます。Alexa Skills Kit Developer Consoleでポチポチとやっていきます。コードを書いたりする必要はありません。

###新しいスキルの作成

image.png

###呼び出し名
「アレクサ、室温」でAlexaが反応するように設定します。

 image.png

###インテント
今回はカスタムインテントは使用しないのですが、対話モデルに最低1つ要求されるようですので、適当にダミーを作成しておきます。(自信なし)

image.png

###エンドポイント
「HTTPS」を選択し、ngrockのURLに/cgi-bin/sht31.pyを付けたものを指定します。証明書の種類は「開発用のエンドポイントは、証明期間が発行したワイルドカード証明書をもつドメインのサブドメインです」を選択します。

image.png

テストしてみる

alexa developer consoleの「テスト」タブで試してみます。入力欄に「室温」と入力すると、温度と湿度が返ってくるはずです。

image.png

#完成
これで完成です。自分のアカウントに紐づいたEcho実機に「アレクサ、室温」と呼びかけると、アレクサたんが応答してくれるはずです。温度といっしょに湿度もわかるのは意外と便利です。お試しあれ。

17
17
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
17
17

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?