買ってみた
現役の記録メディアとしてはほぼ使われなくなったフロッピーディスクですが、レトロPC界隈では重要なメディアであることには変わりありません。
私もだいぶ前に買ったUSB FDDドライブが1台あるのですが、ずっと使っていなかったので久しぶりに出してみたら若干挙動が怪しい1。
FDD、ドライブもメディアも製造はとうの昔に終了しているのですが、Amazonで検索してみるとまだまだ入手は可能です。ちょうどセール中だったので、もう1台買ってみることにしました(税込み1,852円)。
届いた
こんな箱に入ってます。
中華フォントで日本語が怪しげなマニュアル。「パンコンのUSBポート」「アンターフェース」
使ってみた
早速PCに繋いでみます。PC用の通常のFDDとしては普通に動作しました(1.44MB 2HD)。
問題は、1.23MB 2HDが読めるかどうか(「3モードドライブ」かどうか)です。これはX68000やPC-9801などの国産PCでよく使われていたフォーマットで、これがアクセスできるかどうかはレトロPC的には重要です。
フォーマット | セクタサイズ | トラック数 | サイド数 | セクタ数 | 総セクタ数 | ディスク回転数 |
---|---|---|---|---|---|---|
1.44MB 2HD | 512バイト | 80 | 2 | 18 | 2880 | 毎分300回転 |
1.23MB 2HD | 1024バイト | 77 | 2 | 8 | 1232 | 毎分360回転 |
Windows11は、既にOS側ではこのフォーマットはサポートしていないようなのですが、ドライブ側がサポートしてさえいれば、以下のツールを使ってコマンドプロンプトからのフォーマットが可能です。
(リンク先から、「[おまけ] フロッピーディスクを 1.2M (2HD) でフォーマットするツール(Windows用)」をダウンロードします)
そこで、あらかじめ3モードドライブでフォーマットしておいたメディアを入れてみると…
アクセスできません。2モードFDDでしたー。 残念!
どこかで見た話では、中に入っているのが2モードか3モードかは届いてみないと分からないそうで。まあ「3モード対応」とはどこにも書いていないので仕方ないのですが。
バラしてみた
悔しいのでバラしてみます。
背面の丸い「QC PASS」シールをはがすとネジ穴があるので、このネジを外せば簡単に開きます。
中にはNECのFD3238Hというドライブと、小さな USB to FDD インターフェース基板が。
見るからに古いドライブで、「DATE 2005.1」と書いてますね。19年前か…。
インターフェイス基板には UF001F と書かれています。
チップに刻印がないので素性は不明ですが、検索すると Amazon でこれがヒットしました。
ようは、ジャンクのPCから抜き取ったドライブを、このインターフェース基板に繋いでケースに入れた再生品なんでしょうね。
ドライブの型番、FD3238Hでググってヒットしたサイト「PC-9821・9801・PC98-NX・PC/AT用 3.5インチFDDの互換性一覧表」によると、「PC/AT用 2MODE」と書かれていて、残念ながら正真正銘2モードドライブのようです。
上記1.23MBフォーマットに使ったformat2hd.exeでドライブの対応フォーマットも見られるのですが、
C:>format2hd.exe a: /list
Number of supported medium type : 1
mediaType=2 (3.5" 1.44M), cyl=80, head=2, sct=18, 512bytes/sct
このように、1.44MBのみと出ました。元々持っていた3モードドライブでは以下のように出るのですが。
C:>format2hd.exe a: /list
Number of supported medium type : 3
mediaType=17 (3.5" 1.2M), cyl=80, head=2, sct=15, 512bytes/sct
mediaType=18 (3.5" 1.23M 1024bytes/sct), cyl=77, head=2, sct=8, 1024bytes/sct
mediaType=2 (3.5" 1.44M), cyl=80, head=2, sct=18, 512bytes/sct
続き
せっかく買ったのでもう少し遊んでみました。
ロジアナでフロッピーディスクを読んでみた
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挙動が怪しかったのですが、久しぶりに出してしばらく動かしているうちにまた快調に動くようになってしまいました(苦笑)。まあ買った2モードドライブも別の目的で遊べたのでよしということで。 ↩