はじめに
こんにちは!Supershipの永田ゆにこです!「Supership株式会社 Advent Calendar 2016」の20日目を担当します(^o^)今年は会社のやつに参加するぞ〜!
これからマネジメントやらなきゃいけない人や、同じように困ってる人にぜひ読んでほしい!めちゃくちゃ長いです。
前置きと振り返り
さて、これまでは二年連続でGitに関することを書いてきました。Gitが使えるデザイナーブランディングをしていたんですね〜。いまやデザイナーの人がGit使うのは普通になってきた印象です。便利すよねえ。
去年の書いたのはこれ
Gitとわたしとデザイナーと 〜2015年Gitの思い出〜
その前書いたのはこれ
デザイナーがこうやってGit覚えて大好きになったよ♡
てな感じで少し前はデザイナー&ディレクターをしていたのですが、最近はだんだんプロデューサー&マネージャーぽい感じに変わってきまして、今年一番向き合ったのはたぶんマネジメントかも?と思ったので、今回はそれについて書きたいと思います。
マネジメントって何すればいいの?
明確なアウトプットがない不安
マネジメントが仕事!ってなったときに、一番困ったことは「何をすればいいんだろう?」。「マネジメント」っていうそのものについてがうまくつかめず、最初はかなり悩みました。
いままで勉強してきたこと、Git、slimとsass、UXデザインなどは習得の成果がわりと明確にアウトプットしやすく、目標が追いやすかったんですが、マネジメントってちょっとタイプが違う。いまどれぐらいできるようになっていて、何をしたら達成になるのか、そもそもゴールはあるのか、などが非常に言語化しづらく「これをすればよい!」というものがよくわかりません。本を読んでも概念的なことが多いし、実際にこれやれ!みたいなはっきりとしているタスクもそんなになく…。
メンバーの成果が自分の成果!
マネジメントと言っても様々ですが、やろうとしていることは「自分のグループにいるメンバーのモチベーションや能力を引き出し、各人が参加しているプロダクトでパフォーマンスをより出せるように目標達成を支援する」という人材マネジメントと組織マネジメントが合わさったようなものです。期初にそれぞれと決めた目標を、一年もしくは半年間、達成に向けて支援します。もちろん、自分の目標には「メンバーのみなさんが目標が達成できること」というものも入っていますし、メンバーの成果が自分の成果!まじ、責任重大。
そして、当然ですがマネジメントの中には「評価をする」というものも含まれています。マネジメントをしてくれない上司に評価だけされるのってめっちゃ怖くないですか?!メンバーのみんなに「この人に評価されるの納得できる」と思ってもらわないと 今までは自分の目標だけ達成してれば良かったけど、これからはそういうわけにもいきません。(追記:当然ですが100%の評価をわたしがするわけではなく、その他の仕組みや評価自体の是正ももちろんあります。)
「コーチング」というヒント
掴めないまましばらく悩んでいたのですが、ブレイクスルーポイントがありました。
弊社Supership(以下SS)では新しくマネージャーになった人のために、マネージメント研修というものもあるのですが、そこで使った『この1冊ですべてわかる コーチングの基本』という本の中に大きなヒントがありました。
「コーチング」という手法を使い、「こちらが質問していくことで本人の中にある答えを引き出し、それをモチベーションにつなげたり、課題を解決していく」というものです。
支援のためにわたしが何かをする、ではなく、相手の中にあるものから課題を見つけて成功に向かう、みたいなもので、なんでそういう形が有効なのかなども書かれておりイメージしやすくよくわかりました。自分が動いて何かをする、という見えること以外にも、相手を支援する方法があった、というところに納得感を感じたのかもしれません。
▼ブログに書いてた感想
Yunicode:【読書メモ】この1冊ですべてわかる コーチングの基本
結論:「フワッとしたもの」
本からのヒントで少しだけわかった気がしたけど、やっぱり言語化はうまくできないままだったので、マネジメントをずっとしてきた方に話を聞いてもらったり、人事の方に教えてもらったり、あとはひたすら直属の上司にずーっとずーっと話を聞いてもらったりしました。その他にも新米マネージャーたちとリフレーミングミーティングをしたりなどもいろいろやってみて、少しづつわかってきたことは、
- 正解はない(相手によってやり方から何から全部違う)
- ゴールがない(ずっと続いていくこと)
- 自分も一緒に成長し続けなければいけない(経験を積んでいくしかない)
- 形がない(わたし個人としてのはっきりとしたアウトプットはそんなにない)
- 時に孤独(いろいろある…)
ということでした。なんとなくはわかった、フワッとしてるものなんだと…
のちに、『駆け出しマネジャーの成長論』という本を読んだら、この「マネジメントよくわからねえ、、」みたいな駆け出しマネージャーが陥りがちな上記の思考がほとんど書かれていたのでびっくり!これからマネジメントをしなきゃいけない人には上の二冊まじでおすすめ٩( ᐖ )و
しかし、いくらいい本を読んだとて、対人間とやっていくことなので座学だけでは身につきません。とにかく誠実に学んだことを実践していくしかない!
1on1をうまく使うぞ
課題を見つけるコミュニケーション
コーチングの手段はコミュニケーションです。そしてこれらのコミュニケーションを一番するのが1on1。SSでは1on1が頻繁に行われていて、定期的に各人と30分づつ、一対一で話す時間を設けています。かしこまったものではなく周りがざわざわしているフリースペースのソファとかでゆったり話すことが多いです。
目標に向かって今はどこで、あとどれぐらいで、何が課題としてあるか、などを話します。ちなみにこちらもマネジメント研修の中でも講習があり、1対1で話すときは真横か斜め90度に座ろうね、みたいな超基本的なことからRPG等の実践も交ながら教えてもらう機会がありました。
信頼関係を作ろう
話を聞いて、その人のモチベーションを上げることって、やってみるとめちゃくちゃ難しいです。本を読んでなんとなくわかった気になっていましたが、実際にやると全然違います。
というか、いきなり最近上司になった人と二人っきりでいま抱えている課題の話ってできます??緊張するし、なんとなく世間話みたいになってしまいがちかなと思います。
話してもらうことも信頼関係がないと難しいと思います。お互いの本音を伝えられるような関係の土台を作る。心理的安全っていうものですね。このへんの心理的安全については『チームが機能するとはどういうことか』という本がわかりやすかったです。
お互いのこととか、雑談とか、仕事以外のところについてを話したりなど、信頼を積み重ねる時間として1on1を使ったりもしています。でも信頼ってそんなに簡単に積みあがっていくものじゃないと思うので丁寧にやっていくしかないと思います。忙しいときはスキップしてしまいがちなのですが、間隔はよしなにやりつつ、とにかく続けることが大事だなと思っています。
どうしたら課題を見つける会話ができるか
対話の中からヒントを見つけるので、いかにいろんなことを話してもらうかが重要。細かいところで気をつけていることは、具体的な仕事の進捗みたいな話(あの件どうなった?とか、あれやった?とか)は振らないように気をつけています。そういう話になると話の中心がそこになってしまい、普通のミーティングと変わらない時間の使い方になってしまうからです。「1on1は相手の話したいことを話す時間にする」ことと意識。
それから、課題を見つけるときに「何か困っていることはありますか?」って聞いちゃうと「うーん…(まあいろいろあるけど)大丈夫です」みたいになってしまうことが多かったので、聞き方も「やりたいことやれていますか?」とか「やろうとしていることに対してネックになっていることはありますか?」と少し変えてみたらいい感じでした。「最近むかついてることある?」「いまたのしい?」っていうふうな切り口も、そこから盛り上がって見えなかったことが見えてきたりするので良かったです。
相手を知ろう
もちろん人によって対応は変わるし、基本はあるけど正解はないです。なので、その人がどんな人なのかを知ることはとても大事です。最近けんすうさんから、会社の中には3つのタイプの人間がいるよねっていう話を聞いたんですが、結構納得感がありました。以下。
- ひとつめは手段やプロセスを楽しんだり大事にする「オタクタイプ」
- ふたつめはとにかく目的に向かって手段を選ばず突き進む「ハッカータイプ」
- みっつめは仲間を巻き込んで熱く進む「ヤンキータイプ」
話している相手が、この中のどこに入るかな?って考えながら話すと、相手の言うことになるほどって思うところが見つかったり、逆に自分(わたし)はこういうタイプだからこういうところにこだわりがあるんだよねってこちらのこともわかってもらえます。
「何を大事にしているのか」「どんなことにストレスを感じるか」「何が得意か」「何をしているときが楽しいのか」などを知っておくことは大事なことだと思います。『ストレングスファインダー』の結果を教えてもらうのもいいですよね。
課題が見つかればあとは解決するだけ!
そうやって話していくうちに、ぽろぽろと課題や現在の状況がわかってきて、同時にこちらが支援できるポイントも見えてきます。その中からいま解決すべき問題を見極めてあとは解決していくだけ!たくさんある場合はどれを解決すべきなの?の考え方は『イシューからはじめよ』という本がわかりやすかったです。
という感じで、目標の進捗を確認する場、課題を発掘できる場、どう課題を解決するかを相談する場、信頼関係を築く場、気分転換やリラックスできる場、など1on1は大事な場だと思っています。課題が見えてスッキリした、と言われたり、仕事が忙しかったけど雑談欲が満たされた、とか言われるととてもうれしい!
人を育てるのもマネジメント
うまい人に協力してもらう
メンバーの中には今年2年目の若手もいます。2016年は若手が早く一人前になるよう支援してきました。
当然、一人前になるには具体的な技術の指導も入ってくるのですが、いかんせんわたしはこれが下手です。技術関係の話になってくると自分でやりたくなってしまう。これぞまさに「プレーヤーからマネージャーになりきれていない」っていう典型的なアンチパターン。
しかし、目的は「わたしが技術を教えること」ではなく「若手が技術を身につけて一人前になること」。技術を教えることは手段のひとつなので、別にそこは誰がやっても問題ないのです。むしろ下手な人はやらないほうがいい…。なのでここは技術を教えるのが上手い同じ職種の先輩がたに協力していただくことにしました。
人に教えると自分の学びにもなる
上記の先輩がた&若手での勉強会もしました。
二回やったんですが、一回目は「若手に教えたいこと」っていうテーマでみんながネタを持ち寄った勉強会。若手に向けて、というきっかけでの開催でしたが、普通に役立つ情報が集まりとても良い勉強会になりました。一石二鳥感すごい!
二回目は期の終わりで、若手自身に学んだことをまとめて発表してもらいました。何を学べたかがアウトプットできた&わたしたちもそれがわかってよかった!
同時に「教え方」についての振り返りもしましたが、よかったところ・よくなかったところの再認識ができました。ちょっと口出しちゃったところがあったのですが、改めてわたしは技術を教えるのが下手だな〜(;◡;)精進します、、それにしても、教えるのがうまい人はうまいな〜くそ〜
若手には実践でも、思い切って大きな仕事を任せてみたのですが、よい結果を出すことができたので本人も成長の実感が湧いたんじゃないかな?若手の成長からわたしも多くのことを学ばせてもらいました。これからも一緒に成長をサポートしていければと思います。
実際にマネジメントをやってみて
難しいけどやりがいがある
途中、モチベーションが上がらない時期が続いたメンバーもいました。じっくり話してみるとちゃんと理由があって、そこにある想いに共感もできたから、とにかく寄り添ってどうしたらいまの状況を抜け出せるか、っていうのをたくさん一緒に考えました。結果、わたしがどこまで影響できたかわからないけれど、苦しい状況から抜け出すことができて良い方向に進めました。低迷していたときにたくさん話をしたから強い信頼関係もできた気がします。
人のパフォーマンスを一番引き出せるのは、やりたい仕事や得意なことをやってもらうことだと思います。もちろん、仕事なのでそうとばかりは言っていられないところもあるけど可能な限りそうできたらいいなと思っているし、わたしはそういう方向に向かえるような支援の仕方をしたいと思っています。
やっぱり最後は人の力
まれに全員がセルフマネジメントできていて回るという超優秀なチームもありますが、だいたいは自分一人で100%力を発揮できる状態をキープし続けることは難しい。単純作業ならAIにお任せで良いですが、ものを考える仕事、それも数人のチームを組んでクリエイティブなプロダクトを作る、となるとその難易度はとても高くなります。人のやる気とかモチベーションって、たぶん、お金とかでなんとかするのには限界があって、そういうときに支えてくれたりするのはきっと人です。それでお互いの力を補完しあって大きなことを成し遂げていくのが会社だと思います。
そして、そこの一番下にある土台には、信頼関係だったり、チームワークだったりが必要で、その手段としてのコミュニケーションなので丁寧にやるしかないなって思うのです。改めてマネジメントって本当に大事と思います。
おわりに
上記のようなことを一番考えて、サポートしていくのがマネージャーのお仕事なのかな、っていうのが一年間向き合ってみた感想です。いまだにうまく言語化できていませんが、、
あと、マネージメントって人に興味がないとできないと思いました。もっとクールでイケてるやり方があるかもしれないけど、わたしはこういうやり方しかできないかもです。今後も自分なりに誠実に向き合っていければと思います。
おわり!