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【初心者から上級まで】Linuxの権限(パーミッション)総まとめ

Last updated at Posted at 2024-03-24

パーミッションとは

Permissionは英語で「許可」を表す。Linux用語としてのパーミッションも同じ意味であるが、実際に使ってみないとその意義や役割が分からない。それは本稿の中で挟む「演習」を実践してみてほしい。

Linux上で扱われるパーミッションの種類

兎にも角にも、本稿のポイントは、

(ア)全てのファイル・ディレクトリに

(イ)3種類のパーミッションが

(ウ)3者ごとに決められる

ということだ。これだけだと良く分からないので、これをより詳細に見てみよう。

「3種類の」パーミッション

  1. ファイルを読む権利(r)
    たとえば、catコマンドやmoreコマンド、 lessコマンドでファイルの中身を見る権利の事だ。
  2. ファイルに書き込む権利(w)
    これは、ファイルを開いて内容を編集する権利のことだ。
  3. ファイルを実行する権利(x)

( )内のアルファベットはそれぞれ、読む(read)書く(write)実行する(execute)から来ています。

「3者に対する」パーミッション

  • そのファイルを持っている人(ユーザ)
  • そのファイルを持っているグループ
  • その他の人(ユーザ)

「それぞれのファイル」のパーミッション

それぞれのファイルごとに、「3種類の」「3者に対する」パーミッションが存在する。
確認する方法は以下の通り。

$ ls -l

そして、下は実際の僕のLinux上の画面だ。

image.png
左の方にdrwxr-xr-x -rwx------ -rw-r--r-- -rw-r--r--という見慣れない文字列がある。これこそがパーミッションを表す記号(パーミッションコード)なのだ。次節から、それを分解して見てみよう。

パーミッションコードの構成

まず、パーミッションコードは10桁である。分解すると、1・3・3・3の4つの塊に更に分解できる。

1文字目:ファイルの種類

  1. ファイル(-)
  2. シンボリック(l)
  3. ディレクトリ(d)
  4. キャラクタデバイス(c)
  5. ソケット(s)
  6. ブロックファイル(b)
  7. FIFO(p)
  8. その他(?)

3・3・3文字目:ユーザ・グループ・その他のユーザのパーミッション

(以下:復習)

「それぞれのファイルに、3種類のパーミッションが、3者ごとに決められる。」

これが基本である。

3種類のパーミッション
→ファイルを読む権利(r)・ファイルに書き込む権利(w)・ファイルを実行する権利(x)

3者に対するパーミッション
→①ユーザに対するパーミッション・➁グループに対するパーミッション・③その他のユーザに対するパーミッション
(以上:復習)

これをもとに、実際のパーミッションコードを読解してみよう。
image.png

drwxr-xr-x

d:ディレクトリである。
rwx: ①所有ユーザに、読む権利・書き込む権利・実行する権利がある。
r-x: ➁所有グループに、読む権利・実行する権利がある。
r-x: ③その他のユーザに、読む権利・実行する権利がある。

-rwx------

-:ファイルである。
rwx: ①所有ユーザに、読む権利・書き込む権利・実行する権利がある。
---: ➁所有ユーザを除く所有グループには、三つの内いずれの権利もない。
---: ③その他のユーザには、三つの内いずれの権利もない。

-rw-r--r--

-: ファイルである。
rw-: ①所有ユーザに、読む権利・書き込む権利がある。
r--: ➁所有グループに、読む権利のみある。
r--: ③その他のユーザに、読む権利のみある。

-rw-r--r--

-: ファイルである。
rw-: ①所有ユーザに、読む権利・書き込む権利がある。
r--: ➁所有グループに、読む権利のみある。
r--: ③その他のユーザに、読む権利のみある。

2種類の数字版パーミッションコード(2進数/8進数)

以上まででパーミッションコードの構造が分かった。また、実際にどのような形式でコードが出力されるかも理解した。
ここから、そのパーミッションコードを業務で使うための事項を抑える。具体的には、ファイルやディレクトリのパーミッションコードを確認したり変更したりする段階に入る。そのためには、2進数バージョンと8進数バージョンという、2種類のパーミッションコードを理解する必要がある。
数字版のパーミッションコードでは、最初の一文字目(d - c lなど)は無視し、残りの9文字の有無で数値化する。

2進数バージョン

r w x があったら1、なかったら(-)0。

drwxr-xr-x

d: 数字版パーミッションコードでは、最初の文字は無視。
rwx: 111
r-x: 101
r-x: 101

drwxr-xr-x

d: 数字版パーミッションコードでは、最初の文字は無視。
rwx: 111
r-x: 101
r-x: 101

-rwx------

-: 数字版パーミッションコードでは、最初の文字は無視。
rwx: 111
---: 000
---: 000

-rw-r--r--

-: 数字版パーミッションコードでは、最初の文字は無視。
rw-: 110
r--: 100
r--: 100

-rw-r--r--

-: 数字版パーミッションコードでは、最初の文字は無視。
rw-: 110
r--: 100
r--: 100

8進数バージョン

8進数バージョンでは、2進数バージョンを全て8進数化する。

-rwx------

-: 数字版パーミッションコードでは、最初の文字は無視。
rwx: 111 →7
r-x: 101 →5
r-x: 101 →5

-rw-r--r--

-: 数字版パーミッションコードでは、最初の文字は無視。
rw-: 110 →6
r--: 100 →4
r--: 100 →4

-rw-r--r--

-: 数字版パーミッションコードでは、最初の文字は無視。
rw-: 110 →6
r--: 100 →4
r--: 100 →4

次に、それらがどのように必要なのか実感するため、まずは業務で使うコマンドを俯瞰しよう。

パーミッションコードを確認する

$ ls -l [ファイル・ディレクトリ名]

これは先ほども確認した。例えば、main.pyというファイルのパーミッションを知りたい時は、

$ ls -l main.py

とすればよい。引数無しの以下のコマンド

$ ls -l

を実行すると、カレントディレクトリすべてのファイル・フォルダのパーミッションコードが列挙されて表示される。

パーミッションコードを変更する

$ chmod [8進数パーミッションコード] [ファイル・ディレクトリ名]

これにより、[ファイル・ディレクトリ名]で指定したファイル・ディレクトリの権限設定を、[8進数パーミッションコード]のようにすることができる。

例えば、main.pyというファイルの、所有ユーザと所有グループには「読む・書き換える・実行する」権利を与え、その他のユーザには「読む・実行する」権利を与えるコマンドは以下の通り。

$ chmod 775 main.py

775 → 7-7-5 → 111-111-101 → rwxrwxr-x

最後に

やや詰め込み過ぎた感はあったが、Linuxの権限について必要な事項は完全に網羅した。是非とも、実際に自分のLinux環境で色々触り、業務でも使ってみてほしい。
P.S. umaskについても言及する必要がありそうなので、近いうちにこの記事を編集する形で付け足す。

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