はじめに
Oracle Cloud Infrastructure(OCI)で、データの読み取りと書き込みが高速化するマネージドインメモリデータベースの提供が開始されました(2023/10/17より)。
【アップデート】
Redisのライセンス変更に伴い、OCI Cache with RedisからOCI Cacheに名称が変更されています。
Redisのバージョンが7.4以降はValkeyとしての提供になりますが、旧バージョンには影響しないため、現在のOCI Cacheユーザーには影響しません。
◆OCI Cacheについての参考リンク
そもそもRedisとは
Redis (REmote DIctionary Server)
- オープンソースかつインメモリのキーバリュー型データストア
- 開発者はVMware所属のエンジニアSalvatore Sanfilippo (2010/3)
- DB-Engines Rabkingで全体6位、キーバリューデータベースとして1位 (2024/1 現在)
そんなRedisの機能として、
①アプリケーションの応答性向上、②データ永続機能化、③データの高可用性が特徴として挙げられます。
①アプリケーションの応答性向上
インメモリデータベースなので、時間のかかるDisk I/Oがなくなり、応答が早くなります。
②データの永続性
2種類の永続化設定によりデータ保持が可能です。
Redisのデータ永続性はRDBとAOFの2つの方法で実現しています。
③データの高可用性
クラスタ構成によってデータの高可用性を実現しています。
プライマリノード(1つ)とレプリカノード(複数)によって構成されているため、プライマリノードのダウンタイムを最小限に抑えられようになっています。
OCI Cacheの特徴
特徴としては主に3点挙げられます。
特徴としては下記の3点です。
- 設定が容易
- 自動的な高可用性構成
- シンプルな価格設定
設定が容易
メモリ量とノード数のみ指定のシンプルなプロビジョニングが可能です。
1クラスタあたり5ノードまで、1ノード当たり2 GBから500 GBまで調整できます。
これらにより、最低限の操作でRedisをデプロイしユーザーの負担を軽減することができます。
自動的な高可用性構成
2つ以上のノードをデプロイするとOCIが自動的にノードをADまたはFDへ分散してくれます。
システム障害に備え、自動的に可用性を向上させることが可能です。
シンプルな価格設定
従量課金制であり、使用するメモリの総量のみに基づいています。
<最初の10 GBまで>
1 GBメモリ利用1時間ごとに¥3.007
<11 GBを超える場合>
それ以降の1 GBメモリ利用は1時間ごとに¥2.108
これにより、価格が予想しやすくニーズや予算に合わせた利用が可能になります。
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OCI価格リストからの引用
実際にOCI Cacheを試してみる
OCIで実際にOCI Cacheを利用してみるときは、以下の記事が非常に参考になりました。
この記事では、パブリックサブネットに作成したCompute(Oracle Linux)から、プライベートサブネットに立てたRedisにアクセスするような構成となっております。
おわりに
今回はOCI Cacheというサービスについて紹介いたしました。
日本企業におけるデータ活用の種類として、POSやEコマース、センサデータなどのリアルタイムデータを活用している企業が急増しているので、今後OCI Cache需要は拡大していくことでしょう。
複数のデータストアとマイクロサービスの仲介役をOCI Cacheが担うことで、DBの負荷軽減やマイクロサービスのパフォーマンス向上に寄与することができます。